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コトノハぽんぽん#5「節目」「呼吸」 「歯ぎしり」「小説家」

節目だ。」と思って、ほっと息をついたら、からだがグワーンと重だるくなった。節目だなんて、思うんじゃなかった。何だったら良かったんだろ。あれかな、曲がるストローのあの曲がってるとこかな? 引っ張ると、ちょっと意外なくらいに伸びるんだよなぁ。

 三月から、四月へ。ストローの曲がり目を、しっかりと曲がって。

 ◯

 呼吸するのが不得手なのだと思う。
 吸うのはぐんぐん吸えるのに、なぜだか吐くのがうまくいかないのだ。
 ……と、ここまで考えて、吐く、なんだとしたら、「吐吸」じゃないとおかしいんじゃないかと思いはじめた。
 じゃあ「呼吸」というなら……呼んで吸う、ってことなのかな。


 おーい。
 ちょっとー。
 ねぇー。
 こっちこっちー。


 頭のなかで、分からないけれど、なにかを呼んでみたら、なんだか呼吸がしやすくなった。これって、次に吸う空気を、呼んでるってことなのかも。

 ◯

歯ぎしりがまた増えてきた。」と書こうとして、何度も「はぎりし」って打ち間違えてしまった。これは、疲れてるぞ。でも、なんだか口元がゆるむ。誰なんだ、ハギリ氏って。漢字はなんて書くんだ。「葉切? それとも端義理? あっ、萩里か?」とか考えてたら、いつか書く小説の、登場人物の名前になるかもしれない、なんて思ったりもした。

 ◯

 小説家とプロフィールにはじめて書きました。ずっと、そう名乗るには色んなものが足りてない気がしてたのですが、もう先に、ぽん、と言ってみてしまいたい気持ちになりました。

 たった三文字だけれど、すごく大きくて。でも、名乗ることで、決まる覚悟もあると思うから。

 あらためまして、しんきろうです。小説家です。よろしくお願いします。