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響くときに打て

「弟子の用意が整うとグル(師)が現れる」
というヒンドゥー教の諺がある。

弟子側の準備が整わないと、いくら先生が良い事を言っても何も響かない。
先生は何も押し付けることはできない。

自分自身も部下の立場だった時に上司がいつも絶妙なタイミグで言ってくれていたし、自分が上司になった時に部下に対していうタイミングを間違えて「今更何を言うんだ」という顔をされた記憶がある。
タイミングを図って言えば、素直な人なら聞き入れて軌道修正ができる。

ではタイミングを図るためにグルは何をするのか?

弟子をよーく観察する。
自分の課題に気づかずミスを繰り返しているのか。
課題に気づいて、どうしたものかと立ち止まっているのか。
克服への道を進んでいるのか。(もしくはやる気をなくしているのか。)
どんな状況に弟子がいるのかを見極めて、タイミングをうかがっている。
それぞれのタイミングで響く言葉も変わってくるので、グルは弟子の状況から判断してスーっと現れて適切な言葉を投げかけるのだ。
これがうまいグルは本当にカッコイイ。


グル的には経験から既に答えを持っているのですぐに答えを言いたくなってしまうが、それでは弟子の成長を妨害してしまうことになる。

緊急を要するタイミングでなければ
できるだけ答えをズバッと言わないで、問いを投げる。考えさせる。
こうしてやんわり克服の道へと導いていく。
まるで弟子が自らの力で課題を克服していくかのような感覚になる。
義理堅い弟子であれば、グルの問いによるものだと気づく。


人を育てるって本当に大変だな。

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