見出し画像

【蒸留日記 vol.121】イングリッシュラベンダー 'トルー'の蒸留。

本記事で解説するイングリッシュラベンダー 'トルー'の蒸留日は7/28です。

2024年L. angustifolia ’True'の蒸留実施日

■Introduction -about cv. 'True'

淡い紫色のラベンダー品種
比較的長めでボリューム感じる花穂

かなり品種情報が少ないラベンダー品種です。
日本の園芸市場では広く流通している品種なのですが、海外のナーサリーカタログでは'True'(トルー)という品種を見たことがありません。

▶︎「トルー」の意味

トルー/トゥルー:Trueを和訳すると「真実の」「本当の」といった意味になりますが、、、
フランスに場所を変えると、コモンラベンダー/Lavandula angustifoliaのことをLavande Vraie/ラヴァンド・ヴレと呼びます。(ヒロハはアスピック、ラバンジンはラバンダン)
このヴレ/Vraieという単語こそ英語のTrueと同義の言葉であり、同じ意味をもちます。

True,Vraieは
ヒロハ/L. latifoliaやストエカス/Stoechasのように系統種コモンラベンダー/Lavandula angustifoliaを表す言葉であり、したがって品種名ではないのです。(あるいはコモンラベンダーの典型種という意味か?)

といったことから、日本で流通している品種'トルー'は品種名が付けられていなかったいずれかの英国生まれラベンダーなのではないか?という推論が立っています。
英語のTrueが充てられているので仮で英国品種、ということにしています。
Vraieだったらもれなくフランス産品種ということになっていたのでしょう。

▶︎品種'トルー'の外見特徴

全体的には淡い色系ラベンダー品種のトルー

さて、品種'トルー'は英国品種であると仮定のもと話を進めますが、英国品種の割には中咲きと思われる性質を持っています。
多くの英国品種は早咲き傾向があるのですが、トルーは7月の半ばに開花を迎えるようなのです。

株サイズは中柄で、比較的長めな花茎をつけ、中〜大柄に育つ品種となっています。

ガク・つぼみ部分の色は白に近い薄紫
淡い青紫色の花びらをつける

花穂の色自体は白っぽいかなり淡めの紫。
当初1株だけの栽培だったのですがどうも怪しく3株買い足したのですが結局同じ性状でした。トルーは薄色ラベンダーのようなのです。

7月半ばになり開花期が来ると明るい紫色の花を咲かせ、紫色のベールを被ったように一気に株全体の色彩が一変します。
この花色はNZ品種のブルーマウンテンや日本品種の2号はなもいわに似た印象を持ちます。

■Materials&Methods

収穫前のトルー花壇のようす。先代の1株だけ弱り気味です。
奥の花色が濃い子はラバンジン(品種不明)です。

トルーは4株だけなので15分ほどでサクサクっと収穫作業は完了します。

容器重量851gを引いてトルーラベンダー380グラムでの蒸留になります。

■Results

1.収油率 - EO Yield

抽出量[ 3mL ]÷ 素材重量[ 380g]x 100 = 0.789%

2024/07/28開花末期 英国品種'True'蒸留の収油率

英国品種っぽい収油率に落ち着きましたね。

2.香りとか - EO Scent


〜関連記事リンク〜

若い人がどんどん減る地元【三笠市】もついに人口7000人台目前。 朝カフェやイベントスペースを兼ねたラベンダー園で今いる住民を楽しませ、雇用も生み出したい。そして「住みよい」を発信し移住者を増やして賑やかさを。そんな支援を募っています。 畑の取得、オイル蒸留器などに充てます。