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シワケア

シワは、肌の乾燥(水分不足)からくる「小ジワ」と年齢と共に肌機能が低下することで起こる「シワ」に分けられます。

また、シワは年齢肌の代表的なトラブルです。
シワの原因や種類は複雑で、対策も簡単ではありません。

シワができる原因

シワの主な原因は肌の弾力低下です。
様々な要因から肌の弾力が失われてシワができ、放置すると深く刻まれてしまいます。
シワの原因を理解して早い段階でケアしましょう。

<紫外線>

紫外線はシミだけではなく、シワの原因にもなっています。
ここで注意したいのは、紫外線の「UV-A」です。

UV-Aはシワをはじめ、たるみやシミなど肌の老化の元凶となります。
UV-AはUV-Bよりも波長が長く、肌の奥深くにある真皮層にまで到達して、肌のハリやうるおいを守るコラーゲン、エラスチンなどの組織を破壊したり、変性させたりします。

また、UV-Aは1年を通して降りそそぎ、雲や窓ガラスを通りやすい性質をもっています。曇りの日だからといって油断は禁物です。

すぐに変化が現れるものではありませんが、ダメージは徐々に溜まっていき、保水機能などを低下させてしまいます。
すると、ぴんと張っていた肌のハリも支えられなくなり、シワになってしまうという仕組みです。

紫外線は肌の奥深くにまで到達し、1年を通して天気に関係なく降り注いでいます。
ダメージは徐々にたまっていき、保水機能が低下した肌はハリを失い、シワができます。

<加齢>

年齢とともに、シワができやすくなるのは、誰の目にも明らかです。
その理由は2つあります。

1つは、肌が薄くなってしまうこと。
加齢により女性ホルモンのエストロゲンが減少することによってシワはできます。
エストロゲンは美肌ホルモンとも呼ばれ、肌のコラーゲン、エラスチンの生成に大きく関わっています。

加齢によってエストロゲンの分泌量は減少し、
肌の弾力成分であるコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸が作られなくなると、
新陳代謝のスピードが遅くなることなど、様々な要因が重なって肌の弾力やみずみずしさはなくなりシワができやすくなります。

もう1つは、顔の筋肉の衰えと骨密度の減少です。
身体の骨と同様に、顔の骨も加齢とともに骨密度が減少し、小さくなります。
顔の骨は「顔の土台」として筋肉や皮下組織、真皮、表皮を支えています。
骨に変化が起きると、筋肉の衰えと併せて皮膚を十分に支えられずにシワを引き起こします。

<摩擦>

シワは肌の水分が失われてハリがなくなると起こります。
肌をこするとその摩擦により肌のバリア機能が低下して水分が失われます。

特に口元や目元など皮膚が薄くデリケートな部分は強くこするとシワができやすくなります。

スキンケアは肌が濡れている状態で、こすらずになじませるように注意しましょう。

<乾燥>

気温の変化や空調などによる乾燥は肌に大きなダメージを与えます。
肌が乾燥すると中の水分を守るバリア機能が低下し、さらに水分が逃げやすい状態になります。

水分不足により皮脂は減少し、表皮が硬くなることで肌のキメが乱れて細かいシワが生まれます。
さらに、乾燥で外部からの刺激の影響を受け、深いシワの原因になります。

<ストレス>

水分が失われると肌の角質が変化してしまいます。
心身に強いストレスを感じると、人はストレスホルモンを分泌します。
このホルモンが体に様々な不調をもたらすのをご存じでしょうか?

ストレスによって肌の新陳代謝(ターンオーバー)が乱れると、肌のバリア機能が低下し、肌が荒れやすくなったり、
小じわができやすくなったりします。日常生活においてストレスをためないことも、シワ対策として有効です。

<生活習慣>

生活を見直すこともシワを解消することにつながります。
いつまでも若々しい肌でいたいなら、悪しき生活習慣はできるだけ早く改めるのが賢明です。
たとえば、睡眠不足は肌の新陳代謝を阻害してしまいますし、たんぱく質やビタミン、ミネラルといった栄養素が不足すると、コラーゲンの生成もままなりません。

生活習慣の中でも、最も肌に悪いのは喫煙です。タバコを吸うだけで、大量の活性酸素が体内に発生するのをご存じでしょうか?
この活性酸素は、1回の喫煙で、コラーゲン生成を促してくれるビタミンCを20~100mg破壊するともいわれています。

シワの種類

シワの原因のひとつは加齢による肌のハリの低下ですが、それだけではありません。様々な要因によってシワの種類も異なります。
シワの種類によって原因が異なるので、あなたのシワに合った対策を立てましょう。

