ヴィンテージな自分の価値を認める
海外の雑誌やスナップで見ては「こんなふうに年齢を重ねたい」と憧れた、成熟した女性像がある。
流行に左右されない、たとえば綿や麻のくたっとした白いシャツにベージュのパンツを、ゆるんだ肌の質感や身体の線にそっと沿わせてさらりと。お化粧っ気は感じさせず、ただ赤い口紅が顔に生命力を与え、きりっと引き締めている。ヘアスタイルも作り込まずふわりと自然に。
あるとき、ヨーロッパのアンティークの椅子を見ていて思った。
小さな傷がたくさんあるけれど、触られ続けて角が取れ、艶が出た無垢の木の表