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地方の委託産業保健師が2022年の自分を振り返る

お疲れ様です。今年も仕事を納めたつもりですが納まっていない私です。今年の前半のことなんて大分遠い記憶ですが、とりあえず自分のことを振り返ってみようと思います。
私は委託による企業外の産業看護職なので、複数の企業の産業保健活動を行なっています。様々な業種を担当し、規模も50名以下から800名近くの企業もあり、求められてることが広いなぁと改めて感じる今日このごろです(結局浅く狭くしか視点を持てていないですがw)

今年やったこと その1 勉強したことを形にした

コロナ禍になり、オンラインでの研修が増え、地方民としては本当にありがたい世の中になりました。元々地方では産業保健に関する研修はとても少なかったですが、オンラインでの研修がとても充実していて楽しく勉強させていただいています。そんな中でも今年は勉強したことを形にしたいと、資格をいくつか取りました。

禁煙認定指導保健師(日本禁煙学会)

東京まで試験を受けに行きました。禁煙については元々すごく興味があって個人的に勉強していたところだったので形にできてよかったなと思います。私の会社には同僚の産業看護職が複数いるので「私イコールたばこ」みたいな感じになれればいいかな、なんて思ったりしましたが、それほど頼りにされてはいませんw
でも個人的には巡視の時に喫煙所を毎回見せてもらったり、会社が受動喫煙に関してどのように考えているのか確認したり、具体的な対策を提案できるまでになったし。その辺りはよかったと思います。この辺りのことを深めるために、作業環境測定士の勉強したいなーってちょこっと思ったりしています。

健康経営エキスパートアドバイザー(東京商工会議所)

研修がオンラインで、試験は地元のテスト会場で受けました。健康経営とは?から勉強できて、企業の客観的な課題抽出の仕方や企業のニーズの整理の仕方を学べたなと思います。「健康経営やりたい」という企業の支援ができればと思ったけれど、そんなことを言われることもなく、求められていませんw でも企業が実際に既にやっていることや始めたことを健康経営的な視点で評価してお伝えすることができるようになったかなぁと思います。

産業保健専門家制度登録者(産業衛生学会)

こちらも東京に試験を受けに行きました。これこそ完全に自己満足です。会社で求められていないし、評価もされません。でも今後もしかしたら産業看護職が法制化するかもしれないと考えたときに「一応学会の認定制度に則った最低限の知識は持ってます」的なことはアピールできるかなぁと思って取りました。しかしこれから上位資格である「専門家」になるためにいろんなハードルがあるので、それを地方でどう乗り越えられるのかが、かなり自分の中で課題となっています。

複数看護職がいる職場であり、同僚の看護職の中には「産業カウンセラー」や「キャリアコンサルタント」の資格を持っている方がいるので(私もとても興味はあるのですが)、どうせなら同僚が持っていない視点や知識を持った看護職になれればと思い勉強や資格をとってきました。(多分職場はそんなこと求めていないし、もちろん気づいていないけれど)これから、自分がどんなキャリアを進んでいくかわからないけれど。今年は組織とこれからの自分を考えて勉強ができたかなと思います。

今年やったこと その2 学会の現地参加

今年は地元で産業衛生学会があり参加できました。久しぶりにお会いする方もいましたし、これまでオンラインでしかお会いしていなかった方とたくさん会うことができたし、新たな出会いもたくさんありました。数年前に初めて現地参加をした時に初めて自社以外の産業保健職の方とお会いして、とても刺激的で色々な発見があり、自分の「井の中の蛙」を自覚しました。
今回学会参加は2回目だったのですが、あいも変わらず自分は「井の中の蛙」だなと自覚。同じ業界のようだけど、それぞれ違っていて、みんな色んな立場で「自社を」「日本を」「世界を」より良くしよう!「業界を」もっと盛り上げていこう!と頑張っている仲間なんだなって思いました。学術的なことなんて何にもわからないけれど(おい!)やっぱり世の中や業界の動きを知るには学会って重要ですね。ちなみに今回は有給休暇を取得しての参加。来年も参加したいけれど、厳しいかな。
本当は余裕があれば・産業ストレス学会・産業保健法学会・健康教育学会・未病学会など、興味がある学会はたくさんあるんだけど。来年はどうするかまたゆっくり考えようかなと思います。

