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目からウロコ!砂糖と油の真実

no+eをご覧いただきありがとうございます。

今回の記事は、普段から食事に気をつかっている健康意識の高い人にとって重要度の高い内容です。


1.はじめに

あなたの周りに健康に気をつかっている、食事に気をつかっているけどなぜか不健康そうにしている人、覇気がない人、肌艶のハリがない人を見たことはないでしょうか。

いわゆる健康オタクは間違った健康法を真面目にやった結果、普通の人より不健康になってしまうという笑えない状況に陥ることがよくあります。かく言う僕もそうでした。

今回紹介するのは「糖尿病は砂糖で治す!」という少々センセーショナルなタイトルの書籍です。メインストリームの栄養学や医学とは真っ向から対立する学説で、目から鱗の衝撃の内容でした。

通説を覆す本書を読み解きながら、砂糖と油の真実を暴き出し、理想のエネルギー源について迫りたいと思います。

2.生命本来のエネルギー源は糖質

生命活動の基本は糖代謝

これまでの記事で、栄養の主役は炭水化物であるという話をしてきました。そして、食べたものを分解する腸内細菌の役割も見てきました。

その上で今回強調しておきたいのが、生命を維持していくための中心物質は炭水化物である糖質、なかでも糖と果糖であるということです。

糖質(糖と果糖)をエネルギー源とする生命活動のことを「糖代謝」と呼びます。代謝とは、取り込んだエネルギーを分解したり合成したりして利用、蓄積する活動のことです。

健康の場(ヘルスィネス・フィールド)では、エネルギーの源は糖(グルコース)あるいは果糖(フルクトース)です。このエネルギー源である糖、果糖が完全燃焼されて、最終的に多大なエネルギー(ATPといいます)と二酸化炭素(CO2)および水が産出されます。

﨑谷博征「糖尿病は砂糖で治す!」p.35

糖、果糖をエネルギー源とするこの「糖代謝」こそが生命を維持していく上での基本となります。

糖欠乏状態で起こる糖新生

病気は、この糖代謝がうまくいかなくなったときに起こります。たとえば、飢餓やストレス状態に陥ると、糖が欠乏状態になります。そのとき、体は糖の代わりに一時的に脂肪やタンパク質という本来違う働きをする物質を糖に変えてエネルギーとして利用します。

脂肪やタンパク質を燃料にしているこの状態のことを糖新生(または異化)と呼びます。しかし、これは本来のエネルギー代謝ではなく、緊急時のバックアップシステムに過ぎません。

人は、糖代謝(栄養の主役である炭水化物の利用)がうまくいかずバックアップに過ぎない脂肪やタンパク質をエネルギーとして利用している状態のときに病気に傾くのです。

3.脂肪やタンパク質は代替燃料

二酸化炭素の重要性

糖をエネルギーとして利用する糖代謝が生命活動の本流であり、タンパク質や脂質をエネルギーとして利用するのは代替手段であるとする説は、以前記事にした炭水化物が栄養の主役であるという説の正当性を追認するものです。

生命は体をつくる際、この世界の根源物質である水素と炭素と酸素(つまり炭水化物)を利用しています。

興味深い点として、糖を利用するエネルギー代謝では、脂肪やタンパク質を利用するエネルギー代謝よりも細胞が二酸化炭素をより多く発生させるという事実があります。

糖のエネルギー代謝では、脂肪・タンパク質よりも産出される二酸化炭素(CO2)が多い。細胞内で二酸化炭素産出量が多いほど、健康の場をキープできる。

﨑谷博征「糖尿病は砂糖で治す!」p.48

詳しいメカニズムは本書をお読みいただければと思いますが、脂肪およびタンパク質の分解代謝では体を維持するために必要な二酸化炭素量を十分に確保できません。代替手段であるために乳酸やアンモニアなどの副産物が発生し、それらを打ち消すため二酸化炭素がさらに不足するという悪循環に陥ります。

昨今は地球温暖化を名目に二酸化炭素の排出量を減らす取り組みが進んでいますが、健康を維持する上で二酸化炭素が欠かせない物質であるという点から見ても、二酸化炭素を悪と決めつけて槍玉に上げるのは間違っているというのが僕の個人的な意見です。

