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こころ日記

「来月の同期会はどうするの」
「う〜ん、その日はちょっとね、まだよく分からないから」
「そうなの? てゆーか、最近随分付き合い悪くないか、いつからそんなにひとり好きになっちまったんだよ」


ひとり好き、、、


違うんだ、ひとりでいることが好きなんじゃない、ひとりでいることが楽なんだよ。そう言いたかったけど、なんとなく言えない自分がいる。


一体いつからなんだろう。社会人になりたての頃、同期仲間とたまに会うと、職場の話だけでなく、彼女や彼氏の話とか結婚や子育ての話で盛り上がったりしたもんだ。


でも今はからっきし。なんでだろう。


忙しくなって、皆んなそれなりに社内の立場や職責だって上がっている。だから、話したいことや相談したいことだって抱えきれないくらいあるんだけどな。


でも、ひとりでいる方が良いんだ。楽だから。


単身赴任先のマンションに帰宅すると、真っ先にキッチンに向かい、冷蔵庫からおもむろに缶ビールとチーズを取り出してプシューッとする。夏の日はベランダに出て、遠くに見える高層ビルの赤いランプをぼんやりと眺めながら「ホッ」と一息するのが好きなんだ。


楽だから。


同期会に限ったことではない。
職場の同僚と楽しむはずの飲み会だって同じなんだ。
別に仲間と話したくないのではないし、その場の雰囲気が嫌いでもない。
ただ、言葉が見つからないだけ。


大切な仲間だから故に、言葉が見つからないことがある。
大切に思うことほど慎重になってしまうんだ。たぶん怖いのかもな。


「そろそろラストオーダーです」の言葉に安堵する。帰れるんだ。


昔は進んで参加していた職場懇話会。
その場で知り合った方と仲良くなるのが好きだった。でも数年後には連絡がつかなくなることがある。その理由は転職だったり、海外赴任だったりで、僕が知らなかったり、気づかなかたりすることが多い。連絡が取れなくなった理由を探す自分にも疲れちゃうんだよね。


いつの日からか、心の中に違う自分が住み着いている。
どうせ終わってしまう短い関係であれば、はじめから始めなければ良い。


だって、楽だから。


ここ1、2年、世界中で跋扈ばっこしている感染症のお陰で、めっきり会社へ出勤する機会がなくなった。赴任先の自宅でリモートワークばかり。お陰で飲み会やら懇話会の機会も減った。いや、減ったわけではなく、形が変わったと言った方が正しい。


オンライン懇話会なるものが登場したからだ。


大勢で居酒屋さんへ行くと、たまたま近くに座っている方と話が弾むことががある。僕はこれが好きなんだけど、残念ながらオンラインでは全員が聞いている。だからちょっと疲れちゃうんだよね。


大切に思う人との繋がりは継続したい。
でも、大切に思うが故に、”あとひとこと”が言えないときがあるんだ。
億劫おっくうなのではない、大切だからこそ慎重になってしまうんだ。だから言葉が出てこない。



もうすぐ日曜日が終わる。
赴任先に戻る時間が近づいてくる。きっと僕はサザエさん症候群に罹患りかんしているんだろうけど、10年以上もこんな生活をしていると、もうすっかり馴染んでしまう。


ひとりが楽だと感じる空間。
そんな空間にこれから戻る自分がいる。
そんな日々がまた明日からはじまるんだね。


頑張ろう、僕。


最後まで読み進めて頂きありがとうございました。🌱


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