Kachi

民間・公共セクターの両領域でコンサルティングをしています。専門領域は、ESG/Sust…

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民間・公共セクターの両領域でコンサルティングをしています。専門領域は、ESG/Sustainability戦略・経営ですが、コンサルタントという職業柄、専門領域は限定せずに色々やっています。休日は専ら映画と小説の世界に浸っています。

マガジン

  • これからコンサルティングファームを目指す方への情報提供

    新卒入社から現在7年目(2023年時点)の経営コンサルタントによる記事です。いわゆる総合系コンサルティングで、民間企業と官公庁のどちらもをクライアントとして働いてきました。その経験を還元することが目的です。 更新は不定期です。また、赤裸々に内情を書いている記事(もちろん守秘義務の範囲で)の中でも特に批判的に書いているものは有料としています。 2023年9月から、3社目かつスタートアップのため更新頻度はさらに落ちると思いますが、気長にご愛好ください。

  • 私の本棚 ー不定期な本の棚卸しー

    読んで本当に良かった本だけをピックアップしてご紹介しています。具体的には、①時事を深く理解するための旬な本、②仕事柄読んでいてためになった本、③生活を豊かにしてくれる創作物になるかなと思っています。元々定期的に更新しようと思っていましたが、繁忙期に自分の首を苦しめることになったので、不定期としました。ある程度のマガジンの形になるまでの過程も見守っていただければと思います。

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    • 私の本棚 ー不定期な本の棚卸しー

最近の記事

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【長文感想】4回みた私が受け取った映画「君たちはどう生きるか」のメッセージ

※本記事は、宮﨑駿監督最新作「君たちはどう生きるか」のネタバレを含みます。また、作品の静止画は「スタジオジブリ」のものを利用しました。 君子豹変す。 本来、この言葉は「優れた人間は、過ちを直ちに改め、速やかによい方向に向かう。」と評価をする故事である。ただ、昨今では「要領の良い人は、今までの態度をすぐに変えて、主義も主張も捨ててしまう」といった後ろ向きな言葉としても使われてしまっているようだ。 映画「風立ちぬ」後に引退を発表した宮﨑駿監督が、引退を撤回し、創作に復帰する

    • 2023年新作映画を振り返る-おまけで自分のことも振り返る

      今年は、映画館に吸い込まれるように入っていく日が多かった。特に2023年の上半期は、職場で抱えたストレスの多さで、すべての「繋がり」をシャットダウンしたくなるような精神状態だった。 ※恨みのすべては、有料コンテンツに入れて静かに葬り去る予定。 映画館の良いところは、通信機器をオフにして、外界との連絡を断つことがマナーとなっていることだ。自分はこの空間の秩序維持に貢献している。このように思えることがどんなに尊いことか…。常時接続が当たり前の現代社会において、連絡手段を自ら断つ

      • 【必見】公共系コンサルティングを志す人へのささやかなアドバイス

        はじめに、公共系コンサルティングとは何かを述べておきます。 公共系コンサルティングとは政府(官公庁)や国際協力機構(JICA)等から公示された政策提言や調査に従事するコンサルティングを指します。民間企業をクライアントとするコンサルティングを民間コンサルティングと呼ぶとすると、行政機関をクライアントにするのが公共系コンサルティングです。(あまり一般的な語彙ではない私の造語です。ご容赦ください。) 私は学生時代、国家公務員総合職試験を突破して、いわゆる「官庁訪問」をしたものの

        有料
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        • とにかく映画を観た2022年

          公私ともにダメージを受けることが多かった2022年。これまでの人生で一番長い時間を映画を観て過ごしました。映画館で観た本数は、リピートも含めれば50本。ほぼ毎週、入り浸っていたことになります。 鑑賞記録は、Filmarksというアプリでつけていました。レビュー内容は、その時々の気分に応じて饒舌な時もあれば淡白な時もあり、それ自体も一つの記録だと思いながら、鑑賞中は100%作品世界に入り込み、鑑賞後も印象的なシーンを振り返りながら、言語化を繰り返していました。 年の瀬という

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        【長文感想】4回みた私が受け取った映画「君たちはどう生きるか」のメッセージ