拮抗関係にある糖と脂肪

エネルギー代謝において、本来のエネルギー源である糖と代替燃料である脂肪は拮抗関係にあります。

糖代謝が行われているときは脂肪の代謝が抑えられます。逆に、脂肪の代謝が行われているときには糖の代謝がブロックされます。この糖と脂肪の拮抗関係のことをランドル効果(糖-脂肪サイクル)といいます。

脂肪の中でも、特にオメガ3やオメガ6、通称プーファ(PUFA)と呼ばれる脂肪酸が血液中に多くある場合は、正常な糖代謝が阻害されてしまうことが本書で指摘されています。

プーファ(PUFA:多価不飽和脂肪酸、オメガ3&6)は後述するように、糖の代謝をブロックして、血液中を高血糖にしてしまう張本人です。

﨑谷博征「糖尿病は砂糖で治す!」p.25

食事からプーファ(PUFA:多価不飽和脂肪酸)を摂取するか、あるいはストレスによって体内に蓄積した脂肪が分解されて血液中に放出される(「リポリシス」といいます)と、血液中のプーファ(PUFA)が高くなります。プーファ(PUFA)は、生命のエネルギー代謝(糖の代謝)を根元から止めてしまう物質です。

﨑谷博征「糖尿病は砂糖で治す!」pp.79-80

これは、通説とは大きく異なります。一般にオメガ3は血液をサラサラにする必須脂肪酸とされ、オメガ3を多く含む亜麻仁油などを日常的に摂取することが健康増進につながると言われて推奨されています。

真偽のほどは分かりませんが、僕自身の経験から言うと、プーファ(PUFA)が生命本来のエネルギー代謝である糖の代謝を阻害するというのは事実ではないかと思います。

4.体に起こるストレス反応

インシュリン抵抗性と脂肪肝

僕は以前、オメガ3が多く含まれる亜麻仁油を毎日納豆にかけて摂っていました。その頃は体組成計に乗ると内臓脂肪レベルが高く、血液検査でも隠れ脂肪肝という結果が出ていました。

脂肪肝は、摂取した糖が細胞に入って利用されることができず、糖が血中に溢れ、脂肪となって肝臓に蓄積されてしまった状態です。つまり、細胞内で糖が代謝できないことが原因で起こる症状です。

細胞は、膵臓から分泌されるホルモンであるインシュリンによって細胞内に糖を取り込むことができます。しかし、糖代謝のうまくいかない細胞はインシュリンへの感受性が低下しています。この状態をインシュリン抵抗性と言います。

そして、このインシュリン抵抗性は糖代謝ではなく代替燃料である脂肪をエネルギーとして代謝したときに引き起こされます。

前述のように糖と脂肪は拮抗関係にあるので、オメガ3などの脂肪酸を日常的に摂取することで糖代謝が阻害され、インシュリン抵抗性が高まったことが脂肪肝の一因であると考えられるのです。

デンプン質の過剰摂取は良くない

一言でいうと、生命本来のエネルギー源である糖以外の代替手段によるエネルギー代謝は体にとってはストレスなのです。インシュリン抵抗性は、体のストレス反応のひとつです。

ただし、糖や果糖と同じ炭水化物であるからと言って、白米やパンなどのデンプン質を過剰摂取することも良くありません。

デンプン質は糖がたくさん連なったものです。そのため、糖や果糖よりインシュリンを大量放出させます。インシュリンが大量放出されると、血糖が急降下して低血糖を引き起こす恐れがあります。低血糖は体にとっては最大のストレスです。

また、穀物や豆類など、消化の悪いデンプン質の過剰摂取は、SIBOと呼ばれる腸内細菌の異常増殖を引き起こすことがあります。

SIBO(小腸異常細菌増殖症)は、比較的腸内微生物が少ない小腸にバクテリア(細菌)が増殖して、消化吸収障害や全身に炎症反応を引き起こす病態です。

その主な原因は、小腸を食べ物が通過する速度が遅くなることです。食べ物がいつまでも停滞することでその食べ物をエサとするバクテリアが腸内で増殖します。バクテリアの増加で血液中のエンドトキシン(内毒素)が増加し、全身に炎症を引き起こします。

エンドトキシン(内毒素)を増加させるデンプン質は、シックネス・フィールド(病気の場)を形成していくのです。したがって、デンプン質を摂取する場合は、消化のよいものか、あるいはバクテリアのエサにもならないセルロースを含む食材を選ぶ必要があります。

