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SaaSソリューション営業の極意を語ろう(その1:キャリア編)

2021年に4社のSaaS企業を買収、2022年に基幹製品であるコンテンツ管理ソリューションのSaaS化を完了させたSitecore(サイトコア)。過去2年を通じて買収した企業の製品と既存の製品を統一プラットフォームで提供すると同時に、それぞれの製品や機能を単体でも提供する「コンポーザブルデジタルエクスペリエンスプラットフォーム戦(DXP)略」を進めています。
今回はSaaS化に舵を切ったSitecoreの日本法人で活躍する二人のアカウントマネジャー、大下と中島を取材し、それぞれのキャリアや成功イメージなどを聞きました。

それぞれが積み重ねてきた営業キャリアと経験、そして転機

大下 裕輔(おおした ゆうすけ)以下 大下

大下 裕輔

社会人としてのキャリアの最初は日系のITコンサルティング会社でSFA(Sales Force Automation) やCRM(Customer Relation Management)の販売導入支援を行うコンサルタント職から始まりました。
 
キャリアを考える上で営業職一択だったわけではありません。自分が就職活動をしていた2006年頃というのは、北海道の夕張市の財政破綻や一世風靡したライブドアのホリエモンが捕まるなど、学生の私でも感じるぐらい先行き不透明な雰囲気がその時代を覆っていたように記憶しています。そんな背景があったせいか、個のスキルを磨きたいという理由で、当時は空前のコンサルタントブームでした。多分に漏れず私も新卒でコンサルティング会社を目指しました。ご縁あってITコンサルティング会社に入社することになったのですが、現実はコンサルタントの肩書でITツールを販売する、要は営業でした。ここから営業としてのキャリアを歩むことになりました。
 
その後、人材教育系のコンサルティング会社に転職し、リーダーシップやマネジメントなどの研修プログラムの営業に従事いたしました。その後、家族の都合で大阪へUターンする必要があり、そのタイミングでSalesforceへ転職。その後、マーケティングオートメーションを提供していたマルケトに転職、その後マルケトはアドビに買収されることになりますが、アドビでは同僚やお客様に恵まれ、最後は西日本エリア統括責任者として任務を全ういたしました。さらに自分の可能性を広げたいと転職を考えていたところサイトコアよりオファーをいただき、ご縁があって転職しました。
 
中島 幸治(なかしま こうじ)以下 中島

中島 幸治

私のキャリアはちょっと異色かもしれません。新卒で入った出版社の営業職が自分のセールスのキャリアのスタートです。書店以外の販路で本を売るという、新規開拓の結構ハードなミッションを持って仕事をしていました。大下さんと同じように自分にも変化の「タイミング」を意識した瞬間がありました。Amazonが書店の売り上げを超えるようなタイミングだったんです。オンライン書店が従来の書店を超えてしまうという現実を目の当たりにし、これからはITの知識を身に着け、IT業界の仕事を探さなくてはと思いました。
 
そこでIBMの子会社でソフトウェアのインサイドセールスを3年ほど担当しました。その後トムソンロイター系の子会社で法律情報とか判例情報のデータベースを弁護士法人や企業の法務部に売る仕事を4年間担当しました。それからインフラネットワークやデータセンターを販売する企業を経験し、それがきっかけでOracleに転職し、3年間ミドルウェアとクラウド製品の営業を担当しました。そんな時サイトコアのSaaS営業のポジションのオファーがあり入社しました。
 
経歴の話をすると一貫性がない印象を持たれるかもしれませんが、自分としては多様な領域で仕事ができる営業力を身に着けたいと思ってやってきました。インフラ、ミドルウェア、アプリケーションとIT業界の営業としては一通り経験しました。エンジニアの知見はないですが、この業界で営業として仕事をしていくことが自分にとっては一番合っていると思います。i

