見出し画像

免疫力アップの秘訣は、音楽で気分をポジティブへと変化させること。【これからの免疫力を高める習慣14】

免疫力アップのために<音楽>をうまく活用してみませんか?

前回の記事では、音楽をうまく活用することによって、長引く精神的なストレスによって免疫力が低下するのを防ぐことが出来るかもしれないということについて述べました。

日々、社会生活を送っていると、職場であれ学校であれ家庭であれ、特に人間関係において、ささいなことに「イラっと」したり「モヤっと」したりすることは多々あると思います。

ちょっとした心理的ストレスをすぐに受け流すことが出来れば良いのですが、度重なるストレスに対処しきれずにストレスを溜め込みすぎてしまうと、ちょっとしたイライラが強固な怒りや憎しみに変わったり、一時的な怖れが長引く不安に変化したりするなど、次第に感情はネガティブな方にばかり傾きやすくなります。

しかし「ネガティブ」が悪いというわけではなく、時々ネガティブな感情を抱いてしまうのは、毎日の天気はいつも晴れではなく曇りの日があるように、人間として当たり前のことなのです。

このことに関してステファン・ケルシュ教授は前出の『最高の体調をつくる音楽の活用法』のなかで、

 ネガティブな感情を引き起こすのは、その出来事自体ではなく、私たちのネガティブな評価だ。日常生活で私たちを不幸な気分や病んだ気分にするのは、たいていがネガティブな感情であり、今起きている不都合な状況ではない。何かが起きたときに反射的にネガティブな評価をし、ネガティブな感情を引き起こしてしまうのは普通のこと。しかし、それをリサイクルせずに済むか、気分に変えずに済むかは、私たちしだいなのだ。

92‐93頁

と述べています。

ここで大切なのは、

「ネガティブな感情を引き起こすのは、その出来事自体ではなく、私たちのネガティブな評価」

なのであり、ネガティブな評価によって引き起こされたネガティブな感情は、自分次第でポジティブな方へ変化させることが出来るということです。

しかしながら、私自身よく経験したことですが、ネガティブな感情にとらわれている時、自分の意志の力だけでネガティブな感情をポジティブな方に変えるのは簡単ではありません。

そのため、そういうどうしようもない時、脳と心に働きかける音楽のチカラが役立ってくれるのです。

ネガティブな気分の時に音楽を聴いて元気になる。

このことについてケルシュ教授は、第2章の「音楽と感情」のなかで、

「ネガティブな気分を防ぐには、臨床心理学で確立されている知見に基づいて、建設的な精神活動を心がけるとよい」

「ネガティブな感情へポジティブに対処すると、健康が促進され、レジリエンスが増す」

とし、ここで音楽が役立つと述べています。

幸いにも音楽は、潜在意識で起こる感情の吸引作用を止め、心理的リサイクルとネガティブ思考のループから脱け出す助けとなる。ポジティブな響きの音楽は思考を楽観的、現実的にする。

ステファン・ケルシュ『最高の体調をつくる音楽の活用法』 大山雅也 訳 96頁


私の研究グループが参加したある研究では、くじ引きゲームをするときに、前もって楽しげな音楽を聴くと、当たる確率を楽観的に見積もることが観察された。特に注目したいのは、当たる確率を低く見積もりすぎる自然な傾向も、この楽観的思考によって打ち消され、平均でより多くの利益をもたらしたことだ。

ステファン・ケルシュ『最高の体調をつくる音楽の活用法』 

また他の章においては、

「健康な人であれ精神的・身体的問題を抱える人であれ、音楽は自律神経、ホルモン、免疫系での変化を引き起こすことが可能なのだ」

「ポジティブな感情は回復と治癒力を後押しできるが、継続的なストレスは免疫系に悪影響を与え、病気を招くおそれがある」

としつつ、

笑ったり喜んだりすれば、そのたびに、健康を促進する生化学的な花火が上がる。音楽はポジティブ感情を引き起こし、気分をポジティブに変化させ、リラックスやストレス対処の助けとなる。そうやって治癒力をサポートするのだ。

と述べています(1)。


繰りかえすようですが、日々の生活のなかでネガティブな感情が沸き起こってくるのはごく自然なことです。

しかし、

「あの人は何であの時、あんなにイラっとすることを言ったの?」
「私が何か怒られるくらい悪いことをした?」

など、不快な思いをしたり傷ついたりした際に、これといった理由が分からずにあれこれ反芻してしまい、イヤな気分がずっと続いて気持ちがいつまでも晴れない、もしくは嫌な事があったのに近くに愚痴を聞いてくれる人が誰もいない……そういう時は、免疫力の低下を防ぐために、あえて元気が出る音楽をかけて気分を変えてみてはいかがでしょうか?

免疫力の低下を防ぐために、あえて元気が出る音楽をかけて気分を変えてみる

……次回へと続きます😊



注釈

1 『最高の体調をつくる音楽の活用法 免疫力・回復力を高める4つの力』 ステファン・ケルシュ 著 大山雅也 訳 大黒達也 日本版監修 YAMAHA

ステファン・ケルシュ『最高の体調をつくる音楽の活用法』 

 感情が起こるときは、脳内で感情のプロセスが生じるだけでなく、体への作用も生じる。感情には自律神経やホルモンにおける変化が伴うのだ。これにより、感情は免疫系にも影響を与える(ただし、短時間の軽い感情ならばごく小さい影響にすぎないだろう)。

 したがって、健康な人であれ精神的・身体的問題を抱える人であれ、音楽は自律神経、ホルモン、免疫系での変化を引き起こすことが可能なのだ。このような生体の変化に基づいて、音楽は治療効果をもたらす。

 ポジティブな感情は回復と治癒力を後押しできるが、継続的なストレスは免疫系に悪影響を与え、病気を招くおそれがある。笑ったり喜んだりすれば、そのたびに、健康を促進する生化学的な花火が上がる。音楽はポジティブ感情を引き起こし、気分をポジティブに変化させ、リラックスやストレス対処の助けとなる。そうやって治癒力をサポートするのだ。

147頁


ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます🎵


もしサポートしていただいた場合は、令和の時代の真の幸福のための、より充実したコンテンツ作りに必ず役立てます。