﨑谷博征「糖尿病は砂糖で治す!」p.129

栄養の主役である炭水化物だからと言って、難消化性のデンプン質を日常的に摂取することは体にとっては大きなストレスになるのです。

5.理想のエネルギー源

ガンと糖尿病の原因は同じ

体に過剰なストレスを受け続けると、細胞がガン化します。実は、ガンと糖尿病はエネルギー代謝の観点で見るとまったく同じ病態なのです。

ガン細胞はわざわざ糖やタンパク質(アミノ酸)を取り込んでも、それを脂肪に変換して、その脂肪を燃料として使用するという複雑な代謝を行います。

﨑谷博征「糖尿病は砂糖で治す!」pp.95-96

ガン細胞は正常に糖を代謝できず、前述の「異化」を行っています。異化(=糖新生)は、糖の代わりに脂肪をエネルギー代謝に利用している状態です。

プーファ(PUFA:オメガ3とオメガ6)などが原因で糖をエネルギーとして利用できなくなるのが糖尿病です。ガン細胞も脂肪をエネルギーとして代謝しているために、正常な糖代謝ができなくなっています。

つまり、両方とも原因は糖代謝の異常です。そうであるなら、病気から遠ざかり健康に近づくためには、糖代謝を阻害するものを避け、逆に糖代謝を促進するものを体に取り込めば良いということになります。

理想の糖質は何か

糖代謝を促進するものの代表格が、砂糖です(だから本書のタイトルは「糖尿病は砂糖で治す!」なのです)。

著者は、果物などの果糖と、糖と果糖を50%ずつ含む二糖類を理想の糖質であるとしています。

 砂糖(サクロース)は、ハチミツと同じく糖(グルコース)と果糖(フルクトース)が50パーセントずつの二糖類です。
 果糖(フルクトース)あるいは砂糖(サクロース)は、糖(グルコース)で見られるような反応性低血糖や血液異常が認められないことは実験的に証明されています。
 反応性低血糖とは、デンプン質の問題として取り上げたように急激なインシュリン分泌によって血糖値が低下することをいいます。

﨑谷博征「糖尿病は砂糖で治す!」pp.154-155

血糖値が上昇する原因は糖(グルコース=ブドウ糖)です。血糖値が高いということは、摂取したブドウ糖を細胞がエネルギーとして利用できていないということです。

一方、果物などに含まれる果糖(フルクトース)を摂っても、血糖値上昇は起こりません。

だから糖代謝を促進する理想の糖質源は果糖(フルクトース)か、果糖が入っている二糖類なのです。食材でいうと、砂糖(ショ糖)、ハチミツ、フルーツ、アガベシロップなどです。

糖(グルコース)が連なったデンプン質は、果糖が含まれないため理想の糖質ではありません。

6.最後に

糖と果糖が生命体を維持していく中心物質であるというのが本書の主張する要の部分です。

おそらく、古来より人間は果物を主食とする雑食性の果食動物だったのでしょう。糖質をしっかりと補給して体内に蓄えることで、長期戦になる狩猟生活にも耐えられたのかもしれません。

僕自身は、この本を読んでこれまで信じていた食に関する常識が覆りました。まさにコペルニクス的転回です。

オメガ3が必須脂肪酸で体に良い油であるという洗脳、砂糖が糖尿病の原因だというまことしやかな嘘…。

事実はまったくの逆です。一般に良いとされる魚油(フィッシュオイル)もオメガ3を含むため糖尿病を悪化させ、体に悪いとされる砂糖はむしろ糖代謝を促進し健康を増進させる。世の中に出回っている健康情報がいかに嘘だらけかということです。

僕がこの本から得た教訓は3つ。

・プーファ(PUFA:多価不飽和脂肪酸、オメガ3&6)をできる限り摂取しないこと。
・果糖をエネルギー源にすること。
・情報を鵜呑みにしないこと。

甘いものの食べ過ぎは腸内でカンジダ菌の増殖を招く恐れがあるため、この本の内容も鵜呑みにはできません。また、果糖ブドウ糖液糖は原材料が安価な遺伝子組み換えコーンシロップなのでおすすめできません。

それでも、もし砂糖を絶ってオメガ3の油を日常的に摂っているのに脂肪肝気味の人がいたり、そこまでいかなくてもどことなく体の調子が悪いという人がいたら、ぜひこの本に書かれている内容を取り入れてみてください。体調を改善するきっかけになれば嬉しいです。

おすすめの黒糖です。エネルギー補給に最適。ミネラル豊富で濃厚な味がします。


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