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浮腫に対する理学療法の考え方

浮腫に対する理学療法の考え方

浮腫とは、

毛細血管領域での水分移動の不均衡や間質液の回収を担うリンパ管の機能異常に起因する局所性浮腫と

心臓、腎臓、内分泌機能異常に起因する全身性浮腫に分けられる。

定義としては、組織間隙に生理的な代償能力を越えて過剰な水分の貯留した状態。

一般的治療には、患肢の挙上、筋収縮運動による筋ポンプ作用の促進、マッサージ等によるドレナージ手技など、対症療法的に浮腫の除去を行うことが中心となって

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透析の食事  大切なポイント

透析治療者の食事 大切なポイント

1.食塩を控える

透析患者に限らず、腎不全患者は何よりもまず、塩分の制限が大事。

腎臓を守るだけでなく、心臓、脳、血管などの合併症も防げる。

2.エネルギーを十分に摂ること

エネルギーの元となる食品を十分に摂り、エネルギーが不足しないようにする。

エネルギーが不足すると、体の中のたんぱく質が代わりに壊されて、筋肉量が減ってしまう。炭水化物や揚げ物でエネ

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摂食・嚥下について知っておこう

摂食・嚥下について知っておこう

摂食・嚥下の仕組み

①先行期

何をどのくらい食べるかを判断する

起こりやすい問題

・むさぼるように食べる

・急いで液体を飲む

・いつまでも飲食物を口の中に貯めている

・一度に多量の飲食物をとる

・むせながらも食べ続ける



声掛け

食器の工夫(すくう部分が小さいスプーンなど)

むせたら一度食事を中止し、落ち着いたら再開

②準備期

食物を取り込み、咀嚼して飲み込みやすい塊

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ダンピング症候群

ダンピング症候群

(胃切除後後遺症)

早期ダンピング症状

食事中あるいは食後30分以内

低血圧、腹痛、心拍数増加、発汗、嘔吐、下痢、ほてりなど

胃の食べ物を貯める貯蔵機能が低下し、急速に小腸へ移動することで

体内を循環する血流量の低下、消化管ホルモンが一気に分泌される

後期ダンピング症状

食後2~3時間後

冷感、めまい、動悸、手の震え、脱力感、空腹感など

食事で急速に糖質が吸収され、一過性の高血糖

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フレイルとは?

フレイルとは?

高齢期において生理的予備機能が低下することで脆弱化が進み、健康障害を引き起こしやすい状態。

体重減少

6ヶ月で2〜3kg以上の減少

筋力低下

握力が男26kg、女18kg未満

疲労感

わけもなく疲れたような感じがする

歩行速度低下

通常歩行速度1.0m/s未満

身体活動量低下

軽い運動や体操、スポーツをしているか

5項目中3項目以上該当でフレイル

1〜2項目でプレフレイル

腹水とは?

腹水とは?

腹腔内には通常20~50mLの液体が存在する。これより多く貯留した状態。

①漏出液が溜まるタイプ(非炎症性腹水)

・アルブミン不足:血管外に漏れ出た体液を元に戻せない

・門脈圧の上昇:リンパ液が腹腔内に漏出

・腎臓での水、ナトリウムの排出低下

原因疾患:うっ血性心不全、肝硬変、ネフローゼ症候群

②滲出液が溜まるタイプ(炎症性腹水)

・血管の透過性亢進:血管から血液成分や水分が滲出する

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