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本当に会いたかったら


昨日、晴天で風の気持ちいい京都を妹と散歩した後、突然琵琶湖の周りを歩きたくなって「ねぇ、大津行こ!」と言って、驚いた表情で京都の改札で車椅子をひるがえす彼女を連れて急遽滋賀へと向かった☺︎

いつも急に行きたくなり、年に数回必ず訪れている場所。一人でふらっと訪れることが多い。

紅葉の時期も、春先も、まだ寒い冬の時期も。ただぐるりと湖の周りを歩くだけ歩いて帰るみたいな感じのことをよくやる。

大津駅の改札を出て間も無く、最近滋賀県に転勤したゆめちゃんのLINEを開く。GWだし帰省してるかな、なんて思いつつ駅前の写真をシュポッと送る。

ゆめちゃんはどんな連休を過ごしているかな、大津にきたよ、というような内容で。



そうして、琵琶湖に向かって一直線。

妹が、自慢のベンツ(近距離モビリティ|次世代型電動車椅子 WHILL) で心地良い風を切る様子がいとおしくて、何度も写真を撮った。

猛烈になんとなく、忘れたくない、と思った。


琵琶湖まで後少し
WHILLが映えるロケーション
本当にいい天気、いい雰囲気
妹を湖のほとりまで連れて
歩き疲れて休憩
向こうに見える大きな船
いつか乗りたいねと話した



それで15時過ぎ、気づけばご飯を食べてない事に気がつき、近くのレストランに入る。

彼女も私もゆっくり時間をかけて選んだメニューがやっとテーブルに置かれた頃、LINEが届く。

ゆめちゃんだった。

【今日は仕事なんだけど、大津駅から会社ちかいんだ!何時ごろまでいる?】

今ご飯来たばっかり、と返事した。

すると驚くべきことに彼女の会社は、大津駅からゆるやかな坂を下って突き当たりの琵琶湖沿いをグーっと少し歩いた先にある私たちがいるレストランのすぐそこにあったのだ。

そうしてそれからなんと10分もしないうちに、満面の笑みで彼女は店に入ってきた。

『ねぇこれって運命だよ!はるちゃんなんでここにいるの!』

彼女はそう言いながら、大きな目をまんまるにしながら隣に腰掛ける。

会いたいって本気で思っていれば、会えるようにできてるんだと思った。


大学生の頃からゆめちゃんは、私の妹に会いたいと言ってくれていて、なんの前触れもなくそれは実現した。ずっと会いたかった、とゆめちゃんはぐいぐいと迫るように私の妹に伝えてくれて、それに素直に圧倒されながらゲラゲラ笑う妹の二人を眺めることができて嬉しかった。

『7、8年越しに叶ったよ!』

とゆめちゃんは感激した様子だった。

ゆめちゃんは後にも先にもいないソウルメイトのようなもので、見た目も私と姉妹に見られるほど似ていて、唯一、何時間でもそばにいられる人。おいらがおいらのままでいられる人。

こういう存在は、言葉じゃうまく説明できない。新卒だった彼女の最初の配属地は何故か岩手県で、私の故郷を毎日のように行ったり来たりしていたから、あの時期は会うたび二人して本当に不思議なもんだねと言い合った。47都道府県あるのにどうしてこんなことが起こるんだろう、なんて言いながら☺︎


嵐のように来て、お話をして、目に見えないたくさんのエネルギーを私たちのもとに置いて、『じゃ、そろそろ戻ろうかな!』と言って、ずいぶんと重たそうな鞄をガッと担いだゆめちゃんは店を去っていく。


さみしくて、いつまでも手を振り合って、また寂しくて、お店のブラインドをかき分けて外を見ると、こちらをぽけっとした表情で見上げているゆめちゃんが立っていた。私と目が合うとまた笑って、また手を振り合った。



心から愛おしい気持ちになって、余計に寂しい。毎度毎度こんな気持ちになる。


こないだ阿佐ヶ谷に『キリエのうた』リバイバル上映を観に行ったとき、ゆめちゃんと一緒に行った阿佐ヶ谷駅徒歩5分くらいの定食屋さんを一人で訪れた。

ご飯の写真と共に、“ひとりで来たよ、こいしくなった、いつも会いたい”というような感じで連絡した。

“一緒に行ったとこだね、嬉しい思い出してくれて。私もいつも会いたい、そろそろ会いたいなぁっていつも思う”と返ってきた。

その5日後、なんの約束も無しに私たちは会えた。滋賀県で。

こんなに不思議で幸せなことっていつも信じられないのだけれど、意外といつも起こってしまう。

だからその度、毎瞬間の心持ちってとても大事で、その一つひとつは漏れなく自分自身のもとに返ってくるんだろうなとしみじみ思う。

私も妹もふわっとした気分で大津を後にし、暗がりの京都へ帰った。本当にいい一日だった。


…そんなことを書き綴っていると、たった今、ごんぴんからオリジナルソングの歌詞が届いた☺︎

どんなかな。

今日は暖かくて、東京に戻ってから4回も洗濯物を干して、衣替えをした。その合間、春夏で歌いたい曲をたくさん聴いて、今月のエレクトーン教室で弾きたい楽曲の譜面を眺めたりして過ごした。

不思議だけど幸せでありがたい出来事に遭遇しながら毎日を穏やかに暮らしていると、きっと私は早く死ぬんだろうな、と、ふと感じる瞬間がある。

それは特にここ数年、全ての恨みつらみ、憎しみが溶けて無くなったあたりからそんなようなことを思う瞬間が増えたような気がしている。

いま死んだら悔しいけど、悔いはない

そんな具合い☺︎

それじゃあこれからごんぴんが描いてくれた歌詞、読みに行ってくる。

また明日。

本日の執筆BGM : 玉置浩二“しあわせのランプ”

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