転職の決め手は仕事にワクワクできるのか、チャレンジできるチャンスがあるか

<大下>
大手企業/中堅企業/中小企業という規模だけでなく、会社の成長ステージによって得られるスキルは異なってくると思っています。
私も色々な会社を経験してきて比較的小さい組織に属する方が好きなことに気づきました。それは以前いたマルケト(現アドビ)での経験したことが原体験になっています。あの時の毎月新しいメンバーがどんどん増え、続々と増える新規受注数、自分が会社に与えるインパクトを直接実感できるワクワク感が忘れられませんでした。そんな経験から改めて小さな組織にチャレンジしたいという気持ちがありました。
 
もう一つの理由としては、「If you want to go fast, go alone. If you want to go far, go together. 早く行きたいなら、一人で行け、遠くまで行きたければみんなで行け」というアフリカのことわざを思い出したこと。自分がまだまだ成長していくことを意識した時に、意思決定が早く行われるであろう組織の規模感と自分の職種だけに閉じるのではなく自分が活躍できるフィールドを大きくできるところ=小規模な組織、に身をおきたいと思ったところがきっかけになっています。 

<中島>
私は転職活動の中でいくつか候補になる企業がありましたが、スタートアップの会社でフットワーク軽く仕事をすることが自分のスタイルに合うということと業界トップに行くよりもチャレンジャーのポジションの会社のほうが自分はテンションが上がることもあり、そういう意味ではサイトコアは最適でした。またサイトコアがちょうどSaaS製品をそろえてきたタイミングと聞いており、これまであまり経験のないSaaS営業にチャレンジしてみたいと思い入社を決めました。

サイトコアのヒト、チーム、組織もっと強くなれる!   一回り大きく、あと少し高い視点を持つと得られること

<中島>
サイトコアは、これまで仕事をしてきた会社と比べて、日本だけでなくて海外の同僚に質問やリクエストした時のレスポンスがとても早くて助かります。天国みたいです。これはサイトコアの規模が小さいからこその特長かもしれません。みんな協力的で、わからないことがあると親切に優しく丁寧に教えてくれます。なので僕の場合はとても早く業務にキャッチアップできました。私のようなデジタルマーケティング領域にあまり知見のない人が入ってきても、仕事をするためのサポートは手厚いと感じます。
自分から積極的に質問やコミュニケーションを取りに行くことが重要とも言えますね。
 
<大下 >
サイトコアが好きだから敢えて言うとサイトコアってもったいない会社です。製品はとてもいいのに自分たちを含めてパートナーもうまく表現しきれてない気がしています。すごくいいお客様をたくさん持っているのでさらにハッピーカスタマーを増やしていき、市場のプレゼンスを高めていきたいと考えています。
 
<中島>
大下さんの言う通りで製品は間違いなく良いと思います。だから自信もって提案できるので営業としてはやりやすいです。 
コミュニケーションがしやすいことは個人レベルではとてもありがたい。ただ組織で考えると、少し縦割りになってるなという感じがあります。できてないっていうのはホワイトスペースですし、まさに改善ポイントだろうと思います。意思疎通、コミュニケーションの重要性を実感しているので自分の営業活動では常に意識しています。日本と海外でのコミュニケーションをもっとよくしたら、面白いことができるだろうという期待があります。
 
<大下 >
組織の個性あるいはスタイルとして、前職では社員一人ひとりが自分のポジションよりももう一回りのところの仕事をすることが当たり前でした。たとえばシニアマネジャーならディレクター、あるいは社長の視点でプロジェクトを管理するといったことです。製品導入のプロセス全体および自分の担当業務の前後左右を理解して仕事をすると、後工程のことやパートナー企業との合意形成、お客様向けのドキュメントの作成など一つ一つの質が上がってきます。部署のタスクではいい仕事ができているとしても強い組織には部署間の連携が必須です。部署同士の連携が生み出す価値をみんなが意識して、もう一回り高い視点で仕事全体を見ながら業務を進めると、成長力がついてくると思います。

<それぞれの営業の極意を語る、その2に続く>