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未来少年コナン 観劇記 ~各シーン・キャスト編~①

こんにちは。ご訪問ありがとうございます!よっちです。

そういえば自己紹介では書きませんでしたが、「えのき」という名前は僕のラジオネームから来ておりまして、TokyoFM「ローソンpresents 日向坂46のほっとひといき!」というラジオ番組で初めて使ったRNなのです。正確には「影の料理のえのき」という若干くどい名前なのですが、お便りを読んでもらったのがそのときが初めてだったので、それ以降使っています。短期間で2回も読んでくれたので、その方が認知されているだろうと思って、FCも「よっち@Cookedえのき」という名前で登録中。いや変な名前っ。

そして逆に「よっち」という名前には全く由来とかなくて、本名とも全然かかっていない適当な名前なので、実は1ミリも思い入れがないのです。ただ、いまさら変えるのも変かなという事でこの名で通しています。いやこの話誰が興味あんの?

…という事で前回に引き続き、今回も5月末~6月末にかけて東京・大阪で上演された舞台「未来少年コナン」の観劇記です。今回はパート2になりますので、前回の記事をご覧になっていない方は是非そちらからご覧ください。いささか長いですけどね…!


同じ舞台を6回も観たのは人生で初めてでしたが、おかげで各場面の細かいこだわりや脇役を含めた演者さんの素晴らしい芸当などが記憶に焼き付いておりますので、今回はそれらについて感想を記したいと思います。構成を色々迷いましたが、とりあえず順を追って場面ごとに書いていくことにします。あ、長くなりそう…と思ったそこのあなた。僕も今戦々恐々としてます。ただ、逐語的に全部書くとだれてくると思うので、なるべく印象に残ったところだけ書くようにしますね。

なお前回と同様に、当記事には私の個人的な感想が多く含まれています。それらは全て率直に感じたまま記したものなので、ごく一部、生意気ながら否定的な感想も存在します。割合としてはほんのわずかで、ほとんどがポジティブな文章ですが、それでも不快に感じられる方はここでそっとブラウザバックしていただくことを推奨いたします。

まずは冒頭のコンテンポラリーダンス。舞台上には1台の机と1脚の椅子、そこに1人の男が紙を1枚持って座っており、徐々に同じ格好をした人物が加わってきます。彼(女)らは、その紙を見るやいなや激しい感情と意志をたぎらせ、それらに乗っ取られたかのような8つ(?)の身体は、口ほどに、いやそれ以上に物を言います。
「目は口程に物を言う」と言いますが、目だけじゃなく身体全体となると、それはそれはもう、半端じゃなかった。8つの身体が、1つの複雑な回路を形成していて、その中を思考や感情が電流のように流れている感じ。もうね、あの芸当とその機微には到底言葉で表しきれない良さがありましたね…
ダンサーの方々の研ぎ澄まされた有機的な身体表現が、人類の醜くおぞましい姿の形象となっていて、その生々しさには目を見張るものがありました。そして、「これは過去なのか現在なのか未来なのか。フィクションなのか現実なのか。」などと私達が様々な可能性を想起しているうちに、机という世界(言い換えれば、話合いの舞台)は真二つに破壊されます。

見てない人にはわけわかんない文節が続いたかと思いますが、そもそも言葉で表すこと自体が無謀なシーンなのでご容赦くださいませ… m(_ _”m)

そしてこのぶっ壊された机は、ラストの大団円のシーンで、コナンとラナによって修復・再建されます。これによって、あの机が何を象ったものなのかが観客の中でより明確になる感じでした。すごく良いまとめ方で、美しい構成ですよね!見事なアイデアだったなあと思います。


次にコナンがハナジロを仕留めるシーンですが、ここで私が良いなと思ったのは、白い幕が醸し出す色味と絶妙な透け感です。確かフォロワーさんだったか、どこかで聞いた話なのですが、あの素材はシルクで、あれほどの大きさのものを探すのには苦労したのだそう。確か海外から取り寄せたとかだった気がします。こだわっただけあって本当に良かった!

