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東雲 志乃
2021年4月23日 17:05
あの国の日差しは、私の目を眩ませるようにしながら、なにか夢とか幻とかを見させるような尊さがあった。奥底からじんわりと滲み出し、そのまま皮膚の表面をつたって滴れ落ちる汗水でさえも、今思えば、紫陽花の葉に艶めく滴のような瑞々しさを含んでいたような気がする。ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー スリランカの首都、コロンボの空港に到着した私は、街の中心にあるコロンボ駅を目指す。自分の