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木蘭の花はジャズに揺れる〜アザーン満月remix〜

私はベッドの上に横になり、ただただ穏やかな気持ちで過ごしている。iPhoneでジャズを流していると、窓の外からアザーンが聴こえてきた。

アザーン。それは、イスラム教徒へ礼拝を呼びかける合図。モスクからスピーカーを通して響き渡る呪文のような肉声。私たち日本人が普段聴くことのないその肉声は、異国情緒に溢れていて、威厳と美しさを兼ね備えた音楽のように聞こえる。

がしかし、イスラム教徒はアザーンを音楽だとは断固として認めないらしい。基本的には1日のうち、1.夜明け前、2.日の出、3.正午、4.午後、5.日没後、6.就寝前の3〜6回(国によって異なる)に渡って、イスラム教徒たちは礼拝をする。よってその度に大音量のアザーンが街中に鳴り響くのであります。いつでもどこでも如何なるときでも礼拝!”高潔”な心と”崇高”な精神を持って、”崇敬”する姿はまさに白木蘭(花言葉:高潔、崇高、崇敬、慈悲など)。

私はこのアザーンがふとしたタイミングで流れてくるのがすごく好き。嗚呼、、私は異国にいる、、という多幸感がすごい。
そんなアザーンが、今日も私のエジプトライフの鐘を鳴らす、、!

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早朝夜明け前…
おはようルクソール。夜明け前に起こしてくれてアザーンあざーす。なんて寒いギャグを言うてる場合ではない。早朝4時に大音量で鳴り響くアザーンなんて、イスラム教徒以外の人間にとっては、夜明けの蒼い道、赤いテールランプ DE ホットロード上等!パラリラパラリラ騒音夜露死苦!って、訳わからん時間に起こしやがってー!、、となりますがな。がしかし、私はそんなアザーンも好きよ。空気読めてないところも愛おしく。
(↓ちょっと欲しい…実際めっちゃうるさそう笑)

日の出…
おはようルクソール。今度こそ本当の目覚まし時計なアザーンにいざなわれ、一歩街に繰り出せば、そこにはボロボロでちゃちな子どものオモチャがざっくざっくと詰め込まれたような街が広がっている。カイロよりも断然に小さいこの街は、たくさんの人の生活がすごく近くにあって、全てのものが真新しく、そのひとつひとつが輝かしい。ボロボロでちゃちだけど、活力のある人間の営みがキラキラしている。そんなオモチャが入った宝箱。

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正午…
こんにちはルクソール。豚肉が食べられないでおなじみのイスラム教徒のみんなは何食べる!?私といえば、忘れらないレストラン『Sofra』に出会う。このレストランに来るためだけにルクソールにもう一度来たい!滞在中3回通った!豚肉食べてないのに、子豚ちゃんになりかけている皮肉!!!Oh my アッラ〜〜〜!!

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午後…
グドアフタヌーン、ルクソール。泊まっている宿は路地裏をちょっと入ったところにあって、小さいながらも最高に心地よい。ルーフトップで休憩をしながら夕方の空を見上げれば、その柔らかい空に似たような子供たちの声が聞こえる。かわいいかわいいお猿さんたちはとてもなつっこくて、
I have really good time.

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日没後…
こんばんはルクソール。これが本当のルクソールの宝かもしれない。満月が輝く夜に鳴り響くアザーン。世にも不思議な遺跡たちに囲まれ、私はもう古代文明な迷宮路に迷い込んでしまった。静かで、美しい。静かで、美しい。ここはどこ、私はだあれ!こんなに大きな遺跡たちの存在に、世界が大きいことを知る。そして自分の存在が小さなことも。真っ暗な世界に月の光が照らされ、神秘の世界が広がる。このルクソール神殿は、絶対に絶対に夜見てほしい。

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就寝前…
おやすみなさいルクソール。私はベッドの上に横になり、ただただ穏やかな気持ちで過ごしている。宿の小さな部屋でiPhoneからジャズを流していると、窓の外からアザーンが聴こえてくる。掛け合い演奏、即興演奏、複合リズム、、、ルクソールという街は、ジャズに似ていると思った。自由で、何が起こるか分からない、生きてる、みたいな、そんな奔放で自由なジャズなを奏でたような街を、優しく美しいアザーンが包み込む。

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部屋の窓からは今日も空には満月が。満月の夜は何が起こってもおかしくない。おかしなことばかり起こるかもしれない。でも、たぶん、この夜みたいに美しい日がまたやってくる。深い眠りについたら、またアザーンに優しく起こしてもらおう。新しい日々はやってくるし、明日私はきっとジャズで踊る。木蘭の涙もきっと、木蘭の花に変わる。







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