すずめの戸締りと、夫。
今日は朝から体が重くて、なにもしたくない最低な気分だった
朝起きた瞬間から頭のなかは不安でいっぱいでぐちゃぐちゃで、すでに疲れ果てていた
子どもはここ二、三日風邪っぽく、仕事前に子どもを病院に連れていく
早く早くと子どもをせきたてる自分にもうんざりする
会社に遅れていくと連絡するのも毎回気まずい
今日はやっぱり精神的にも体調的にも調子が悪く、仕事はマンネリで面白くなく、会社の人はよそよそしく敵対的に感じられた
体は重く、背中や肩はがちがちに凝っていて、胃はムカムカとして、お腹が空いているのも、食べすぎるのもどちらも気持ち悪い
会社から帰ってもどっと疲れていて、なんだかいろんなものにイライラして、遊んでとせがむ子どもにも放っておいてほしいという気持ちになってしまう
こんなふうにわたしを求めてくれる時間は貴重なのに、ひどくしんどく感じてしまう
子どもを寝かしつける段になって、夫が子供が寝た後に録画していた『すずめの戸締り』をみようという
わたしはさっさと寝てしまいたい気もしたが、久々に夫とゆっくりしたい気もして、夫が子どもを寝かしつけている間、洗濯をしたりアイロンをかけたりして待っていた
夫はわたしの一歳年下で、ささっとタケノコを使ったクリームソースのおつまみを作ってくれ、ノンアルコールワインと一緒につつきながら、テレビで録画していたアニメ映画を見た
すずめの戸締りは、震災をテーマにしていて、新海誠らしいキレイな映像めいた作画と、女子高生、ストーリーもまとまっていて、普通におもしろかった(やっぱりちょっとオタクっぽいけど)
小さなすずめがおかあさんと泣いているところは、普通に泣けた
わたしと夫は同世代で、見てきたものが一緒だから、宮崎駿や細田守と比較してわいわい議論したり(二人とも宮崎駿信者)
映画監督の白石晃士作品が好きだから、地震のミミズが霊体ミミズみたいだねと言いあったり
もう歳だから女子高生に感情移入できないね、子どもを亡くしたおじさんが主人公とかで見てみたいねと話しあったり
久々に他愛無い話で盛り上がって
なんだかわたしは不思議と気分も体も軽くなった
こういうとき、わたしはほんとに夫が好きだなあとしみじみ思う
わたしに人間らしい豊かさを教えてくれた人だ
この人がいなければ、わたしは今だにふわふわと地に足がつかない精神的浮浪者みたいなままだっただろう
親にはお前はどこかでのたれ死んでそうで心配だといわれていた
妹には、姉ちゃんは霞を食べて生きているみたいだといわれたこともある
夫はわたしに人間らしい生き方を教えてくれた人だ
わたしのキャパシティでは、今の生活はそれだけで荷が重く、本当はわたしには手に負えないのかもしれない
心も体もちぐはくで、でこぼこに偏りまくっていて、もう経年疲労でボロボロなのかもしれない
それでも、こうやって生きている歓びをときおり思い出させてくれる何気ない夜があることに素直に感謝しよう
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