<ちりめんジワ>

ちりめんジワは肌の表面にできる浅く細かいシワです。
加齢に伴う肌の代謝や保水力の低下、乾燥や紫外線などによる外的ダメージが主な原因です。
疲れたり肌をこすったりする刺激も、ちりめんジワができる原因になります。
若いうちにできるシワは皮膚の代謝によって弾力が戻り、解消するケースがありますが、
加齢による表皮性のシワは、元に戻りにくい特徴があります。

<小ジワ>

小ジワの主な原因は乾燥です。
肌の水分がなくなり、ひびが入った状態といえます。
紫外線も小ジワの原因になります。
紫外線の刺激でコラーゲンが破壊され、肌のハリがなくなり、皮膚にスジができやすくなってしまいます。
加齢によっても肌の保水機能は失われ、発汗や皮膚の分泌も落ちていきます。
その結果、肌の再生システムであるターンオーバーが乱れ、深い小ジワの原因になります。

<深いシワ>

深いシワとは、表皮の下にある真皮まで及んでいるシワです。
両わきに指をあててシワを開いても線が残るようであれば深いシワと判断できます。
加齢による肌老化や紫外線ダメージによって、肌の弾力を支えている真皮層が衰え、
コラーゲンやエラスチンが減少することで肌の弾力が失われ深いシワになります。

<表情ジワ>

表情ジワは、笑ったり、怒ったりするときに、30種類以上あるとされる表情筋の動きの要因によって、眉間、目尻、口の横、額などにできるシワのことです。

表情ジワは、本来一時的なものですが、繰り返し筋肉を動かし続け、加齢とともに皮膚の弾力も低下することによって、慢性化することで“表情ジワ”となってしまいます。年齢を重ねると、表情を戻しても残ったままになってしまう方も多いでしょう。

原因として、皮膚のハリや潤いを担うコラーゲンやエラスチンが減少し、皮膚を支えられなくなることです。
無意識に繰り返している表情によって深くシワが刻まれてしまうため、癖のある表情には注意が必要です。

顔の筋肉は適度に動かして同じ表情を繰り返さないようにしましょう。

部位別に見るシワの原因

顔の部位によってその原因から受ける影響が異なります。そのため部位別にできやすいシワの原因を把握しておくと対策が立てやすいでしょう

<おでこ>

この部分のシワは、疲れた印象を与えます。化粧で隠そうとしても、くぼみにファンデーションが詰まって余計に目立つこともあります。
おでこは紫外線や乾燥の影響を受けやすく、皮脂によるテカリも気になる部位です。
過剰に皮脂を取ってしまい、皮脂不足による乾燥で小ジワができます。
表情でおでこを上下に動かす癖がある場合もシワができます。

<眉間>

眉間にシワがあると不機嫌な顔に見られがちです。
眉間は、おでこと同様に表情の癖や乾燥、紫外線などの影響でシワができやすく、深くなりやすい部位です。
イライラしたときや細かい文字を見るときについ眉間にシワを寄せてしまう方は多くいらっしゃいます。
こういった表情の日々の積み重ねで深くシワが刻まれ、消えなくなってしまいます。

<目尻・目の下>

目の周りは皮膚が薄く、皮脂も少ないので乾燥しやすい部位です。
眼の周りの皮膚や眼の周りの筋肉が衰えてくると、表情を戻してもシワが残ったままになります。
また、長時間目を使うことで血行が悪くなり、皮膚の代謝が低下して目の下にシワができやすくなります。

<ほうれい線>

ほうれい線は顔の小鼻の脇から口の端までで、顔の筋肉の境目を表すもので表情を変えたときに両側に伸びる溝部分です。
加齢によって真皮内のコラーゲン線維やエラスチンが減少し頬の重みに耐えられず谷底のようなシワができてしまうのです
ほうれい線のシワがすすむと、表情を変えなくても影のように目立ってしまいます。

<首>

首は顔の印象を決めるといわれている重要なパーツです。首には「縦ジワ」と「横ジワ」の2種類のシワができます。
日常生活で動かしているパーツは動作の繰り返しによって、同じ位置に刻まれていきます。これがいわゆる「横ジワ」です。
そして「縦ジワ」は、乾燥して肌がシワっぽく寄っている状態のことをいいます。

首のシワは、乾燥や紫外線、加齢、姿勢によるものといわれています。
肌が乾燥しているということは、角層がうるおい不足になり、皮脂膜や角質細胞に乱れが生じている状態です。
この乱れの隙間からさらに水分が蒸発して、肌がしぼんだ状態となりシワになります。

また、顔には紫外線対策をきちんと行っているけど、首には何も対策をしていないという方はいませんか?