今年やったこと その3 通勤で記事を聞く

通勤は電車&徒歩なのですが、これまで徒歩の時間にラジオを聞いていました。基本ラジオっ子の私ですが、貴重な通勤時間でCMが流れたり、興味がない話題のラジオだと、ちょっともったいないなと思っていました。しかしGoogleのアプリを使うと記事を読み上げさせることができると知って以降は、毎日興味がある記事を読み上げてもらい、記事を聴きながら通勤をしています。
論文や産業保健の雑誌を聞くこともありますが、もっぱらnoteの記事が多いです。特に「ビジネス」や「キャリア」の分野の記事が多いかな。あとは以下の方々の記事はとっても勉強になるので面白くて好きです。


今年やったこと その4 受けた研修を一覧にする

これまで色んな研修を受けてきましたが、特にオンラインでも受けれるようになってからは、興味があればすぐ申し込んで、参加して終わりでした。しかし、今年はいつ・誰から・どんなテーマの話を聞いたかだけでもメモしようと思い、実践してきました。1ヶ月の間に複数回受けることもありましたので、月1回以上は受けることができたかなぁと思います。受けた数が問題ではなく、どんな話に何を思ったかが重要ではありますが、とりあえず私としては「些細なことでも一つ続けることができた」というのはよかったかなぁと思っています。来年はメモの様式を決めて、ノートに聞いた内容について書き込めるようにできたらいいなぁ。
研修は主に自分の興味で受けておりますが、とってもためになるなぁと思った時には「職場にもこの考え・知識を広げたい」と思います。最初、研修を受け始めた頃は、聞いた内容を整理して、その知識や考え方を職場でどう活用できるかや自分の感想をまとめて部内に共有していたのですが、実際同僚は求めておらず。私は「今の自分に必要だ」と思っているから研修を受けており、私の中ではホットな話題だけれど、同僚は今必要としていないから私の話を聞いても「ふーん」って感じ(当たり前)同僚とは同じ組織の産業保健に携わっているわけではないので、必要とする知識もタイミングも違うわけで。少しでも職場に還元したいなと思いつつも、難しいなと思う日々です。

今年嬉しかったこと 何年も前に蒔いた種に花が咲いた

私は基本的に企業がなりたい姿に近づくための支援を行っています(もちろん法令遵守がベースではありますし、なりたい姿なんてないっていう会社もあります)
そんな中、入社時から担当していた企業で、担当者が感じている課題感をキャッチしたことをきっかけに、情報提供や事例提供していき、役員から企業内規則の変更の承認を経て、今年結果を数字でだせたという経験をしました。企業とはすごく密にやりとりをしてきたわけではないですが、ポイントに合わせて対応をして、少しずつ会社が変わってきているのを見ることができたのはとてもよかったなと思います。私は委託であり外部支援なので役員へプレゼンするなどの実務はできず、少し背中を押すことしかできません。一人で何十社も会社を担当していて、ごく一部の企業でしかこんなことできないし、数年やっていても早々起こることではないと思うので、良い経験をさせていただいたなと思います。
実際私が地道にやってきて花が咲いたことを上司は知っていても、企業の満足度をアンケートでとっているわけでもないので特に評価はされません。企業の産業保健に関する担当業務を最低限やっていたとしても・なんとかより良くしようと動いたとしても、一企業の担当者に私が勝手に行ったことで、自社の利益になったわけでもないので何も変わらない。この辺りはちょっと公務員と似てるかなぁとは思います。でも自分は良い経験ができたととても前向きに捉えられています。花が咲き続けるかはわからないけれど、少しずつ水をあげたり栄養を追加したりできればいいな。

