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春の花々を出迎えに。


キク科フキ(Petasites japonicus subsp. japonicus)

北海道の春を告げるふきのとう/フキ
白く見づらいがよーく見ると☆形の小さな舌状花を開いているのがわかる
なのでこれは雌花のつかない雄花個体だ

3月から4月にかけて、積雪が消えて陽が当たる茶色い地面からポコポコと顔を出す光景は春の訪れといったところだろうか。

キク科植物と聞くと、ボタンやフランスギクやタンポポやアザミや矢車菊、マリーゴールドなど数多くの花を思い浮かべるだろう、、、そんな中でふきのとうも立派なキク科の仲間の植物・だ。
強いていえばふきのとう/フキ(Petasites japonicus)はキク亜科サワギク連にフキ属フキとして分類され所属している。
道東で葉っぱがとにかくデッカく育って有名なラワンブキ(P. japonicus subsp. giganteus)はフキの1亜種
時期が進んで大きく育つと、小さいタンポポのような花穂が目立ってきてワタ羽付きの種子をたくさん散らす。

植物系統の中でもわりと進化が進んでいるとされる数多くのキク科植物のなかで、夏秋に大きな葉っぱでめいいっぱい光合成を行い、ライバルの少ない春一番に花茎を立ち上げて春のうちに種散布までを行ってしまう戦略的な生態を獲得している。
雄花雌花もふきのとう毎に別々で、雄性先熟があり、種内で雄花雌花を分け受粉までにラグを作ることで種の多様性を維持・促進する仕組みを持っている。さすがは進化の進んだキク科植物!

キンポウゲ科福寿草(Adonis amurensis)

花茎の枝分かれがなく根元から独立して1本立ちなのは
主に北海道に占めるキタミフクジュソウ(Adonis amurensis)である

昨日の4/9は気温も5,6℃ほどにしかならず、雪の降る1日だった。
雪の解け失せた茶色い部分にいくらか黄色いものを認めたのでにこやかにカメラを抱えて近寄ってってみた。
見ての通り、ふきのとうと並ぶ春の風物詩である福寿草(Adonis sp.)なのだが、開花したものではなかった。

雪が降っていたし、曇天だったので太陽光を感じれず花を閉じてしまっているのだろうか?

まばゆい菜ノ花色の福寿草は白と茶色しか存在しない春の世界に嬉しい彩りを与えてくれる

日本国内に生育する福寿草:フクジュソウには実は4種いるらしく、北海道では根元から花茎が1本立ちするキタミフクジュソウ(Adonis amurensis)が優占しているそうだ。
ほかには本州にエダウチフクジュソウ(A. ramosa),ミチノクフクジュソウ(A. multiflora),シコクフクジュソウ(A. shikokuensis)が存在している。

ヨーロッパ圏に視野を広げると、Adonisはハーブとして扱われるよう。
しかし強心毒なので服用に慎重を要する薬局のみでしか扱えないようだ。

「福寿草」はその名の通り縁起の良い和名をもらっているスプリングエフェメラル(春に咲いて夏には枯れて姿を消してしまう花々)。
しかし縁起の良さとは裏腹に、有名な毒草が多く名を連ねるキンポウゲ科の植物だ。
キンポウゲ科の有名な植物でいうとトリカブトを筆頭として、園芸店で名を聞かないことは無いラナンキュラスやアネモネなど。
対して、同じキンポウゲ科のエゾノリュウキンカ(Caltha fistulosa)は可食となっている。

赤紫色の萼片に閉じられた鮮やかな黄色の花びらはやはり目を引く色をしていて美しいですね。
開花せずとも花びらの色が見えるつぼみ状態でも美しいものがあります。

春の無色彩の世界に黄色の世界が拡がってくる
完全な開花には至っていなかった

そして後日の福寿草。
まだ完全開花とは至っていなかったが、観音開きのような徐々に広がりつつも丸さを帯びているこの状態もこれはこれで美しい。

ラベンダー花壇たちもだいぶ顔を出しはじめたようだ

春にしてはまだまだ気が早かったかな?といった春の植物の観察のようすでした!


若い人がどんどん減る地元【三笠市】もついに人口7000人台目前。 朝カフェやイベントスペースを兼ねたラベンダー園で今いる住民を楽しませ、雇用も生み出したい。そして「住みよい」を発信し移住者を増やして賑やかさを。そんな支援を募っています。 畑の取得、オイル蒸留器などに充てます。