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行き詰まってる時ほど「退屈」や「ぼんやり」した方が良い理由

「最近は外出自粛で退屈だ」「やることがなくて家でただぼんやりしてる」

など、「退屈」や「ぼんやり」する時間ってどうしてもネガティブなことと捉えがちです。

でも実は、その「退屈」や「ぼんやり」する時間は、脳が良いアイデアや解決策をひらめくためにとても大切な時間みたいなんです。

皆さんも、何も考えずシャワーを浴びてる時や、のんびり散歩をしている時にふと、良いアイデアが浮かぶことってないですか?

日中いくら集中して頭をひねって考えても出なかったアイデアや解決策が、ぼーっとしている時に急に浮かんでくる。

これってなぜなんだろうって思っていたんですが、最近読んだ「退屈すれば脳はひらめく」という本にその理由が書いてありました。

ぼんやりしている時にだけ動く「デフォルトモード・ネットワーク」

本の中に登場するスモールウッドという研究者は、ぼんやりすることは人間にとってきわめて重要で「人間とその他の動物を分ける決定的な要素」だと言っています。

僕たちが物事に集中している時、もちろん脳は活発に動いています。
では、退屈で「ぼんやりしている」時は脳のスイッチがオフになっているのかというと、そうではないようです。

実は、この「ぼんやり」している時間にしか活発に動かない脳の部分があるんです。

それは「デフォルトモード・ネットワーク」と呼ばれる部位です。

この部位は、集中力や注意力が必要な作業をしている時はスイッチがオフになっているそうです。

しかし、次の3つの活動をしている時にはとても活発に動きます。

①「自伝的記憶」
(一人ひとりが持つ人生経験の記録)
②「心の理論」
(他人が考えていることや感じていることを想像する)
③自分に関する処理
(一貫した自意識をつくる)

つまり、自分の経験や考えを整理したり、将来の可能性を想像したり、起こった出来事を分析したりする時に、この「デフォルトモード・ネットワーク」が活躍するんです。

退屈やぼんやりしている時間に良いアイデアや解決策が思いつくのは、この「デフォルトモード・ネットワーク」が無意識に僕らの頭の中を整理してくれていたからだったんですね。

しかもこの時、真剣に集中している時の約95%に相当する量のエネルギーが使われているそうです。

そう考えると、「ぼんやり」することは脳のスイッチをオフにするネガティブな行動ではなく、脳の「デフォルトモード・ネットワーク」のスイッチをオンにする、とてもポジテイブなアクションだと言えるのではないでしょうか。

「退屈」は前へ進む原動力になる

本では他にも、「退屈」や「ぼんやり」することは次の目標をみつける原動力にもなると書かれていました。

その例として紹介されていたのが、映画化もされて大ヒットした「ホビットの冒険」という物語を書いたJ・R・R・トールキンさんのエピソードです。

彼はオックスフォード大学で教授をしていた時、大量の試験の解答用紙を採点するのが大変で退屈きわまりなかったそうです。

そんな中ある答案の採点にとりかかろうとした時に、それが白紙であることに気づき彼は大いに喜びました。「すばらしい!何も書いてないぞ!」と。

そしてその時、なぜそうしたのかはわかりませんがペンを走らせ、「大地の穴のなかに、ホビットが住んでいました」という物語の冒頭文が生まれたそうです。

退屈で居心地が悪く、ストレスのたまる中にいることが、素晴らしい作品を生み出すスイッチになったんですね。

積極的に「退屈」「ぼんやり」しよう

MacやiPhoneを生んだステーブ・ジョブズも「私は退屈を大いに信じている。テクノロジーはどれもすばらしいが、することがないのもまたすばらしい」と言っていたそうです。

ひらめきの天才とも言えるジョブズも、退屈やぼんやりすることを推奨しているなら、だまされたと思っておもいっきりぼーっとしてみるのも悪くないかなと思えてきます。

目の前のやらなければならないことに追われ、仕事や生活が行き詰まっている。

そんな時こそ、「ぼんやり」する時間をとって脳の「デフォルトモード・ネットワーク」のスイッチをオンにすれば、良いアイデアや解決策が見つかるかもしれません。

これからは「退屈」や「ぼんやり」する時間がきたら、「あ、今は僕の頭の中が整理されてるんだな」とポジティブに捉えることができるような気がします。

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