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        記事

          心のあり方について問い直す5冊 -2022年9月読書録-

          すっかりご無沙汰となっていた読書録を再開します。と息巻きながら、今週末は体調を崩して丸2日間寝込んでいて、投稿自体が遅くなりました。 この読書録は、単にその月に読んだ本を羅列するのではなく、ランダムに読んでいた本を有機的に繋げて見たり、無理やり関連性を探したりしながら最低5冊は紹介できれば…という試みです。私自身の思考の整理になることはもちろんですが、皆さんが普段読まないような本への道しるべとなると嬉しいです。 おそらくコメント欄を解放していると思いますので、今回紹介する

          心のあり方について問い直す5冊 -2022年9月読書録-

          コンサル転職希望者向けのおススメ本(プチ宣伝)

          前職から転職して間もなく一年。新しい環境への適応に苦戦することが多かったものの「自分の興味・関心に近い領域で勝負できる」環境になったことは間違いありません。 そんな実感を携えて次年度は何をしようかと思っていた矢先、前職の上司がKindleで本を書いたということで、読んでみてくれないかと連絡がありました。(ちなみにペンネームで書いているようです) 以前、私もこんなタイトルでnoteにエントリーを書いていました。私はあくまでもマネジャーになる前の立場・目線で「コンサルってどう

          コンサル転職希望者向けのおススメ本(プチ宣伝)

          エヴァと歴史とショパン -2021年の私を支えたものたち-

          出来事を振り返る尺度として「1年」を単位とすることは、思考停止なのかもしれない。とりわけ、学生時代が過去の思い出になった社会人にとっては。たしかに、企業は財務諸表を最低でも1年に一度作成しなければならない。また、私が今クライアントとしている行政機関は原則単年度主義であるから、1年を一つの区切りとすることの合理性は十分にありそうだ。 ただ、そういう実務上の有用性を脇に置いて、一人の小市民が自分の来し方を振り返る尺度としての1年は、どのような意味があるのか。赤道付近の低緯度帯以

          エヴァと歴史とショパン -2021年の私を支えたものたち-

          遺伝か環境か?尽きることのない議論の先には… ~社会人読書会記録#2~

          本日は、第6回オンライン社会人読書会の模様をお届けします。前回の記事で、この会がどのような経緯で開催されるに至り、過去5回は何を読んできたかをまとめています。 1. はじめに今回扱った書籍は、安藤寿康先生が著した『日本人の9割が知らない遺伝の真実』を取り上げました。 この本は「行動遺伝学」と呼ばれる比較的新しい学問領域で研究されているテーマや成果について、平易な内容で記載されています。この本自体はそこまで有名ではないのですが、最近書店に行けばよく目に付く橘玲(あきら)氏の

          遺伝か環境か?尽きることのない議論の先には… ~社会人読書会記録#2~

          アジェンダを敢えて決めない読書会のススメ ~社会人読書会記録#1~

          はじまりは突然にふとしたきっかけで、社会人になってから知り合った仲間同士のオンライン読書会が始まりました。はじまりは一本のLINE。現在スイスで新婚生活を送りながら、開発コンサルタントとして働いている友人からの彼女らしいお誘いでした。 詳細こそ忘れましたが、そこには月一回のペースで1時間、共通の本を読んで意見を共有する、といった読書会の概要が書かれており、すでに第1回目の課題本まで指定してある徹底ぶりでした。「薄くてすぐ読み終わるよ!」ということで、もはや逃げ道はありません

          アジェンダを敢えて決めない読書会のススメ ~社会人読書会記録#1~

          #5. マネージャー手前での転職はもったいないのか?-私個人の転職活動振り返り-

          しばらく更新が滞っていました。転職すると環境適応が大変ですね。同じツール(例えばMicrosoft TeamsやOutlook)でも、会社毎に運用方法が違っていたりと、まだ低いレベルのところで慣れていない感じがしています。 最初にお断りしておくと、私は事業会社に転職した訳ではありません。新興国支援やSDGs/ESG関連のアドバイザリーを主な生業とする職場に移りました。そのため、仮説を立て、検証し、示唆を出すという基本的な頭の使い方は変わっておらず、前職のコンサルティングファ