ここで少しとんで、ラナの独唱シーン【♪羽ばたけるなら】について。


公式X: https://x.com/fbconanstage/status/1797151827961823726 より

わー、やっと書ける!うれしい!
この曲は、ホ短調とト長調が行き来するような旋律によって、不安と心細さに苛まれながらも朧気に希望を灯し続けているラナの気持ちを絶妙に表現しています。

歌や管楽器等をやっている人ならわかると思うのですが、この曲のようにソフトな音量で声や音程を安定させながら儚げに歌うのって結構難しくて、大きく歌うよりはるかに神経を使うはずなのです。それも、若干上り坂になっている舞台をコロコロ転がりながらハケて、階段?を上ってすぐにあんなに儚い曲をソロで歌う、となると余計に難しかったと思います。息が切れるほどの運動ではないですが心拍は乱れるでしょうし、マイクで拾ってもらうとなると良くも悪くも繊細な息遣いが必要だったことでしょう。

そういう難しさがある曲でしたが、6回聴いた私の感想としては、うぇるだん!!って感じです!ひいき目なしで、すごく良かった!!!
まず、声質がラナの儚さに非常にマッチしていて、澄んでいる感じがとても良かったです。さらに、とにかくラナの心が歌声に宿っていると感じました。呆然としながら朧気な希望を見つめて、ただそれだけを頼りに立っている…みたいな感じ。おそらく彼女なりにもっのすごく沢山考えて、試行錯誤を繰り返した成果なのだと思います。
影ちゃんは元々あまり喉が強い方ではなくて、自分で「カスカスな声」とか自虐するときもあるくらい繊細な声の持ち主なので、正直その面で若干不安な部分というか、大丈夫かなと心配になる瞬間は時折ありました。演目の終盤には座標を全力で叫ぶシーンもあるので、連続公演となるといくら元アイドルでも喉の負担は凄かっただろうと思います。

そんな厳しい状況下でも何が素晴らしかったのかというと、そこでそれを変に取り繕おうとして曲の表情を崩さなかったところです!「安定しないな」と感じたとき、声量で補うなどすれば割と誤魔化せちゃうので、結構そうやって覆い隠したくなるものなのですが、そうすると儚げな感情の吐露ではなくなってきてしまうし、曲調にそぐわない。彼女はとにかく頂いた曲の表情をすごく大事にしていて、その結果、調の性格にも合った自然な歌い方になっていました。
オペラやミュージカルじゃないので、正直音楽的な乱れを気にして隠すよりは、ラナの心をそのまま声に乗せて、そのままの表情を出した方が何倍もいい。私は影ラナの【♪羽ばたけるなら】すごく好きでした!ぶらぼー!
中でも特に好きだった回を挙げるとするなら東京2日目と東京千秋楽だったかと思います。記憶が間違っていなければ、ですがね…(笑)

…とまあ明らかにレベチな熱量で感想を書いちゃいましたが、客として感じたことをそのまま伝えることでなにかプラスになればよいなと思っております。読んでくれるかは知らないけどね!

続いて、コナンとラナの出会いのシーン。ここはね~良かったですね…
お互いの故郷や生い立ちについて話しながら距離が縮まっていくわけですが、2人はとにかく対等で、無意識に相手を尊重しています。この最初のやり取りだけでも、十分すぎるくらいに二人の純粋で優しいキャラクターが伝わってきました。

