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【蒸留日記vol.17-1】キタゴヨウの松ぼっくりだけを蒸留する!
んちゃんちゃ!
ストローブマツの松ぼっくりから大量に精油が採れる!ということで味をしめたおいらは、行く先々の公園に植えられてるマツの木の下を物色!
そしてみっけた!!
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大量の松ぼっくりを落としている松の木を!
(この時点ではなんの松なのかわかってない)
都会の公園では地面が見えてくる4月には、公園の管理さんが折れ枝や松ぼっくりをすべて片付けてしまうので、狙い目といえば今しかない!
ゴミも減るし、いいよね?ってことで。。。
ということでありったけの松ぼっくりを拾い集める。。。
![](https://assets.st-note.com/img/1648023339105-0VlBIgB4pA.jpg?width=800)
雪の上で目に見えているだけの松ぼっくりはすべて収集完了!
すべて松ぼっくりを持ち去ってしまうのは自然教育者としてなんかひっかかるので、小学生とか幼児教育の親御さんのために、蒸留が終わったら元の場所に戻そうと思ってますbb
工作とかで使うもんね、手について煩わしいヤニだけキレイにしといてあげたよ!的な(笑)
実はこの拾った松ぼっくり、アカマツかクロマツのどっちかだろ〜〜と思ってたけど、ふと浮かんだ松ぼっくりの"見慣れなさ"に納得がいかず、一晩かけて調べ物をした。
するとキタゴヨウなんじゃね?というところまでたどり着いたのである。。。
■キタゴヨウ(Pinus parviflora var. pentaphylla)のざっくりとしたプロフィール!
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キタゴヨウ(Pinus parviflora var. pentaphylla)は、まったく名前が違うけど九州メインに生えているヒメコマツ(Pinus parviflora)の寒い地域に適応した変種とされている。
なので学名に「var. pentaphylla」がつき、表記名が長い。悪しからず…
キタゴヨウを詳しく調べるまでは、チョウセンゴヨウマツとか日本独自のゴヨウマツというイメージだったんだけど、どうやら仲間がいて、さらにその子分らしい。。。
めんどくさいのが、東北や道南あたりでまた別種のハッコウダゴヨウマツ(P. x hakkodensis Makino)というのもいる。
これは地を這うように低く育つハイマツ(Pinus pumila)と本記事のキタゴヨウ(Pinus parviflora var. pentaphylla)が交雑したもので、ハイマツがまっすぐ上に伸びたような特徴を持つよ。
確か道南のアポイ岳にいたなぁ。。。
西日本や九州の基変種であるヒメコマツは名前の通り「小」がつくので、松ぼっくりはキタゴヨウに比べて小さいそうだ。
-キタゴヨウマツは松かさをたくさん落とす-
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らしいですよ!
なのでこの木が何か大きいダメージを受けたとか病気で死にかけというわけではないらしく、松ぼっくりをたくさん落とすのはちゃんとしたキタゴヨウの性質らしい!
※樹木は枝が折れたり樹皮が剥がされる大きなダメージを負うと、成長方式が生殖繁殖に切り替わり、種子や果実をたくさんつけるようになる。
■蒸留してみる!
![](https://assets.st-note.com/img/1648034754457-F3ZBrbCfCT.jpg?width=800)
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キタゴヨウ(Pinus parviflora var. pentaphylla)は松ぼっくりがたくさん採れるうえに松ヤニもたくさんこびりついているので、ストローブマツみたいにたくさん精油が採れるだろう!と踏んだ!
タダでさえ大型の蒸留釜なのだけれど、そのサイズと見比べてみて採れた松ぼっくりの物量がわかるだろうか・・・蒸留2回は確定である。
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ストローブマツのときは細長い松ぼっくりだったんですけど、キタゴヨウはコロコロとした卵形をしてますね〜
釜に詰め込めるだけ詰め込み、いざ蒸留開始です。
-芳香蒸留水の香り -
キタゴヨウマツの松ぼっくりオンリーの芳香蒸留水は、マツ系のなかでも特に酸っぱい香りが強いと思う。
カンフェンとかのスースー感というより、明らかに酸っぱい系。
青っぽさが強いからかな?
■どれだけ精油が採れた?
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蒸留直後のようす。
オイルの溜まる手応えから、なんか嫌な予感がする。(溜まりが遅い)
ストローブマツの松かさ蒸留とは明らかに違う感じ。
不運にも予想は的中し、、、
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ありゃりゃキタゴヨウもそんなにオイルが採れなかった。。。
コウヤマキの残念な思いをした後にやったのだけど、期待に反してキタゴヨウも同じハメになってしまった。
そして、かなり色の濃い精油が採れた。
スギ冬葉を蒸留したときと同じくらい色が黄色い精油に感じる。
ということは、香りそこまで強くないが、セスキテルペン(C15)メインの精油ということなのだろうか!?
-香りの特徴は?-
芳香蒸留水はマツのなかでも酸っぱさが目立つ香りだった。
しかし水と油それぞれに溶け込んでいる香り成分がかなり違うためか精油はスースー感がかなり強いアロマだった!
指のはらに薄くまぶしてしばらく経ってから嗅ぐってみると、香りスースーさは消え、意外にも芳醇で上品な、ヒバに近い香りがした。
時間をおくと良い香りに変化するのかも!
品質は間違いなくミドルノートに分類されるエッセンシャルオイルだと思う。
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蒸留が終わった後にこれまたストローブマツとの違いに気づいたんですが、キタゴヨウマツの松ぼっくりは蒸気で数時間蒸されても開いたカサがピタッと閉じないんですよね。
この点ほへぇ〜〜〜と思ったポイントでっすbb
ストローブマツやアカエゾマツの松ぼっくりなんかは水に濡れるとしっかり開いたカサを閉じるんです。
■総評!&キタゴヨウには変わった成分が含まれている…?
同じマツ科マツ属のストローブマツから大量にオイル採れた経験から、同様にキタゴヨウの松ぼっくりからもたくさん採れると思ったんだけど、ぜんぜんそんなことはなかった。
同じマツ科マツ属でもここまで差が出るんだね、勉強なった!
これはこれでマツの特性やギモンを学べるいいきっかけに!
そして、論文ソースでは未確認ながらキタゴヨウとヒメコマツの精油には、ネロリやイランイランで有名なネロリドール(Nerolidol)がmax20%ほどと高数値で含まれているらしく、アロマオイルとして効果がかなり期待できそう感!
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