もし私が赤紙を受け取ったら(未熟児としての私)

今回はこのようなタイトルについて書こうと思います。もし私が戦争真っ只中の時代に生きていたらどうなっているのか想像をしてみたいと思います。
新しい試みです。いろいろ試行錯誤していきます。


今でこそ比較的平和な日本ですが、世界戦争をしていた時期がありました。明治、大正、昭和と3つの時代に渡り日本は戦いました。日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦、第二次世界大戦(太平洋戦争)が大きな流れになります。

昔は「大日本帝国」でしたから、植民地を巡って争います。植民地をたくさん持ち、奪い、日本を大国にするためには、「強さ」が必要です。その「強さ」の定義は経済力、政治力などいろいろあると思います。そのなかでも、戦争中は「軍事力」が重要視されていたのではないでしょうか。軍事力には、「軍隊」が必要不可欠です。たとえ、強力な武器があったとしても、使いこなせる人がいなければ仕方ありません。また、軍隊にはまとめる人がいなければ、バラバラになり、作戦もあったものではありません。

これら軍隊を構成する軍人を集める制度が「徴兵制」です。
徴兵制のルールを簡単に書くと、

  • 義務

  • 20歳で徴兵検査を受ける

とこんなところです。

さて、徴兵検査ですが、身長、体重、胸囲、視力、聴力、鼻腔口腔咽喉、陰 部肛門、足型、上肢・下肢の関節運動といった様々なデータが収集されたようです。さらに、言語能力、精神状態も収集対象でした。
これらの結果から、甲・乙・丙・丁・戊の5段階に分けられます。
うち甲・乙のランクに分類された結果優秀者が現役で兵役に配属されるのです。

みなさんは、徴兵検査を経て、甲、乙ランクになったら嬉しいでしょうか。

現代を生きる私は、嬉しくありません。徴兵検査に合格したら、あとは死が待つのみです。

しかし、考え方を変えたらどうでしょうか。
甲、乙ランクになった=軍人にふさわしい健康的な身体と精神の持ち主。

このように考えると、私は嬉しく思ってしまいます。
ここで私の話を挟みますが、私は未熟児として産まれたため、健康的な身体に憧れをもっているのです。

ある人は徴兵検査を受けた結果、検査官から「人間のクズ」と言われたといいます。
私は全身が細く、足首が普通の人の腕とほぼ同じ太さで、体重は40キロにも満たない身体です。あばら骨が異常に浮き出て、宇宙人と呼ばれたこともあります。
こんな体型では私も絶対に「人間のクズ」と言われてしまいます。
私の徴兵検査結果は、「戊」になるでしょうか。「戊」にも入らないかもしれません。論外かもしれないです。

戦争に行かないと、世間の風当たりが強いと聞いたことがあります。「非国民」と呼ばれるのでしょう。もし私があの時代に生きていて、戦争の結末を知らなかったら、戦争に行きたかっただろうと思います。生きる意味は国のために尽くすことだと心に留め、突っ走っていたと思います。

今でも「生きる意味」にこだわっているくらいですから。未熟児として産まれ、死ぬ運命だったけれども、「生かされた」という思いがあります。せっかく生かされたのだから何かを成し遂げないと、と思います。

私にとって、「戦争」という生きる意味が明確だった時代がうらやましくも思います。
徴兵検査は不合格だと思いますが、何かお国のために全身全霊をかけていたと思います。

一方、やはり戦争に行きたくない人も大勢いたようです。徴兵検査で多くの虚偽申告がありました。徴兵を逃れたいがために、目をつぶしたり、手足を切断したりと大事な身体を痛めつけていたようです。正直、もったいないと思ってしまいます。徴兵検査に合格して、戦争に行ったとしても死ぬと決まったわけではありません。せっかく授かった健康な身体がもったいないです。ですが、強制的に戦争に駆り出されるのももったいないです、、、

平和を願い、全ての人が幸せな人生を送れるよう願います。


参考 : 三上真理子.隠される身体・発見される身体 : 軍医側の資料からみた兵役忌避.

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