これは両方に言えることではありますが、特にコナン役の清史郎くんに関しては、このシーンでいかにコナンを表現できるかが勝負!って感じの大きな熱量を感じました。コナンの人間性の解像度が最初からすごく高くて、圧倒されました。ラナも全然負けてなくて、物思いにふけるシーンから、テキと話して、コナンにビビり、徐々に心を開いて笑顔が見えるといった心の動きみたいなのが本当になめらかで、コナンに心をポッと温めてもらっているのが伝わってきました。ただまあ個人的には、尺の都合で脚本をこうせざるを得なかったのだとは思いますが、シャンおじさんやメイザルおばさんがいてくれるから全然寂しくはないわ。という旨の発言のあとに「それに今は、コナンがいるもの😊!」という大胆な告白(?)をしたのにはちょっと驚きました。それはまだちょっと早くない?みたいな(笑) あらまあ素直で大胆ですこと。って思いましたね(笑)


公式X: https://x.com/fbconanstage/status/1797151827961823726 より

そして原作通りなぜか酸っぱい実を一緒に食べて酸っぱい顔をするというシーンで和んだあとは、ラナの追手が乗っている飛空艇が来たことに気づいて隠れます。
ここで、大阪公演でのみ気になったことについて少し触れておきます。飛空艇の音(フォーリー)が遠くから聞こえてきて接近に気づき、隠れるといった流れでしたが、ちょっと二人の振り方に違和感を覚えました。東京公演ではそうでもなかったのですが、申し訳ないけど特にラナはちょっと首をクルクルと素早く振りすぎだった?ような気がします。ハエじゃないんだから、いくら早くても飛空艇はそんなに瞬間的な移動は出来ないのでは…? と思っちゃいました(笑)。フォーリーの音などから推測される機体との距離感を念頭において、目で追いながら首でも軽く追うくらいの感じだったら違和感なく空間の広がりをみせられたのかなあなんて。
ただまあ自分で言及しておいて擁護するのも変ですけど、大阪公演中、驚くべきことに影山優佳ちゃんはずっと肉離れしていたそうでして、それを後から知った私は「だとしたら凄すぎるわ!よくそういう細かすぎるところが多少ものたりなくなるくらいで良く済ませたな!」と思いました。本当に全く気付かなかった…(笑)。

さて、少年少女が隠れたあとは、おじいのところにモンスリーらがやってきて脅迫するシーンに移ります。それからおじいが腹部?を撃たれてからコナンに最後の言葉を残すというところまでは独特の緊張感があり、とても引き込まれました。特に、モンスリーの登場シーンはのっけから本当に素晴らしかった。心の奥底に壮絶な過去を眠らせ、強気を装っている彼女が、おじいの言葉に刺激されて声色を変えるまでの流れが見事でした。顔の剣幕と言葉の表情にただならぬ迫力があり、彼女が秘めている悲しみの大きさが、初めて登場するこのシーンで既に現れていたと思います。


公式X: https://x.com/fbconanstage/status/1797151827961823726 より

大好きな人の喪失に絶望するコナンですが、彼は持ち前のしたたかさで希望を手繰りながら立ち、ユニークな音楽・演出とともに大海原へと旅立ちます。彼の無垢でたくましい姿によって、重苦しい空気も換気されはじめ、見ているこちらも救われる感覚になりました。


そして続く、ハイハーバーでのジムシ―との出会いのシーン。あのシーンはもう…嫌いない人マジでいないでしょってくらい最高でした(笑)
劇場で観た人なら共感してくださると思うのですが、こちらももうのっけから果汁100%のジムシ―で、とにかく圧倒されましたよね(笑)
事前に主演の清史郎くんがバックステージトークでも言っていた通り、成河さんの一挙手一投足は、文字通り“半端ない“。ほんとに。個人的に、コナンやラナは正直公演を重ねるごとに解像度が上がっていった印象で、勿論その馴染みゆくさまも素晴らしかったのですが、ジムシ―に関しては最初からもう…目をゴシゴシしたら原作のジムシ―が見えてきそうなほどの、凄まじい解像度でそこに現れました。本作のような翻案(アダプテーション)作品というものは、原作の再現度という尺度ばかりで評価されるべきではないと思うのですが、成河さんの場合はもうそういった次元をも卓越していて、インバル“タッチ“で塗り替えられたジムシ―を、一番自然に生きていた感じがしました。
自然を表現していることだけはなんとなくわかる個性的な舞台装置、SAKEROCKっぽくてスーダラ節を思い起こさせる雰囲気(?)の音楽と共にハイハーバーのシーンが始まります。住み慣れた森で、自由気ままに過ごしているジムシ―。そこにコナンがやってきて、お互いの力を競い合うあの名シーンに突入します。構図としては、相手がやって見せた動きを「俺だってそれくらいできる!」と言わんばかりにやって見せるというものになっていて、その様子がとにかく愉快かつ微笑ましくて終始クスクスしてしまいました。


