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なぜ音楽でストレスによる免疫力の低下を防ぐことが出来るのか❓【これからの免疫力を高める習慣13】

音楽をうまく活用することで、免疫力を高める生き方、始めてみませんか?

前回の記事では、音楽を聴いたり、自分で歌ったり楽器を演奏したりすることで気分が好い方向に変わり、また免疫系にも良い影響が与えられることは十分考えられると述べました。

音楽を聴いたり演奏したりすることは、頭の中が悩み事や厄介ごとだらけのストレスフルな状況を変えるのに効果的であると考えられます。

ステファン・ケルシュ教授は前出の『最高の体調をつくる音楽の活用法』のなかで、「コルチゾール」や「アドレナリン」といった「ストレスホルモン」は、

「「エネルギーホルモン」や「ストレスホルモンに敏感なホルモン」などと呼んだほうが適切」

であるとしています。

また、「ストレス=危険信号」という発想は間違いだが、「危険は常にストレスになるというのなら正しい」とも述べています(1)。

そして、ストレスとホルモンの関係について以下のようにまとめています。

 健康なストレスなら、束の間から数時間のうちに消える。顕著な精神的負担はなく、理想的なケースではポジティブにさえ感じるだろう。ストレス反応はすぐに始まり、ストレスが過ぎれば反応も速やかに弱まる。健康なストレスは概して免疫系を強める効果を持つ。

 逆に、不健康なストレスは精神的・身体的な負担となる。特にそれが慢性的になると、免疫系が弱まり、ホルモンに不健康な変化をきたす。すると、コルチゾール値が高いままとなり、それが免疫系の活動を阻害したり低下させたりする一因になるのだ。

ステファン・ケルシュ『最高の体調をつくる音楽の活用法』 大山雅也 訳 154‐155頁


ステファン・ケルシュ『最高の体調をつくる音楽の活用法』

すなわち「ストレス」とは自分に立ちふさがる障害や障壁、解決しなければ前に進めない問題のようなものであると考えられ、目の前の障害や障壁を乗り越えようとしたり、もしくは不確実で慣れない環境に適応しようとしたりする時にストレスホルモンが分泌されるのです。

つまり一概に「ストレス」とはいっても決して悪いものではなく、不健康で慢性的な「ストレス」は免疫力を低下させてしまう一方で、健康的なストレスは免疫系を強めてくれるのです。


ちなみにここでいう「健康的なストレス」とは、「ユーストレス」とも呼ばれる適度なストレスであり、やりがいのある仕事に挑戦したり試験で難しめの問題を解こうとしたりする時など、「さあ、やるぞ!」とチャレンジ反応を引き起こしてくれる、快いものでもあります。

しかし職場の理不尽な上司の言動に対して悩み続けたり、忙しいという理由で休む暇もなく働き続けたり、何らかの事情で仕事を辞めてしまい、お金がないことの不安がずっと続いたりすると、ストレスが長引いてしまうことで「コルチゾール値が高いままとなり、それが免疫系の活動を阻害したり低下させたりする一因になる」と考えられているのです。

つまりここで何を言いたいのかといえば、短期的なストレスであれば、生体は目の前の危機に対処しようとして免疫系を働かせるのですが、ストレスが長期的・慢性的になると免疫系の活動が低下してしまうということなのです。

・ストレスが短い → 免疫系が働く

・ストレスが長い → 免疫力が低下する


「何をやってもうまくいかない」と気分が落ち込んだ時などに、音楽をかけたり自ら演奏したりすれば、ネガティブな気分が変わり、長引く精神的なストレスによって免疫力が低下するのを防ぐことが出来るかもしれない

しかしケルシュ教授が『最高の体調をつくる音楽の活用法』のなかで、

音楽は感情や気分、そして思考さえも変えられる。音楽を使うと、脳内のさまざまな活動に影響を与えて、体の自然治癒を自ら阻まないようにできる。苦境や危機のさなかに音楽を聴き、すぐに完全なリラックスや幸福感が得られなかったとしても、ほんの少し脳や体に化学的な影響を及ぼせたら、それは役立つ。

と述べているように、「何をやってもうまくいかない」と気分が落ち込んだ時などに、好きな音楽をかけたり歌を歌ったり楽器を自ら演奏したりすれば、多かれ少なかれネガティブな気分を変えることが出来るのです。

そしてそのことを習慣にすれば、長引く精神的なストレスによって免疫力が低下するのを防ぐことが出来るかもしれないのです。


注釈
1 『最高の体調をつくる音楽の活用法 免疫力・回復力を高める4つの力』 ステファン・ケルシュ 著 大山雅也 訳 大黒達也 日本版監修 YAMAHA

『最高の体調をつくる音楽の活用法 免疫力・回復力を高める4つの力』

コルチゾールはアドレナリンと同じく「ストレスホルモン」と呼ばれることが多い。しかし、それよりは「エネルギーホルモン」や「ストレスホルモンに敏感なホルモン」などと呼んだほうが適切だろう。コルチゾールとアドレナリンはストレスを受けたときに分泌されるものの、ストレスフルではない状況でも放出されるのだ。

153頁

 コルチゾールとアドレナリンが「ストレスホルモン」だという発想は間違いだと述べたが、「ストレス=危険信号」という発想もやはり間違いだ。ストレス反応があるからといって、それが常に危険に応じた働きというわけでは決してない。逆に、危険は常にストレスになるというのなら正しい。軽い運動は健康な短期的ストレスだ。ダンス、音楽演奏、あるいは手足の水浴び(これは常に手足から胴体の方向へ)もまた然り。よって、健康なストレスと不健康なストレスは区別しなくてはならない。

154頁


次回へと続きます😊

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