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マインドフルネス瞑想で心が満たされることが「報酬」。【マインドフルネスを習慣化する生き方13】

マインドフルネス瞑想を習慣化する生き方について連載しています。

前回、習慣にご褒美や報酬は必要なのかということについて書き、マインドフルネス瞑想をすること自体を「報酬」にしてしまえばよいと述べました。


もし「マインドフルネス」によって心が真に満たされれば、日頃のストレスを解消するために、外から何かを欲しがるということがなくなるのです。


この心(マインド)の充実(フルネス)ということに関して、たとえば瞑想講師のジャン・チョーズン・ベイズ氏は『「今、ここ」に意識を集中する練習』(高橋由紀子 訳)のなかで、


意図的に心を「気づき」で満たすことが、マインドフルネスの本質です

「今このとき」にいて心を開き、自分にとって快適とは言えない状況や人々を受け入れることができれば、その不快さの威力は弱まり、恐れたり、反撃したり、避けたりする必要がなくなります

マインドフルの状態にあるとき、人は自分だけに与えられた人生のそれぞれの瞬間のありがたさに気づきます


と述べています。


また、「マインドフルネス」は仏教瞑想における気づき「サティ」とほぼ同義ですが、前述のヨンゲイ・ミンゲール・リンポチェ師は、『今、ここを生きる』のなかで、

仏教者の修行は、続々と起こる思考や感情、感覚にありのままに気づき、そこに心をただ休めることができるかどうかにかかっています。仏教の伝統では、この穏やかな「気づき」の意識は「心の充実(マインドフルネス)」と呼ばれています。心に本来備わる「明晰性」のなかにただやすらぐこととも言えます。

と述べています。


さらに精神科医のジャドソン・ブルワー氏が『あなたの脳は変えられる』(岩坂彰 訳)のなかで、

 マインドフルネスを学べば、気づきと気遣いを深める生き方を身につけることができる。ドーパミンの分泌を求めて機械的にレバーを押し続けるよりも、あらゆる行動に注意を向けつつ、関わるものすべてを意識的に選択する生き方である。そのとき私たちは、浅い興奮に満たされるだけの人生ではなく、より幸せで健康的な人生を見出すだろう。

と述べていますが、マインドフルネス瞑想の実践をしなければならないこと(have to)ではなく「したいこと」(want to)にし、マインドフルな生き方を身につけること自体が報酬になれば、そもそもしたくないことをする代わりにわざわざ報酬やご褒美を求めなくても良くなるのです。

しかし先述したように、マインドフルネス瞑想を試してみても、すぐに思考にとらわれたり、雑念が浮かんできたりして、集中が途切れてしまい、「うまくいかない」場合が多いため、オンラインゲームやギャンブルのようなかたちですぐに報酬が与えられるわけではありません。

そういうわけで外部からの報酬を求めなくても済むようになるためには、すぐに分かりやすい結果を求めず、先ほど述べたように、まずは「小さな習慣」から始め、毎日コツコツと「今・ここ」に意識を向ける練習を繰り返す必要があります。


またマインドフルネス瞑想は、最初からうまくやろうとしたり、すぐに何らかのご利益(りやく)を期待したりすることにそれほど意味はないように感じます。

それよりも毎日瞑想のための時間を確保し、地道に少しずつ実践することで意識が過去や未来ではなく、現在の瞬間に向かうようトレーニングすることのほうがより大切なのです。
 
すなわちマインドフルネス瞑想の実践とは、現在の瞬間への気づきの機会を増やしていく訓練なのであり、この心の訓練は座っている間だけではなく、ウォーキングやジョギングのあいだ、食事中、掃除中など、様々な状況で応用してみることも可能です。


そして毎日10分程度を目標にしながら、マインドフルネス瞑想を途中であきらめずに生活習慣として毎日続けていければ、世界がこれまでと違って感じられるようになってきます。

その理由は、私たちは自分自身が生きている「世界」を、「瞬間(いま)」ではなく、「~とはこういうものだ」と、過去の経験則による思い込みによって眺めていることが多いからです。

ところが瞑想の実践によって「今・ここ」にやすらぎ、心が充実(マインドフルネス)すると、これまで気づくことができなかった世界の新鮮さや豊饒さにも気づけるようになります。


このことは、今まで気づくことのなかった「今・ここ」という世界の瞬間の有り様に、自分自身が気づくということでもあり、この予想外の驚きと新たな発見は、自分という存在の内側からもたらされる最高の報酬だと言えるのです。
 



お忙しい中ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます
😊


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