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りんごのかじりかた

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りんごは齧り方によっては芯も種も丸々そのまま食べれます。 りんごを齧るとは、実はりんごを齧る以上の行為なのです。 そしてそれは私たちの自尊心すら回復させます。 落ち込んだとき、う…
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#硬さ

りんごのかじりかた①〜長野県民より愛を込めて〜

りんごのかじりかた①〜長野県民より愛を込めて〜

実はりんごのかじり方一つとっても、一人の人間の尊厳を保つほどの力がある。長野県民としてそのかじりかたを書いておく。だけどまずは、そのかじるものがりんごである、ということの意義を考えておきたい。どうかじるか、の前に、なにをかじるか、である。

ひとつは、りんごほどシンボリックな果実がないだろうからだ。古くは旧約聖書のアダムとエバが食べた禁断の実。あれも別にどこにもりんごという表記がないのに、いつの間

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りんごのかじりかた④〜りんごは己の歯の鋳型〜

りんごのかじりかた④〜りんごは己の歯の鋳型〜

結論からいえば、ケツから齧る。言い方が汚いので、お尻の方から齧る。すると意外とすんなりと芯も含めて食べていける。りんごを丸ごといただくには、下から食べるのだ。ほら、なんだか随分、自分に野性味を感じないだろうか?いままさに生命をひとのみにせんとする、生き物としての己の内なる凶暴性や背徳感が、なんとなく湧き上がらないだろうか。それで正解だ。

この時に大事なのは、齧った痕、すなわち自分の歯型がみえる、

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