見出し画像

『少林寺VS忍者』(1978)【忍者映画】【海外映画の中の“日本”】

和製ドラゴン・倉田保昭が率いる
日本武術の達人七人衆を、
『少林寺三十六房』の劉家輝
たった一人で迎え討つ!

これは傑作!
香港映画で良く見られる
「正義の中国拳法 vs 悪の忍術」
という図式ではない。

中国武術日本武術
威信と誇りを懸けてぶつかり合い、
その末に友情が生まれるという、
“悪役不在”の、実に清々しい内容。

無駄な血や死人を出す事無く、
ショウブラの濃厚なクオリティを
全開にしているのが素晴らしい。♪

*****
【あらすじ】
主人公の許に嫁いだ日本人妻。
文化摩擦からの夫婦喧嘩に敗れ、
「強くなるまで戻らない!」
と日本へ帰国し、幼少から共に
修行してきた倉田さんとイイ仲に。

「挑戦なら受ける(から戻っておいで)」
という主人公からの手紙を見た
倉田さんは、これを
「日本武術への挑戦」とみなし、
海を渡り、主人公の元へ殴り込む!
*****

刀やら槍やらジャラジャラさせながら、
Gメン'75よろしく横並びに徒党を組んで
中国行きの船に搭乗する倉田軍団
よく渡航許可が下りたな…。(笑)

一方、劉家輝が演じる主人公は
坊ちゃん育ちの紳士で、
やたら強さを誇示したり、
オーラを出したりはしない。


こんなんで、あの濃いィ
日本軍団との壮絶な七番勝負
勝ち抜けるのか…?

───もちろん、そこは劉家輝!
強敵が繰り出す技の数々を、真正面から
受けて立ち
、悉く討ち破ってゆくのだ。
オイオイな柔道家には、それなりの
対処
をしたけどね!(笑)

【七番勝負】 (一日に一試合)
1) 日本刀 vs 中国剣
2) 空手 vs 酔拳
3) トンファー&ヌンチャク vs 三節棍
4) 槍 vs 槍
5) サイ vs 八斬刀
6) 柔道 vs 油拳
7) 忍術&蟹形拳 vs 鶴拳

特筆すべきは、やはり結びの一番。
倉田さんが披露する、キレのある
忍術!そして、蟹形拳!

他の俳優が演じると、立ち所に
ギャグと化してしまう怪しげな忍者だが、
そうはならないのは、倉田さんが
香港映画界で培い築き上げてきた力量
依る所が大きいと思う。☆

実際やってみるとわかるけど
あのサイドステップ、かなりキツイ
上体を崩さずにあれだけの
高速移動を維持した殺陣は必見!

八名信夫の槍捌き
なかなか見事だったね。

あと、監督自ら演じる、酔拳の達人
ここでのコレが、ジャッキー・チェン
出演作の元ネタ
となっていたとは…!☆

【映画レビュー】記事一覧(リンク)

この記事が参加している募集

#映画感想文

66,330件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?