見出し画像

映画「お茶漬けの味」

1952年 小津安二郎監督

60年以上前の物語、理解するのが難しい。

裕福な家庭出身の妻と地方出身者の夫。
女中を雇うほどの金持ちの家庭で、
妻は家事をしない。台所に入ることもほぼないらしい。

育ちの違いからかソリが合わない。
ご飯に味噌汁をかけて食べている夫に(俗に言うねこまんま)
妻はぷりぷり怒りだす。

「あーた、いつもそうやって召し上がってらっしゃるの?
犬にやるご飯みたいにこやって召し上がるの?」

なんという高飛車!

画像5

妻は、友達が病気だと見えすいた嘘をついて女友達と旅行に出かける。
旅館では夫の悪口ざんまい。

うーん、もうこの時点で理解不能。

暇って人を堕落させるのか、、。
嘘つかずに堂々といきゃいいじゃねーか。

姪のお見合いドタキャンを巡って、夫婦の考えがすれ違った事をきっかけに、
妻は何も言わずに神戸へ旅立つ。

大喧嘩して家出ならわかるけど、お互いの気持ちも交わさず黙って家出?

さらに理解不能。

女友達は、野球場で夫の浮気現場を目撃する。首根っこを押さえるのかと思いきや、

「怒らないわよ。いいとこ見つけちゃった。なんか買わしちゃお。」

 と余裕の微笑みで見て見ぬふり。

友達の手前怒り狂うのはバツが悪いと思うのかなんなのか、、、

プライドたかっ!

少しは怒るものじゃない?

こういうのを静かな感情を描くとか、リアルな感情描写とか言われるのだろうか。

後の場面では、夫を小賢しく操縦する妻の顔。怖っ。

…………………

最終的に主人公夫婦は溝が深まるでもなく、
ふたりでお茶漬けをすすって丸く収まる。

夫婦って少々すれ違ってもなんとかなるもんだよとか、
自己主張しなくてもわかり合っちゃうんだよ、阿吽だよってことなのか?

しかし、私にはそうは思えない。

夫婦は血の繋がりのない他人だもん、いがみ合ってケンカしてぶつかって、それでもわかり合えない、世知辛い関係性だと思う。

*************

画像1

淡路千景さんきれいですね。

画像2

衣装が素敵。

画像3

この時代のパチンコ屋さんって、椅子がないから立って打ってたんですね。
疲れて長居しないから依存症を防げるかも。

前掛した奥様が家事の合間にちょいとパチンコ、、おもしろい。

画像4

海外出張する友達縁者を、いつまでも手を降って見送るシーン。時代を感じます。





この記事が参加している募集

#映画感想文

67,817件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?