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茶の湯の本たち #83 茶の湯の歴史を問い直す——創られた伝説から真実へ

読み易さ ☆ (三点満点中)
完全に専門書です。歴史好き、特に中世から近世が興味ある方には面白いと思います

このシリーズについて

茶道初心者が茶道の本を紹介する記事です。ほぼ自分のメモがわりです。
本記事では、茶道の初心者向けのおすすめ本を紹介します。
本の中身と関係ないことがほとんどです。

今回の本はこちら


おすすめポイント

  • 学校教育や一般に言われている歴史は、最新の研究を反映するには相応に時間がかかる。本書では、通説の批判的研究を行っている

  • 文献学・思想史・考古学の各視点から見ているのも面白い

  • 戦国時代の大名の饗応儀礼、今風で言うとご接待は、お茶は飲むけど付随的なもの。毛利元就と大内氏、毛利輝元と秀吉、大友宗麟の領国内など事例が豊富です。

目次

総論
第1部 文献史学から―「茶の湯」の真実に迫る
(「茶の湯」の成立と展開 五山寺院と足利将軍家の饗応儀礼
中世禅宗寺院の堂内空間とその展開―三幅一対に三具足・五具足の成立 ほか)
第2部 思想史・美学から―新たな日本文化の扉をひらく
(密教修法の茶と禅宗寺院の茶―自利利他行としての茶
兼好・正徹・珠光の思想と「茶の道」―珠光「心の一紙」から『山上宗二記』へ
二次創作された東山文化の「和漢」―享保年間の「馬蝗絆」をめぐって ほか)
第3部 陶磁史・考古学から―由緒から道具を解放する(茶の湯を創った青磁茶碗
福岡の中世における喫茶の一様相―那珂川市五ヶ山東小河内・網取遺跡から
江戸時代前期の御成と茶の湯と中国陶磁器 ほか)

筑摩書房 https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480861382/


読んで思ったこと

その1 去年2023には本書についてのシンポジュームがあった模様 
めっちゃ面白そう

その2
こちらの本は、戦国大名の日々の行動を日記など記録物から読み解いて、茶の湯のとの関係性を分析している章もあります。
という点では、伊達政宗さん中心にかかれた、以前紹介した本はなかなかの労作であったはず(上から目線ですみません)


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