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毛穴ケア

毛穴の役割

毛穴は、皮膚を保護したり体温を調節したりするために重要な役割を担っています。
毛穴からは皮脂が分泌され、それが汗と混ざることによって天然の保護クリームのような働きをします。
この保護クリームは「皮脂膜」と呼ばれ、角質層のうるおいを保ったり、皮膚に細菌が増殖するのを防いだりする働きをするのです。

また、寒いときや交感神経が優位になったときには毛穴を閉じ、体温が外に逃げるのを防ぐ体温調節の役割も担っています。

しかし、さまざまな原因により毛穴に皮脂が詰まったり、毛穴が開いたままになったりする「毛穴トラブル」に発展することも少なくありません。
毛穴の開きやたるみ、黒ずみなどは年代を問わず、多くの人が感じる肌トラブルです。

また、毛穴トラブルには複数の種類があり、それぞれに特徴と原因が異なります。
まずは自分の毛穴トラブルの原因を特定し、適切なケアを行ってすこやかで美しい肌を目指していきましょう。

毛穴トラブルの特徴と原因

毛穴が詰まったり開いたりする主な原因は、皮脂の過剰分泌や加齢による肌のたるみです。

年齢や体質によっては、皮脂の分泌量が多く毛穴の入り口が大きく広げられてしまうことがあります。

皮脂の過剰分泌は、毛穴が目立ちやすくなるだけでなくテカリやベタつき、ニキビなどさまざまな肌トラブルの原因に。

さらに年齢を重ねると、肌が重力に逆らえず下にさがります。すると毛穴も縦に伸びてしまい、開いて見えるようになるのです。
加齢だけでなく、角質層の水分量が減り、肌の柔軟性がなくなることによっても毛穴はたるんで開いて見えるようになります。

<開き毛穴>

開き毛穴は、毛穴に角栓が詰まって毛穴が押し広げられることで生じる毛穴トラブルのことです。

角栓とは、毛穴の中の皮脂腺から分泌された皮脂と古い角質がまざったもの。
毛穴に白いものが詰まって目立っているのが特徴で、Tゾーンに多く見られます。開き毛穴は、皮脂の分泌が異常な時に起こります。

そもそも、毛穴は皮脂の出口です。毛穴から分泌される皮脂には、汗とともに皮脂膜を作って肌を覆い、水分を閉じ込める重要な働きがあります。

しかし、皮脂を出すときに開き、不要なときはしっかり閉じるという
"毛穴の開閉コントロール"ができないと、皮脂が出たままになり、
開き毛穴の原因となってしまうのです。

開き毛穴のケアは、角栓の詰まりを解消することがポイントです。
ただし、角栓が詰まっているからといって、指で無理に押し出すのはよくありません。

肌にダメージを与え、毛穴の周囲に炎症を起こす可能性があります。
角栓は皮脂と角質が混ざり合ったものなので、しっかり泡立てやさしく洗顔しましょう。

洗顔後は、皮脂の過剰な分泌を防ぐためにも保水をお忘れなく。
毛穴の黒ずみや開きには、皮脂の過剰分泌を抑えるために栄養バランスを整えることが大切です。

ファストフードやインスタント食品など、栄養バランスが偏りがちな食品を多く摂取すると、皮脂の過剰分泌に繋がることもあります。

<たるみ毛穴>

たるみ毛穴は、本来円形であるはずの毛穴が、重力によって下がってしまうことにより生じる毛穴トラブルです。

皮膚が引っ張られ、だ円形になっているのが特徴。

このタイプは、肌を支える土台であるコラーゲンが減る、皮膚の筋力が少なくなるなど、加齢による肌自体のたるみが原因です。

涙のような形にも見えることから、"しずく毛穴"とも呼ばれています。
たるみ毛穴を見分けるには、鏡を見ながら頬に手のひらを添えて、
皮膚を引っ張ってみてください。
一時的に毛穴が目立たなくなったら、たるみ毛穴である可能性が高いです。

加齢による肌のたるみが原因で毛穴が開いている場合は、元の状態に戻すのがなかなか難しいこともあります。このタイプには、肌のハリを維持するスキンケアが不可欠です。

<黒ずみ毛穴>

黒ずみ毛穴は、皮脂の過剰分泌が原因で生じる毛穴トラブル。
料理でも、油が古くなると黒っぽく酸化するのと同じです。
メラニンを含んだ古い角質が毛穴に詰まって、毛穴が黒ずんで見えることも…。

黒ずみ毛穴はTゾーンにできやすく、イチゴのようにポツポツと黒ずんでおり、触るとザラザラしているのが特徴です。

皮脂が過剰に分泌されると、毛穴に詰まっている角栓の周りに汚れや余分な皮脂が付着し、酸化してしまいます。これが黒ずみ毛穴の原因です。

一般的に、皮脂は思春期から分泌量が増し、女性の場合、20代前半をピークに徐々に減少していきます。そのため、黒ずみ毛穴は20代前半くらいまでの方に多く見られるタイプです。

黒ずみ毛穴には、
黒ずみの原因である汚れや余分な皮脂を落とすことが大切です。
まずは、クレンジングと洗顔をきっちりと行い、正しく保水しましょう。

毛穴を詰まらせない正しい対策とは

毛穴トラブルの種類はさまざまですが、毛穴を正常に保つための基本は「クレンジングと洗顔」「保水」です。

まずは、毛穴を詰まらせず、目出ちにくくするための基本ケアの方法をしっかりとおさえておきましょう。

普段何気なくやっている洗顔の方法が、毛穴や肌にダメージを与えていることは少なくありません。
毛穴トラブルを防ぐには、正しい洗顔方法を実践しましょう。

<洗顔>

たっぷりの泡で優しく洗顔する!
ぬるま湯で顔を濡らし、予洗いしてから泡立てた洗顔料で優しく洗います。洗顔料の泡の目安は、レモン1個分以上あるとよいでしょう。

指で肌を擦るのではなく、泡を肌の上で転がすようにして洗います。毛穴が気になるところを入念に擦るのは逆効果になるので避けてください。

ゴシゴシ洗ったりすると肌に負担がかかるため、泡で肌を包みながらハートを描くように洗顔しましょう。小鼻や唇の下あたりに細かな皮脂の詰まりがあるため、その部分は指の腹を使いしっかり洗います。

<保水>

肌がうるおう事で毛穴が目立ちにくくなるので、毛穴ケアには保水が欠かせません。
角質層の水分が不足すると肌が乾燥して、皮脂の過剰分泌を招きます。
皮脂の過剰分泌は、毛穴のトラブルに発展しやすくなるため、日々の保水ケアはしっかりと行いましょう。

保水ケアで大事なのは、たっぷりの水分補給です。
化粧水で角質層にしっかりと水分を与え、乳液やクリームなどの油分で蓋をしましょう。

テカリやベタつきの気になる方は、油分の多いTゾーンには薄く塗布するなど肌質に合わせた工夫をしてください。

皮脂量が多い人は保水を怠ったり、控え目にしたりすることもがあるかもしれません。

しかし、保水を控えることはかえって毛穴トラブルを悪化させる原因になります。肌質に限らず、保水はしっかりと行いましょう。

毛穴ケアで重要なことは、一時的、表面的な処置をするのではなく、常日頃から肌に潤いを与え、肌そのものの力を活かすスキンケアを行うことです。

汚れをためないように心がけて、さらに、しっかり保水することが大切だと思ってください。