そして、二人の焦点は最終的にコナン登場の少し前にも姿を見せていたオオトカゲに集まります。
実はこのトカゲも大クセ者でして…(笑)少なくとも私と同じく東京公演と大阪公演の両方を見た方なら確実にその変容を思い起こすことができるんじゃないかと思うのですが、東京の頃から割と自由にトカゲを演じており、2人の競り合いを冷やかす感じで上手奥から見ていたトカゲは、その様子ですらもう既に愉快で面白かったのに、大阪公演ではもうエンジン全開で、二人が競り合っている中、常軌を逸したけたたましさでバキバキのロックダンスをかましていました(笑)。しかも超上手いんだこれが。
大阪公演の時点では既に3回同じ演目を見ていたので、周りに座っている初見らしき方と比べると全体的に新鮮なリアクションが出来ずにいたような気もしますが、あのシーンに関しては心の中で大爆笑していました。無論、ガハガハ笑うわけにはいかないので頑張って抑えましたが、僕の肩はぷるぷる震えていたことだろうと思います。
大阪2日目の終演後にあったトークショーでは、ラナ役影ちゃんも「オオトカゲもすごい調子良い感じになってましたよね(笑)」と言及していました。あれは笑っちゃうよね (*゚∀゚)*。_。)ウンウン‼と共感のリアクションをしておきました。笑

二人で一緒に尻尾を捕まえたかとおもうと、トカゲは尻尾を切って逃走。なんだこれ!まだ動いてる!と驚くコナンに「それ、めっちゃうまいんだぞ!」とジムシ―。
二人はお互いの実力を「あいこだ!」と評し、打ち解けていきます。ここでジムシ―の口から、ここがコナンの目的地ハイハーバーであることが明かされます。

原作の大筋を知っている方なら、いきなりもうハイハーバーかと思ったかと思いますし僕もそのうちの一人ですが、純粋にこの短縮は良かったですね。
森の中を進む様子が草木に扮した人間の揺れ動きによって表現され、細かいなあと感心しているうちに、ラナの育った家に辿りつき、シャンとメイザルに出会います。こういう場面転換のテンポ感もすごく小気味よかった!

・・・と、ここまででひとまず一区切りとして、パート①として一旦公開します。笑

私生活が落ち着かず、ずいぶんとゆっくり書いてしまいました、、

「言葉には鮮度がある。」
これはこの間、影の弟の秀人くんがSNSで発信していた言葉ですが、本当にそうだよな、と思います。「うぉおお!書くぞお!!」という感じで活きの良かった興奮が、どうしても時の経過と共に冷めてしまう。そして、すぐ公開すれば共感してくれたであろう人も、だんだん共振できなくなってくる。
ただ、今回の鑑賞記は、観劇中や直後に書いたメモなどに基づいて書いているので、約2か月経った今でもあの時の熱が温度を保ったままで、読者に伝わっていたらいいなともいます。そうだったよね、また見たいなぁくらいの感情が沸き起こっていたらそれだけで十分嬉しいです。


ということで、今回も最後まで読んで下さりありがとうございました!

がんばって続きは出しますので、気長にお待ちください!

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