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#1.「とりあえずコンサル」と思っている方に知っていて欲しいこと

はじめに

この春、新卒入社から丸4年間勤めた都内某コンサルティングファームを卒業することにしました。何人もの同期が、入社2~3年目にして転職していったのを見届けた立場としては、割と慎重に決断した方だと思っています。

「マネジャーまでやってこそ一人前」といった通説もありますし、また私自身も、この仕事の醍醐味を味わえるような「当たり案件」に携わらせてもらい、それなりにやりがいを感じていました。

では、なぜ辞めるのか?

この理由を説明するにあたっては、二つのギャップをかいつまんで説明する必要があるかと思います。(なお、しばらく私個人の話が続きますので、タイトルに興味がある方は、次節までスクロールダウンして大丈夫です)

一つは、私自身の進みたいキャリアとコンサルタントとして蓄積できるキャリアのギャップです。

小さい頃から外交・国際政治、国際協力に興味があり、新卒採用時の就職活動ではこちらの領域でのキャリアップを軸に動いていました。ただ、その時はご縁に恵まれず、半ば滑り止めのような形でコンサルティングファームに入りました。

働いていく中で、経営コンサルタントという仕事の面白さを知り、深くのめり込む可能性もあるのではないかという淡い期待を寄せていました。実際、経営コンサルタントとしてキャリアアップをしていくには十分な環境と機会が、社内でコツコツと働いていく中で整ってきたという実感もあります。

しかし、心の奥底で「そもそも何をやりたかったのか」ということを自問自答することも幾度となくあり、30歳になる手前というタイミングで本格的な情報収集を始めました。その中で、まだやり直しができる。引き返すなら今。といった感触を徐々に強めていきました。

二つ目は、コンサルタントの業務内容に関する想像と実際のギャップです。読者の方々がコンサルタントという仕事にどのようなイメージを持たれているかは分かりませんが、往々にしてこのような仕事だと思っているのではないでしょうか。すなわち、①クライアント企業の課題を特定して、②あるべき姿を提示、③そのあるべき姿を実現するために何をすべきかを提言する。

もちろん、このようなオーソドックスな案件も経験しました。ですが、次回以降の記事で説明するように、コンサルティング業界を取り巻く環境が変わりつつある中で、特に若手コンサルタントに割り振られる仕事の中身が変容してきました。

確かに、多くの元マッキンゼーや元BCGの方々の書籍で紹介されているコンサルタントの課題発見・解決法は、理路整然としていて美しく、知的にエキサイティングな仕事をやっているのではないかというイメージが世に広まっている感があります。ただ、彼らの血肉になった「鍛えられる」案件は減少傾向にあると思います。

そのような大きな業界の潮流の中で、このまま何の疑問も持たずにコンサルタントとしてのキャリアを邁進してよいものかという思いに駆られるようになったのも事実です。(繰り返しになりますが、具体的な内容は別記事にて記述する予定です)

これから書こうとしていること

これから書くいくつかのまとまった記事の中で、私は若手コンサルタントという視点から見た業界動向、得られるスキルや経験、働く環境に関してまとめてみようと思っています。

誰かに向けて自分のコンサル経験を棚卸した方が、より丁寧な振り返りが出来るのではないかと思ったからです。

想定している読者、記事の目次案を書きました。これから時間を見つけて少しずつ更新出来ればと思います。

想定読者

「とりあえずコンサル」と思っている就活生(とりわけ、昨今の就職したい会社ランキングの上位にコンサルティングファームが位置しているのを見て、興味を持った学生の方)

「キャリアアップのためのコンサル」を検討されている中途未経験の方(特に、転職エージェントに強く勧められたり、提示された想定年収に惹かれてコンサルティングファームに入ることを考えるようになった方)

レジェンドクラスのコンサルタントではなく、もう少し普通の若手コンサルタントの視点・視座で見た業界動向に興味がある方

その他、コンサルティングファームに漠然とした興味のある方

これから書く記事の目次案

私なりにまとめとして書いてみたいことを図示してみました。

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まず、コロナ禍前後から始まっているコンサルティング業界の地殻変動について、私が見聞きしたことをベースに記述していく予定です。この業界動向の理解が、若手が働く環境や、案件を通して得られるスキルを具体的にイメージする一助になると思っています。

この図を念頭に置いていただけると、読者ご自身での更なる情報収集や内定獲得に向けた戦略立案がスムーズになるのではと期待しています。

以下、目次案です。

1. 若手コンサルタントから見たコンサル業界の地殻変動とは?
2. コンサルタントの成長は何のための成長か、爆速で成長できるのは本当か?
3. 巷で言われている働き方改革やダイバーシティ推進はどこまで進んでいるか?
4. 転職市場におけるコンサルタント経験者の見え方は?
5. これからコンサルティングファームにいくべき人、そうでない人は?

ここまでが、想定読者の方に向けて具体的なテーマを決めて書こうとしている内容です。あと2~3程度、記事を追加するのではないかと思っています。後から書きたいことが沸々と湧いてくるはずなので、自分のひらめきに期待しながら一旦「はじめに」にあたる本記事を閉じたいと思います。

大学院での一番の学びは「立ち止まる勇気」。変化の多い世の中だからこそ、変わらぬものを見通せる透徹さを身に着けたいものです。気付きの多い記事が書けるよう頑張ります。