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春の下北沢からのお知らせ


電車に乗りながら文章を書いていると電車みたいな文章になってしまいます。

下北沢へは、2019年冬から2021冬にかけて最もよく足を運んでいて、その目的の大半はとりあえず喫茶店に入ることだったり服を選んで着てみることだったりしました。どこの路地だったかは忘れてしまったのですが、マイナーな野菜がこれでもかと放り込まれたカレーを提供してくれるちょうどよい個人経営のお店があったような気がします。とにかくその時期はたびたび京王線に乗っていて、下北沢が特別好きというわけではないのだけれど、カメラロールに収められた写真の多くは下北沢と隣駅を結ぶ閑静な住宅街の、名も知らぬ薄暗い路地を歩いている時のものなのでした。

それから住まいが真鶴に移り、以前と比べて縁遠くなってしまった下北沢ですが、このたびなんと下北沢で小さな個展を開くことになりました。下北沢と世田谷代田を結ぶ通りに面した本屋B&Bさんという場所で、4/2から4/30までやっています。僕がこれまで個人的に制作したいくつかの本と、イラストレーションの描き下ろし作品などを展示します。

本屋B&Bさんは、昨年11月に刊行した小説『いっせいになにかがはじまる予感だけがする』をいち早く取り扱ってくださったお店の一つで、そのご縁から担当の方が活動に興味を持ってくださり、声をかけていただきました。店舗のある沿道は再開発が進み、可愛らしい文化施設が建ち並ぶモダンな通りになりつつあります。これからますます色々な人が訪れるのだろうなという予感の漂うエリアなのです。

そんなわけで、だんだんと暖かくなっている4月の陽気に、下北沢へお越しの際はぜひ本屋B&Bさんへ遊びに来てください。僕の展示はお店の一角をお借りしてやっていますが、展示の有無を抜きにしても楽しめる、空気の良い本屋さんです。僕が個人的に勧めてみたい楽しみ方は、買いたい本を特に決めずにお店に入り、時計回りに店内をゆっくり1周して、忘れられない一冊を選ぶことです。「自分が買いたい本は、なんとなく光ってみえる」と又吉さんも言っていたような気がします。近隣にある気持ちの良い道や、花やコーヒーのお店と一緒に、散歩を楽しむような気分で立ち寄っていただけたらうれしいです。

僕自身としては、このように一人でやるブックフェア/展示はほとんど経験がないので、どのような形になるのか緊張しながらも、楽しみでいます。展示のはじまりに合わせて、新作のアートブックもつくってみました。どれも在庫がたくさんあるわけではないのでなくなってしまった場合は申し訳ないのですが、ポストカードなどの小物も置いているので、気になったものがあれば持って帰っていただけたらと思います。

今年は告知をする以外にも、もっとnoteを更新できたらと思いますが、どうなるかはわかりません。ただ文章を書くことについては、これまで以上に一生懸命取り組んでいくシーズンになりそうです。暖かくて、もうすぐ夏になってしまいそうですね。どうぞよろしくお願いします。

2024.04.02


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(以下、本屋B&Bさんwebサイトより)
https://bookandbeer.com/news/tenp/

昨年末に刊行された書籍『いっせいになにかがはじまる予感だけがする』。詩人・のもとしゅうへいさんによる初の小説作品で、著者自身で執筆から装幀までを手がけた一冊です。

B&Bでも話題の同書籍をきっかけにしつつ、それだけにとどまらないのもとさんの活動やその世界に触れるものとして、この度本屋B&Bにて、のもとしゅうへい個展「生活の点P」を開催いたします。

⁡「生活を、旅するように移動する」をテーマに、
のもとさんによる、文筆作品、イラストレーション、漫画、グラフィックデザインなど多岐に及ぶジャンルで表現された作品群が並びます。どうぞお楽しみに。

【Infomaition】
のもとしゅうへい個展「生活の点P」
会期:4/2(火)~4/30(火)
場所:本屋B&B店頭
営業時間:12:00-18:00
※イベント開催の都合で日々変動がございますので、詳しい営業日程はこちらからご確認ください。

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