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J.アルバースの授業
週末は片道約3時間の小旅行。千葉県佐倉の「DIC川村記念美術館」へ。二度目の訪問で、前回は閉館間際に滑りこみハラハラ。気障でまともに鑑賞できなかったので早朝に葉山を出て開館直後に到着。一番乗りしたのはジョセフ・アルバースの作品展示を存分に堪能したいことに加えて、15名限定のラーニング・プログラムをぜひとも体験したい願いがあったから。
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雨上がりの静穏な館内。最初の入館者特権で、空間を独り占めしているかのような悠然たる雰囲気を楽しむ。待望の企画展は『ジョセフ・アルバースの授業 色と素材の実験室』。
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タイトルにあるように、アーティストである以前にドイツの建築とデザインの国立総合学校「バウハウス」や北米の先駆的教育機関「ブラックマウンテン・カレッジ」、「イェール大学」で教鞭をとった教育者アルバースの実験レッスンにフォーカスした内容。
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代表作「正方形賛歌」など収蔵品のほか、ジョセフ&アニ・アルバース財団や各美術館から集めた作品の充実ぶりも感涙ものだけど、何より秀逸で特別なのは、アルバースの課題に挑戦できるワークショップ・スペースを会場内に常設したこと。素材の特性や色彩をよく見て、手を動かして知る大切さを教え伝えたアルバースの想いに寄り添った計らいが素晴らしいのだ。
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この日に参加したプログラムはワークショップ・スペースで行われ、講師は本展担当学芸員の亀山裕亮さん。課題のひとつ「透明のトリック-透けない色紙が透けて見える」にはどのように色を組み合わせればよいかトライした。
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複数の色が重なる部分が実際には透けてないのに、そう眼に映るようにするには色どうしの関係を考え、さまざまな色紙を合わせて答えを自身で探り出していかなくてはならない。かなり限られた作業時間内でトライ&エラーを重ねて納得できるペアリングを探求するひとときは、濃密で集中と緊張でテンションがマックスに。幸い、自分が好きなシックな暖色どうしで正解が見つかり、ほかの参加者と亀山さんに誉めていただき安堵、感激(上の写真内の左上)。
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帰りの送迎バスと総武線グリーン車の車窓から色の関係性を観察し、考えたり、あたかもアルバースの授業を受けたかのような充足感と余韻に深く浸った。本展はぼくにとって美術館の企画内容でベスト中のベスト。
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しなやかな紙の特性を活かし、最大限に強度を高めるための工夫をしようという課題に帰宅後取り組み、深夜まで多様な紙でひだ折りの手法を練習。
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ふだんは20時には眠る男が深夜3時過ぎまで悩み、ひたすら手を動かし続けたのだから、企画展の感化度と熱中ぶりが伺えるのでは。
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不器用な自分が四苦八苦の末、ようやく用紙選択と折りかたのコツをつかみ鋏を支えるほどの強度を紙に持たせられたときは心底、紙の構造と特性を理解できた気がして嬉しくなった。
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今は隣り合う色の作用と関連性を見て、考え、望み通りの配色を得るための名著『配色の設計』(BNN発刊)をむさぼるように読み、さらなる課題に取り組み始めた。その実践結果は、先日の投稿で予告した『神の眼』DIYにてお伝えしたい。
後日に熱中は続く。
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