          #5. マネージャー手前での転職はもったいないのか?-私個人の転職活動振り返り-

          #4. コンサルタントのプロジェクト満足度を決める要因は、プロジェクトのお題ではない二つの要素

          1. はじめに前回までは、少し大きな目線から(しかし若手コンサルタントの視座から)コンサルティングファームを取り巻く環境やコンサルタント個人の成長について説明を試みました。 今回は、働き方改革が叫ばれている昨今。それでも激務だと言われているコンサルティングファームのプロジェクトワークに関して、私が体験もしくは見聞きしている範囲で説明できればと思います。世間一般に流れている情報は、極々普通のプロジェクトワークの特徴を説明しているに留まっており、実態を語る上での何らかの忖度があ

          #4. コンサルタントのプロジェクト満足度を決める要因は、プロジェクトのお題ではない二つの要素

          #3. 今現在のコンサルタントの成長は、〇〇のための成長だと思う

          1. はじめに前回は、若手コンサルタントである私の目線から、業界内部で起きている変化について説明を試みました。その中で、今回書こうと思っているコンサルタントの成長と関連が深い要点を抜き出すと、次の3点に集約されるかと思います。 ■クライアントがコンサルタントに依頼する案件は、業界内でのクライアントの位置づけによって変わる(No.1 or 2か、それ以下か) ■純粋な戦略案件の絶対数は減っており、かつ、難易度が上がっているため若手コンサルタントが関与できる余地が少なくなって

          #3. 今現在のコンサルタントの成長は、〇〇のための成長だと思う

          #2. 若手コンサルタントから見たコンサル業界の地殻変動とは?

          1. はじめに前回記事の続きです。主にこれからコンサルティングファームを目指そうと考えている方に向けた情報提供を目的として、いくつか記事を書いていきます。(もちろん、私自身のコンサル経験の棚卸も兼ねています) 今回は、業界変動について実体験も交えて記録に残していきます。前回示した全体マップだと一番上の部分ですね。 NewsPicksを頻繁に見ている人であれば、ここ数年間で起きているコンサルティングという仕事の変化については、ある程度ご存じかもしれません。NewsPicks

          #2. 若手コンサルタントから見たコンサル業界の地殻変動とは?

          #1.「とりあえずコンサル」と思っている方に知っていて欲しいこと

          はじめにこの春、新卒入社から丸4年間勤めた都内某コンサルティングファームを卒業することにしました。何人もの同期が、入社2~3年目にして転職していったのを見届けた立場としては、割と慎重に決断した方だと思っています。 「マネジャーまでやってこそ一人前」といった通説もありますし、また私自身も、この仕事の醍醐味を味わえるような「当たり案件」に携わらせてもらい、それなりにやりがいを感じていました。 では、なぜ辞めるのか? この理由を説明するにあたっては、二つのギャップをかいつまん

          #1.「とりあえずコンサル」と思っている方に知っていて欲しいこと

          もし「最終講義」をする機会をもらったら何を話しますか?

          2021年3月27日(土) 私にしては珍しく、土曜午前中からPCを立ち上げて画面を凝視していました。本日は大学院時代にゼミでお世話になった恩師二人が、東大教授の任を終える門出の日だったからです。 大学1年目を終えた春。キャンパスのあちこちで「〇〇教授最終講義」と書かれた立て看板を初めて見て以来、最終講義という言葉の持つ魔力に魅了されていました。そして、自分も恩師と言える教授の最終講義を受けてみたい、またチャンスがあれば自分も最終講義をやってみたいという二つの気持ちを抱いて

          もし「最終講義」をする機会をもらったら何を話しますか?

          3.11の振り返り解像度上げてみませんか? -東日本大震災から10年-

          東日本大震災、並びに福島第一原発事故の発生から10年が経過しました。 ※冒頭の写真は、楢葉町・広野町にあるJ-Villageです 大学入学を控えた当時の私は、受験勉強を終えた解放感も束の間、二つ折りの携帯電話の画面越しに観る映像に釘付けとなり(TVは停電で使えず)、断片的に伝えられる耳慣れない原子力関連用語に漠然とした不安を抱えていました。 それからしばらく時を経て、社会人となった私は、福島県の復興支援事業に携わることになります。仕事柄、業務の詳細をお伝えすることは出来な

          3.11の振り返り解像度上げてみませんか? -東日本大震災から10年-