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私が退路をたった日は4月5日

4月6日の今この時を以って、私の健康保険証がつかえなくなったコーチで彫金作家のぐっちです。

4月5日で私の正社員生活が終わったということだ。2013年の7月から働いていた3社目の会社を辞めて、4月12日、今年度初の新月の日に個人事業主でコーチングと彫金を主としてやっていくことにした。

1ヶ月前は全く想定していなかったこの現実。以前の環境に戻るつもり満々で予定を立てていた。人生先がどうなるかわかんないってほんとね。この3週間ぐらいで、何かに導かれるかのように変わっていった。想像していなかったようで、期待していたようでもある。誰か背中を蹴ってくれないかな〜って思っていた気もする。そしたら見事に背中を蹴られて、退路が断たれた。いま、そんな感じ。

これからは、自分の言葉で話せる。誰かに気を遣うことなく、おもいっきり私自身を表現できるんだ!という開放感もありながら、今この瞬間の思いと決意を記しておきたいと思う。

8年間在籍した会社と尊敬する人

約8年在籍し、途中3年ほど育休をとったけど、まる5年は全力で働いた会社は今でも変わらず大好きだ。とっても大好きだ。それは全く変わっていない。でも新しいことに挑戦したくて、新しい関係性を築くために、辞めることにした。

どうしてそんなに魅力的だったか。大きい会社でもない、有名な会社でもない。聞けばみんなが“あ〜”という会社でもない。
私にとってこの会社の魅力は、「社長」だった。行動力があって、信念があって、想いの強い人だった。今思えば、“相手の可能性を信じる人”だったと思う。

ある仕入れをする際に、売れるかどうかわからないものだったので、20ぐらいで良いですか?と確認したら、お祝いなんだからさ、どーんと100頼んじゃえよ!と言ってくれた。

営業先に同行の際、いつか子供が産みたいという話をした時、「今はないけど、ママが働きやすい仕組みを作るからさ、いっぱい産んでさ、また戻ってきてよ。そうしたらまた次の人も続けるからさ」と言ってくれた。

ある事業部ができる時、「ぐっち事業部長やらない?できると思うんだよね」ってサラッと私の可能性を信じて提案してくれた。

突発的な思いつきで、これやってみたいんです!と提案したら、いろんなリスクもあっただろうに、「やりたいんでしょ?いいじゃん!まずやってみな!」とGOを出してくれた。

ある時、社長の横で必死に書類を作っていたら、「ぐっちさー、毎日朝起きて、会社に行くの楽しい?朝起きてさ、今日も会社行くの楽しみだー!って思う、そんな場所にしたいんだよね〜」と、同じように書類を作りながら、珍しく真剣な顔でつぶやいていた。

人との関係性の作り方、仕事の進め方、新しいビジネスを生み出すスピード感と嗅覚、スタッフのモチベーションの高め方、お取引先とのスタンスや発注の仕方、・・・あらゆるところから学ぶことがとても多く、尊敬していた。勢いとパワーがあるが故に、時々失言もあったけど(笑) それも含めて、とても人間味があってあったかい人だった。

みんながみんな、そう受け止めていたかは知らないけれど、私にはとても魅力的で一緒に仕事をすると学ぶことだらけだったし、その社長に惹かれて、個性豊かなメンバーが集まっていた。

ブランクは自分も会社も変化していく

産休育休という大きなストップがかかるまでの5年間。そんな社長や、そんな社長に惹かれて集まってきた仲間達と、朝早く夜遅くまで侃侃諤諤・切磋琢磨・試行錯誤しながら、空間を作った。真剣が故に、文句も言いながらも、どんどん変わる環境に適応して対応して、よりよくする知恵を絞ることが楽しかった。だから5年続いたんだと思う。

さて。仕事とは別に、長年子供が欲しいと思っていて、不妊や流産を越えて妊娠した。そこから育休をとって数年、間が空いた。私自身も大切にしたい価値観も変わったし、会社も猛スピードで成長している。組織変革もあって、社長のポジションも変化した。そして私自身も新たな興味としてコーチングという新しいコミュニケーションスキルに出会い、その魅力にどんどん魅了されていった。

さぁ改めて、以前の場所に復帰しますよ!となったとき、3年の歳月は予想以上に長く、あの5年間と同じような生活はできなくなっていた。社長にくっついて、仲間と出張に行って、飲みに行って、遅くまで作業することができなくなっていた。そこが楽しかったのに、それは物理的にできないし、今の私がそれをしたいのか?と聞かれると、大きなハテナ?がついた。

社会、会社の流れはとても早い。3年は長い。とてもたくさん変わっていて、成長していた。私自身も前と同じじゃない。進化しているし価値観も変わった。

振り返ると、3年前の育休を取る前のわたしと、会社の環境はピッタリ合っていた。

今はどうか。コーチングという関わりを通して、人が本質的に変わっていく姿もたくさんみて、この領域を私の専門としてやって行きたいと強く思っている。そして成長し続ける会社には、私が求める場所はなく、魅力的だった社長も遠いところに行ってしまった。

こんなことをしたい、やってみたいと勝手に私が期待したことは、「今」を懸命に成長している会社と、タイミングが合わなかった。「あなたが求める環境は残念ながら今はないんですよ。だから自分で羽ばたきなさい」というかのように、愛を以って背中を蹴ってくれた人がいて、あぁ、完了なんだ・・・この会社とは完了なんだ・・・と。まる2日ほどその現実に打ちのめされて、泣き喚いたけれど、ふと、顔をあげて前を見ると、

あ、そっちかな。

なんか楽しそうな場所が広がって見えた。

そっちをじっくり見てみると、おいでおいで〜と手を降ってくれる人がいて、通年より2週間以上早く咲いて、私の決断を後押しするかの如く、咲き乱れた桜は満開だった。

37歳二児の母、チャレンジします

そんな怒涛の3週間。昨日退職して、まずは個人事業主として、コーチングと彫金でチャレンジすると決めました。

そして新たな目標は、いつか「社長」をコーチングすることだ。彼の新しい夢を、これからの挑戦を、部下として仕事するのではなく、コーチとして伴走できる対等な関係になれるよう、力をつけていきたい。

私はコーチとして、「子育てをしながら、自分の夢や目標を現実にしたい人」にコーチングを提供したい。

そこに加えて、今までたくさん教えてもらって、たくさんの認知をもらった彼のこれからの夢の実現を伴走できるようになりたい。勝手に、そんな目標を立てることにした。

37歳で1歳と3歳の母親。正直、こっから挑戦なんてちょっと遅くない?なんて思ったりする。ほんとに0からスタートの私が、楽しく頑張る姿が、誰かの背中を押すならば、奮闘するまんまな姿を晒しながら、プロのコーチとして、また、彫金作家として、頑張ってみたいと思う。そしてまだまだ若い。気持ちは今、大学を卒業して新社会人になったときのようにピュアだ(笑)

2021年4月12日。私の7回目の結婚式記念日の日に、コーチとして独立する。今日4月5日はその退路をたった日だ。
そして大好きな会社と新しい関係を作るんだ!と私が決めた日だ。

今日から一歩、恐る恐る踏み出した。そんなぐっちです。色々試行錯誤、やっては引っ込め、とりあえず出してみては、泣かず飛ばず・・・の連続だろうけど、腐らずやっていきたい。末永く、追っかけてくださると泣くほど嬉しい。

数字で見える応援が、日々の励みとなります。一瞬でも、あなたの人生に何かハッピーをお届けできたらこれほど嬉しいことはありません。