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『鳥獣の館/美女と野獣より』(1978)【この映画に注目!】

『美女と野獣』実写版、その3。
1978年・チェコ。

これまで実写版の作品を7作品に渡り観てきたけど…
(アニメ版は2作品)

チェコ製という事もあってか、これまで観てきた中では一番
怪奇色が強かったね。

豚の解体シーンやら、略奪殺戮シーンやら、
ショッキングな映像を織り交ぜ、
退廃的で荒み切っていても、どこか美しい

チェコ映画の真骨頂。
これぞ、ダークファンタジー。
これぞ、ゴシックホラー。

本作の野獣は… ―――「鳥獣」!

歴代の野獣は皆、醜い容姿ではあっても、
そこそこに身なりを整え、ある程度の清潔感をもって
美女を迎えているのに対し、本作では…

ボロボロの黒マントを身に纏い、まるで『エル・ゾンビ』の騎士団
“醜い”というより、“汚い”。(笑)
「決してこちらを向くな」と、なかなか実体を見せようとしない。

給仕役は、ガンメタのロボ怪人
美女が見てない隙に、上からシャンデリアに乗って降りてきて
志村うしろうしろ給仕。(笑)

そして、野獣にボソボソと囁き掛ける、“影の声”の正体は…?

本作の美女、ユリエ。
『美女と野獣』歴代の美女は皆ポジティブにバイタリティを発揮し、
軟禁に順応しているのだけど…

本作の居城は、有り得ない程に“廃墟”そのもの!☆

歴代作品では、多少荒れてても、婦女子の居住に際して
最低限の清潔さは保障されていた。

…しかし、今回ばかりはもう、掛け値なしのヤバさ
庭の池…いや、あれはもはや“沼”。
ゴポゴポ泡とかケムリとか噴いてるし。(笑)

普通の娘なら、まず生理的に受け付けないだろうね…。
まさしく、“掃き溜めに美女”

ボロッボロに荒れ果てた城で、楽しそうにしてるユリエを見てると、
ホンマかいな?と疑いたくなる。(笑)

でも、与えられた部屋だけは、明るくイイ感じみたい。
アクセサリーやドレス、毛皮のコートとかもイカしてる。♪

因みに本作の姉2人ゲスいタイプ。
いったん家に戻って来たユリエのチョーカーやら指輪やら、
ドレスまではぎ取る。物欲の権化!

ところが、姉達が身に付けた途端、なぜかドロドロに!(笑)
(アメリカ版(1975年)では苦しんでたね。)


ディズニー版(2017年)のレビューで、

「クラウス・キンスキーやヴァンサン・カッセルという
変態ヅラを経て、遂にイケメンのダン・スティーブンス登場」

…と書いたんだけど、イケメン度ナンバー1は、どうやら
本作のブラスチミル・ハラペスに決まりの様だね!☆

最も醜い→最もイケメン。
歴代B&B最高のギャップ萌えで、胸熱のカタルシスを得よう!♪

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