今年大変だったこと 担当者の変更

これは毎年担当しているどこかの企業であることです。私が主にやりとりを行う、企業内の健康管理担当者(以下企業内担当者)が結構変更となりました。企業内担当者は衛生管理者の資格や知識を持っているとは限らず、健康管理を専任で行なっている人はほとんどいません。多くが経理や人事と掛け持ちの方です。さらに衛生委員会のメンバーではないことがとても多い(なぜなのか…?)そのため、企業内担当者が変更となると多くは健康管理や安全衛生に関して未経験の方が多いので、健康診断とは?安全配慮義務というものがあって…からを資料を送って電話をしたり、直接会えるタイミングがあればサクッと資料を使って説明します。
一番企業内担当者が変更になって私ががっかりしてしまうのは、これまでの担当者と私が企業の課題として捉えて対応してきたことが、変更となった担当者とは同じように課題感を感じられないということです。なぜなら未経験が故に課題を感じるまでの余裕がないのです。多くの場合、前任の人から実務的なところの引き継ぎはされていますが、これまでの背景や何が重要か私と産業医が説いてきたところがゼロからスタートになってしまいます。同じように課題感を感じられるようになるまで、また数年必要になる場合もあるし、また別の課題が発生することも。。
2年に1回くらいのペースで担当者が変更になる会社もありますし、企業は安全衛生や健康管理ばかりやっているわけではないし、私も多く企業を担当していればどこかの企業で担当者の変更となるのは仕方がないです。しかし企業内担当者のキャラクターや熱量の違いにちょっとがっかりしてしまうことも…。
企業や衛生委員会の方針として「健康管理・安全衛生こうやっていこう!」レベルではなく、担当者とのやり取りの中でしか物事を進められていないという弱点がここにきてしまうのですが。ちょっとやるせなさを感じてしまうことが今年はあったなぁと思います。


来年やりたいこと

年末らしく、今思いつく限りの来年やりたいことをメモしてみます。

来年やりたいこと その1 アウトプット

毎年言ってるかもしれないけれど。やったこと・学んだこと・感じたこと。なんでもいいのでアウトプットしていきたいなと思っています。今年は数回noteの更新ができましたが、もっと定期的にやりたい(難しいかな)
実は今年、仕事でやってきたことを形にして論文や好事例なんかで発表できたらって目論んでいたけれど、会社の状況的に余裕がなく(自分が発表しない学会発表資料は作成したのにw)来年は何しらアウトプットできればなぁと思っています。

来年やりたいこと その2 新しいことをやる

基本私はめんどくさがりなので「もっと効率よく、間違えずにできないかな」とか「もっと簡単な方法で良い結果でないかな」とか考えがちです笑。これまで、その心で業務の効率化をしてきたところがあります。
今年も「これを変えたら、もっと効果出るでしょ」と思ったことは提案していますが、今年のものにはならず(多分上司が温めている…)ということがいくつかあるので、今年と来年はほぼ担当業務が大きく変更しなそうな雰囲気。業務でやりたいことは提案できる風土なのはとてもありがたいです。
そんな中ですが、やっぱり「何か新しいことを」とは思っています。毎年同じ繰り返しで目の前に出されたものだけをこなしていくのであれば、私自身の成長もないし、組織の成長もないと思っています。意図的に新しい何かを作っていかねばですが、中々まだ具体的なことは考えられていません。チャンスを逃さず掴み取るって感じになってしまうかなぁ。と思っています。

これまで書いてきたように、正直自社では評価されないのはわかっているけれど、組織内で必要とされたくて、アイデンティティを確立したくて、ここまでやってきています笑。この頑張りがもし、別の組織に行ったときにどんなことになるんだろう、なんて保健師仲間と話していると色々考えてしまいます笑。
さて来年はなんの勉強をしようかな。環境測定に関しての勉強もしたいし、改めて衛生管理者の勉強もしたいし、法律に関する勉強もしたいし、今年は全然本が読めなかったから来年はいろんな本を読みたいし。プライベートでも充実させたいし。
とにかく来年も企業にとって、ちょっとでも良い方向に行くように、きっかけを作ったりできればなと思っています。