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修繕三昧
この連休中はゆっくり心身を休めながら綻んできた愛用品を修繕。直して、さらにできるだけ長く使い続けたくなる良品を選んできて正解だった。不器用な手で直しながら心底そう思う。
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まずはハワイのビールでも呑みつつ、30年来の付き合いであるアウトドア用座椅子『クレージークリーク ザ・チェア』の破れを『ゴリラテープ』で塞ぎ留める。90年代のシーカヤッキング&キャンプ取材で大活躍した道具。椅子内部からは美しいビーチの砂が今なおこぼれ出てきて想い入れが深まる。
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テープを入念に貼って、マンハッタンの金物屋で買った頑強なクリップを挟むだけ。缶、テープ、クリップがたまたまオレンジ色をまとう偶然と通じ合う景色が眼に心地よく、酔う(笑)。
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お次はダイニングで20年以上座ってきたPPモブラー社の『PP701』。ハンス・J・ウェグナーがぼくの生まれた1965年に自邸で使うためにデザインした一脚。
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製造を急いでいたため、ありあわせの小さい木材を集め椅子の背もたれを作った、と言われている背もたれには4つの木片が組み合わされ、中心に十字型のパーツ「ちぎり」が入り接着の強度を高めている。至福の座り心地で食、憩いのひとときを豊かにしてくれる椅子なんだけど、経年劣化で背もたれの接着が剥離するようになってきた。
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日本の高湿度に加えて、家人のラフな扱いも要因っぽい。こんな高価な椅子、二度と入手できないから慌てて木工ボンドを塗り、ペーパーコードをぐるぐる巻きして固定。しばらく使用を禁じて居間の片隅へ避難。飾って眺めるだけのコレクションへと転じる可能性もあり(笑)。
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自宅用ゆえ選ばれたという簡素なスチール製の脚。その軽やかな脚元には鎌倉「もやい工藝」で買った、九州の工人によるチリカゴが。
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縁にはもともと植物の蔓が巻かれていたけれど、20年も毎日使っていると自然にほつれてきた。そこで、麻紐でささっとリペア。簡素に直したわりには風情をあまり損なっていないのではと自己満足。プラスチック製のチープなゴミ箱だったら直すモチベーション持てないかな。納得し尽くして得た佳い物を大事に使い愛でる行為はぼくに至上の悦びを与えてくれる。
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