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【士業】相手の話が日本語として理解できるが通じないことがある件

相手の話が日本語として理解できるが通じないことがある件、について書こうかなと思います。
経営者全般の話かもしれませんが、今回は、士業※に限ったお話です。
士業の界隈にいて、時折、この感覚に出くわすシーンがあるので、書いてみようかなと思いました。

※弁護士、司法書士、税理士、社会保険労務士(社労士)、行政書士、弁理士、土地家屋調査士、海事代理士

目の前に二人の士業がいるとします。
同じ士業だとしましょう。
一人は個人事業で、スタッフがいないか一人程度雇用しています。
もう一人は法人化していて十人程度、雇用して事務所をやっています。

この二人が、事務所のこと、業務のこと、業界のことを話す際、相手の話が日本語として理解できるが通じないシーンがあります。
AIで生成してみた絵 ↓↓

この二人は日本語を話し、お互い、日本語はわかります。
でも話の内容は、お互い、ピンとこない。


事務所には「ステージ」があります。
私が勝手に分類しているステージですが
・職人
・親方
・社長
・事業家

の4つです。

それぞれの規模感はこんな感じです。
・職人 → 代表一人
・親方 → 代表+時間給スタッフ1~2名
・社長 → 代表+フルタイムスタッフ1名+時間給〃2名~
・事業家 → 代表+役員1名~+フルタイムスタッフ2名~+時間給〃4名~ ※以降、どんなに人数が増えても事業家の分類。

※そんなのすぐ事業家じゃんと思うかもしれませんけども、士業全般では、この分類が個人的にはしっくりくるかなと。

そして、ステージごとに代表者の役割が変わってゆきます。
・職人 → 実務
・親方 → 実務・マネジメント
・社長 → 実務・マネジメント・経営
・事業家 → マネジメント・経営

※事業家ステージでも、実務感を忘れないために、たまに案件担当する代表さんはおられます。
※事業家ステージでは、最初はマネジメントを行いますが、人数が増えるにつれ、または、時間が経つにつれ経営業務だけに特化してゆくことが多いかなと思います。

この4つのステージは、どれが良くて、どれが悪い、優劣の問題ではありません。歩きたい人生や向き不向きが主に関係してきます。

なお、ステージを上がるほうがいいのに、日々の慣れ親しんだ生活を優先して、今のステージにとどまるケースはあります。これは、コンフォートゾーン、ラーニングゾーン、パニックゾーンの話になります。これは趣旨がずれるので別の機会に。。


話を戻します。
「相手の話が日本語として理解できるが通じないことがある」について。
事務所のこと、業務のこと、業界のことを話す際。

職人と事業家は、ほぼ話が通じない。
職人と親方も、話が通じないことが多い。
親方と社長も、話が通じないことがある。
つまり、ステージが違うと話が通じない、もしくは通じにくくなる。

これですね。(AI生成画像)

ステージが数個違うともちろんのこと、一つ違うだけで話が通じないことがあります。

これは、今いるステージで、興味がある情報、抱える悩みが違うからですね。当たり前といえば当たり前です。(社長、事業家ステージの方が同業の集まりに行ったら感じること多いのでは?)

その場は円満に過ごすことはできますが、同じような場には、段々と行かなくなる。
結果、上のステージの先生(親方以上)が、職人の先生が集まった場には行かないようになるのかなと思います。

しつこいですが、ステージの差は、良い悪いではないですから悪しからず。
職人ステージが自分に合っていて稼ぐ人いるし、職人いやだ、事業家ステージがいいということでやっている人もいますからね。
人生観と向き不向きによるところ、大です。


私自身は、職人、親方、社長、事業家のすべてを経験しました。
事業家ステージでは、地場の広島県内で、一時期、最大規模の行政書士法人を経営しておりました。※規模としては全国的な士業法人の先生に比べれば小さいのですが。

今は、その法人は社員が事業承継してくれましたので、また一人で開業した、という段階です。

一通り経験して個人に戻ったからなのか、話が通じないというのを「俯瞰(ふかん)するような感覚」で眺めることがあります。
どのステージの気持ちもわかるつもりです。

実は、一つステージを進んだ方(例えば 職人→親方)が、一つ前のステージにいる方と話が合うか?というとそうでもないです。前に経験したことなので、まだわかるはずですよね。でも、通じないことがある。二人が話しても、しっくりこない。

どうしてだろう?と考えてみると、自分の記憶では、気持ちのどこかで「戻りたくない」「戻ってしまう状況になりたくない」という感情が、なんとなく、一つ前のステージの話をシャットダウンしてしまうのではないか、と思います。気持ち的にシャットダウンしてしまっているので、右の耳から左の耳へ流れてゆく感じでしょうか。

もしくは、ステージを一つ上がると、設備や人員への投資を行っているはずで、かつ、代表自身の役割も変化している状態なため、理解が難しくなるのではないかと思います。

では誰と話したいか?
ですが、それは、自分と同じステージまたは、上のステージの方です。
話したくて仕方ない。
あの「話したい欲求」、何なのでしょうね。
知識欲の親戚なのでしょうが、猛烈な欲求です。


ここで、避けられない壁が出てきます。
特に地方ではあるあるなのですが、ステージが上であればあるほど、自分と同じステージまたは、上のステージの方が少なくなるので、話す人がいなくなります
地方では話をしたい人がいなくなるので、大都市圏(特に首都圏)に出かけることになります。

私も昔、同じ状況に陥り、暗中模索ぶりが半端なかったです。事務所の方向性について考える、日々の決断を行う、などあらゆるシーンで暗中模索状態でした。いろいろとでかけては情報交換していました。

余談)それで私は、知己の行政書士法人の代表さんとお話して、共同発起人の一人として、全国行政書士法人会、という団体の設立に参画させてもらいました。今では、全国 津津浦浦、行政書士法人60社以上の法人さんが参加する団体となっています。(2023/12時点)
私は個人事業主に戻ったので会員ではありません。事務局として関わらせていただいています。
ご興味あれば当該団体ウェブサイトがありますので、ご覧ください。


「ステージが上であればあるほど、自分と同じステージまたは、上のステージの方が少なくなるので、話す人がいなくなる」という壁をどう越えるか?

難しい問題です。
壁の越え方はいくつかあります。どれを選ぶかも人それぞれです。
例えば、ということで書いてみます。

・同業の同規模もしくは上の規模の代表さんと情報交流する。
・異士業の同ステージ(と思われる)代表さんと情報交流する。
・異業種の同ステージ(と思われる)代表さんと情報交流する。
・経営、マネジメントの本を読みまくる。(動画も観まくる)

中には
・同業の同規模もしくは上の規模の事務所さんの机を1週間~数週間、お借りして、事務所運営の現場を観察させてもらう。
という方法もあります。

この他にも方法としては、ありそうですね。


ということで、「相手の話が日本語として理解できるが通じないことがある件」、終わりたいと思います。

当たり前に感じる方とそうでない方、おられると思います。
それもステージの違いによるものですね。

崎田 和伸

昼ごはんはカツ丼とうどんセットでした。うまかった。


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