実は首は紫外線を浴びやすい部位なので、顔と同じように紫外線対策が必要です。
紫外線は皮膚の弾力を奪い、肌の奥深くまでダメージを与えます。
紫外線によって肌はさらに乾燥してしまうのでダメージを受けやすくなり、この悪循環によってシワができやすい条件を作り出してしまうのです。

その他、首の横ジワができる主な原因は、下を向く動作の多さといわれています。

例えば、スマホを長時間見たり、デスクワークだったり掃除をしたりと、日常生活ではうつむく体勢をとる機会が多いです。
下を向くと首を前に倒すことになるので、当然首の皮膚は折れていますよね。
これが横ジワができる原因となります。

シワを防ぐ方法

<紫外線対策>

紫外線はシワを作る大きな要因になってしまうため、シワを予防するには紫外線対策をしっかり行うことが大切なポイントになります。
日やけ止めクリームを塗る・日よけ帽子を被るなどのケアを日常的に行い、紫外線ダメージを軽減させていきましょう。

また紫外線のUV-Aはガラスやカーテンなども通過してしまうため、室内でもなるべく紫外線ケアを怠らないよう気をつけることも大切。
日やけ止めクリームをつけ忘れてしまう場合には、毎日のスキンケアの中に日やけ止め効果のある化粧下地を使うなどの工夫を取り入れ、塗り忘れを防いでいくと良いですね。

<保水を徹底する>

乾燥対策のもっとも基本となるのは、正しいスキンケアを行うことです。
肌に含まれる水分が少なくなることで、肌の乾燥は始まります。
そして、肌が乾燥することでシワができやすくなるという流れがあります。
つまり、肌に十分な保水ケアをしていれば、肌の乾燥を防ぎやすいと言えるのです。
そのため、保水を徹底することもシワ対策として効果的と言えます。毎日のスキンケアで肌への水分補給を徹底すれば、シワもできにくくなるのです。

保水を徹底するためには、保水に特化したスキンケアアイテムを使うことが大切です。同時に、保水されやすい肌環境を整えておくとより効率的なケアができます。

たとえば、導入美容液(ブースター)を使うと肌が柔らかくなり化粧水が浸透しやすくなります。
あとに使用するスキンケアアイテムの成分が肌に浸透しやすくなり、保水効果が高まるのです。
受け入れ体制が整っていない肌状態では、どんなにケアを徹底しても高い効果を望むことはできません。
そこで、まずは水も成分も受け入れしやすい肌土台に整えることも大切なのです。

また、加齢が原因でできるシワには、減少した肌の弾力成分であるコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸やナイアシンアミドなど、
シワに有効な成分が含まれているスキンケアアイテムを導入美容液の後に使いましょう。

特に、ナイアシンアミドは肌荒れ、シワ改善、美白の3つの有効成分として厚生労働省から医薬部外品の承認を得ている化粧品成分です。
紫外線の影響を抑えるビタミンC誘導体が含まれたものがおすすめです。

また、顔のなかでも眼の周りの皮膚は特に薄いため、貯蔵されている水分量が少なく、また皮脂の分泌量が、他の部分と比べて少ないことから乾燥しやすいことが特徴です。そのため、保水ケアをしっかり行わないと、目元の潤いがどんどん少なくなって、シワが増えてしまうとされています。

<良い栄養を摂る>

肌の乾燥によるシワ対策としては、乾燥肌に良いとされる栄養素を積極的に摂ることもおすすめです。

たとえば、肌の弾力を保つはたらきのあるコラーゲンは乾燥肌対策としてぜひ取り入れたい栄養素です。

手羽先やフカヒレに多く含まれるので、意識して食事に取り入れていきましょう。

また、ビタミンCも多く摂りたい栄養素のひとつです。ビタミンCは、紫外線によってできた活性酸素から肌を守る働きがあります。
アセロラやレモン、ブロッコリーなどさまざまな食材に含まれるので、毎日意識して摂取しましょう。

そして、肌の必須成分となるのがセラミドです。
セラミドは加齢とともに減少してしまう成分となるため、毎日積極的に摂取しましょう。
こんにゃくや大豆、ヨーグルトなどに多く含まれるので、さまざまなレシピのアレンジを楽しみながら取り入れるのがおすすめです。

最後に、
シワ対策の基本は乾燥から肌を守ること。
肌のシワは、肌が乾燥するのを予防することである程度防ぐことが可能です。肌の乾燥を放っておくと、さらにシワが悪化してしまうことにつながります。

だからこそ、日頃からしっかりと乾燥対策をしておくと安心なのです。大切なのは、紫外線対策、保水を徹底する、良い栄養素を摂る。
この3つの対策を毎日実践して弾力のある肌を維持し、シワになりにくい肌を目指しましょう。