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物食日記

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美味しいもの、美しいものが好き。 散歩とスナップに夢中。
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2023年9月の記事一覧

黒デビュー

黒デビュー

丸顔にポチャっとした体型。自分には黒色の服が似合わないと、これまでの半生でずっと思いこんできた。しかし、ital lifeの竹下さんがデザインした新作のベースボールTシャツを見たとき、黒色にときめき、着てみたいと衝動的な感情がこみあげてきた。

カラフルな服装の印象が強い竹下さんがシックな色を選ぶことが意外だったし、とても似合っているから、いっそう格好よく思えた。黒だけどグレー混じりの墨黒。その微

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修繕三昧

修繕三昧

この連休中はゆっくり心身を休めながら綻んできた愛用品を修繕。直して、さらにできるだけ長く使い続けたくなる良品を選んできて正解だった。不器用な手で直しながら心底そう思う。

まずはハワイのビールでも呑みつつ、30年来の付き合いであるアウトドア用座椅子『クレージークリーク ザ・チェア』の破れを『ゴリラテープ』で塞ぎ留める。90年代のシーカヤッキング&キャンプ取材で大活躍した道具。椅子内部からは美しいビ

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アルバースと神の眼

アルバースと神の眼

千葉県佐倉のDIC川村記念美術館でジョセフ・アルバースの授業を受けて一週間が経過。色どおしの関係と視覚の不思議を学び、体感し、悦び、いまだ深い深い余韻のなかに居る。これ以上、関心が強く呼び覚まされるような機会は今後あるのだろうかと脱力感に包まれている。それくらいインパクトのある企画展示であり、ラーニング・プログラムだった。

アルバースは大学での授業あるいは自著にて、正方形讃歌をはじめ作品で配置し

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ガラガラ&神の眼

ガラガラ&神の眼

世田谷、生活工房でのワークショップで植物の葉を紐にする基本スキルを学んで、家で復習。教わったコツに沿って庭に茂る月桃の葉を乾燥させたものをよ(撚・縒)って継ぎながら長い紐づくりを楽しんだ。ワークショップ会場でひときわ眼をひいたものがあった。

マコモというイネ科の草を真竹にぐるぐると巻き留めた不思議な製作見本だった。そのフォルムに見覚えがあったのだ。確か雑誌『民藝』の表紙を飾っていたような。

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J.アルバースの授業

J.アルバースの授業

週末は片道約3時間の小旅行。千葉県佐倉の「DIC川村記念美術館」へ。二度目の訪問で、前回は閉館間際に滑りこみハラハラ。気障でまともに鑑賞できなかったので早朝に葉山を出て開館直後に到着。一番乗りしたのはジョセフ・アルバースの作品展示を存分に堪能したいことに加えて、15名限定のラーニング・プログラムをぜひとも体験したい願いがあったから。

雨上がりの静穏な館内。最初の入館者特権で、空間を独り占めしてい

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バイク・パッキング考

バイク・パッキング考

何を携え、どう収納するか。荷物のパッキングについてよりベストを追求するのがたまらなく好きだ。基本は必要最小限で可能な限りコンパクトが理想。バイクでの移動は積載量が限られるから選択はおのずとシビアになるのが佳い。現在の職場は横須賀久里浜の広大な緑地公園。バイクで通勤し、携行した荷物は野ざらしになり、カラスの洗礼を受け、不意な大雨を浴びる。汚れを気にせずラフに扱え、浸水をそこそこ防ぎ、なおかつバイクに

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ススキをたばねる

ススキをたばねる

世田谷、生活工房でのワークショップで植物の葉を紐にするスキルを学んで、家で復習。教わったコツに沿って庭に茂る月桃の葉を乾燥させたものをよ(撚・縒)って継ぎながら長い紐づくりを楽しんだ。いちおう基本はわかったかな、と満ち足りてからワークショップでは手がけなかった「たばねる(束ねる)」にトライ。

素材は裏庭のススキ。刈って居間の窓辺に吊るして乾燥。新しい畳みたいな佳い香りが室内に漂う。この素っ気ない

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月桃の葉をよる

月桃の葉をよる

庭に繁茂する月桃の葉を乾燥させれば、紐の素材になると教わったのはずいぶん前のこと。そのとき、実際に葉をよ(撚・縒)って紐にする体験をしたのだが、手法をすっかり失念してしまった。久々にやってみたいな、とふと思ったタイミングで草をたば(束)ねるワークショップがあると知り、縁を感じて参加してきた。

会場は世田谷区三軒茶屋、キャロットタワー内の「生活工房ギャラリー」。会場で眼に飛びこんでくるのは、探検家

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