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【絵本】「ねずみのかいすいよく」 作 山下明夫 絵 いわむらかずお

「かえりの でんしゃで、おかあさんがいいました。「また みんなで、かいすいよくに きましょうね。」



「ねずみのかいすいよく」 作 山下明夫 絵 いわむらかずお



7つ子のねずみは、ちゅうがっこうに通っています。(ねずみだけにね ♪)


あしたから、ちゅうがっこうは、お休み 夏休みです!


ねずみのお父さんは
「海に行こう!」と提案します。


「ぼく、クロールで およげるよ。」
「ぼくは、かえるおよぎが できるよ」
「わたしは、サーフィンを しようっと。」
「わたしは すいじょうスキー。」
「ぼくは さかなつり。」
「わたしは いぬかきおよぎ。」
「ぼく、ねずみおよぎ。」


お父さんは、大喜びの子どもたち
をみて、迷子になったり、けがを
しないか、だんだん心配になって
きました。


そして


7つの浮き輪をつくり、
そのひとつひとつに
長いひもをつけたのです。


準備万端!


ぴかぴかびよりの あさが きました。


海水浴場は、超満員。


これでは、迷子になっても仕方がない状況です。


7つ子たちは、崖の下に小さな
〝いりえ〟を見つけました。


お父さんも、ここはみはり台に
ちょうどいいと思いました。


7つ子たちは、泳ぎに、釣りに、
サーフィンに、それぞれ楽しんでいます。


おとうさんが ついているから、だいじょうぶ。


「一休みして、お弁当にしましょう」
とお母さんが砂浜からみんなを呼びました。


おかあさんが つくってくれた 
さんかくおにぎりのおいしい こと。


お弁当を食べたあと、
お父さんは波打ち際の
大きい岩の上でお昼寝タイム。


とても気持ちよく眠っています。


子どもたちも、レジャージートの上でお昼寝。


すると


眠っているあいだに潮が満ちてきて
お父さんは岩の上に取り残されて
しまいます。


「あ、たいへん。おとうさんが 
しまながしに なっちゃった!」


みんなが、お父さんを呼びましたが
なんだか様子が変。


「よわったな。もう あしが とどかない。
おとうさん、ほんとは およげないんだ。」


あら あら 大変なことになってしまいました。


いつも、頼りがいのある
お父さんが大ピンチです。


子どもたちは、真剣に考えます。


そして


みんなで協力して、7つの浮き輪を
ひもでつなぎ、一匹がクロールで
沖まで泳いでいきました。


お父さんのところまで辿り着くと、
浮き輪にお父さんを乗せて、
砂浜のお母さんと、子どもたちが、
ひもをひっぱり、いっせいに
たぐりよせました。


「ばんざーい、おとうさん よかったね!」


頼りになるお父さんにも、
弱点があること。


そのことを、子どもたちは
わかったのです。


そんなときに


子どもたちが協力して
知恵を出し、考え、
危機を乗り切りました。


かえりの でんしゃで、おかあさんがいいました。
「また みんなで、かいすいよくに きましょうね。」


子どもの成長を見ると
嬉しくなってきますよね。


僕もそんなことを
自分の子どもたちを
見てよく感じます。


自分よりもしっかりしてきたし
頼ることも多くなってきました。


幼いときの子どもたちにとって
お父さんはなんでもできる
すごい人だと思っていたでしょう。


でも


弱点がたくさんある人間なんですよね。



【出典】

「ねずみのかいすいよく」 作 山下明夫 絵 いわむらかずお ひさかたチャイルド


いつも読んでいただきまして、ありがとうございます。それだけで十分ありがたいです。