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合気道で“突き“を練習する理由

合気道の技をする時に私が重要だと思うのは

“いかに相手にエネルギーを伝えるのか“

ということ。

合気道の技を見ると、

・相手の腕を掴み崩す技(一ヶ条〜四ヶ条、四方投げ、小手返し、肘絞め)
・直接体幹を崩す技(入身投げ)
・掴まれた腕を利用して投げる技(天地投げ)

に分かれます。

こう見ると相手の腕を掴んで投げる技の比率が多いですね。

武器を持った相手と対峙することを前提としているからでしょう。

武器を持った手が自由な状態で組技などをしたら刺されるので、武器を持った手の動きをコントロールしながら制圧する技術が発展した、と考えています。

後の二つは、相手が剣を抜かせないようにこちらの腕を掴んできた時に使う技ではないでしょうか。

つまり合気道は“相手の腕を掴み崩す技”の比重が重めだということ。

“相手の腕を掴み崩す技“を正確に言い直せば

『相手の腕の肘から先を掴み、そこから相手の体幹部へエネルギーを流すことで相手をコンロトールする技』

と私は考えています。

なので冒頭で話した

“いかに相手にエネルギーを伝えるのか“

が重要になってくるのです。

それがまた結構難しい。

例えば手首周辺のツボを押して激痛を与えて制圧する四ヶ条という技でも

ツボを通して相手の肘・肩へエネルギーを通すことで相手の体をコントロールできます。

この“エネルギーを通す感覚”をどうやってそれを身につけるのか。

そこで私が取り入れている練習方法の一つが

『突き』

突きは突きでも、衝撃を貫通させる脱力による突きです。

この脱力による突きを身につけることで、エネルギーを相手の体に通す感覚を養います。

最初は表面を殴るだけだったり、力みすぎてエネルギーが貫通しないのですが、エネルギーを通す感覚を身につけるとその差は一目瞭然と驚く人もいます。

その“エネルギーを通す感覚“を合気道の技に転用します。

掴んだ相手の腕から体幹部へエネルギーを通していくのです。

最初は一ヶ条で試すとわかりやすいですね。

うまく技が決まらない時はエネルギーが相手の体幹部まで伝わっていないことがほとんど。

そこで「技が決まらない!」ともっと関節を極めようとすると大きな怪我に繋がります。

私もよくそれで手首を壊されました。

実際、合気道における関節を極める理由はこちらで話しています。

なので私は稽古に『突き』を含めるようにしています。

欠点としては殴られる人が必要だということ。

衝撃が通っているか・いないかを言ってくれる人が必要だから。

そして殴られ役は私がすることが多い。

なので早く感覚を掴んでもらおうといつも必死です。

ではでは。

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