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【1分解説】エンロン事件とは?コーポレートガバナンスへの教訓

※1分間で読める600文字以内でお伝えします。

コーポレートガバナンスを学ぶ上で外せないキーワードに「エンロン事件」があります。これは、2001年に発生した全米有数の大企業による不正会計スキャンダルです。

そもそもエンロンとは?

エンロンはエネルギー事業を祖業にする全米でも有数の大企業で、インターネットなど活用し斬新なビジネスモデルを確立した超優良企業との評価を受けていました。

経営破綻直前には、同社は売上高1,110億ドルを計上していました。これは、現在のマイクロソフトとほぼ同じ売上規模です。

監査法人もグルだった?

エンロンは、不正取引により利益を水増し計上するなどいわゆる粉飾決算を行っていました。エンロン事件で問題視されたのは、次の2点です。

一つは、取締役会による監督が機能しなかったことです。エンロンの取締役会は、17名中15名が社外取締役により構成されており、ガバナンスについて高い評価を受けていました。

ところが実際には、取締役がエンロンから多額のコンサルティング報酬を受け取っていたり、子会社の役員を兼任しているケースもありました。取締役の独立性が不十分だったのです。

もう一つは、監査法人が不正に深く関与していたことです。エンロンの監査を担当していたアンダーセン会計事務所は、財務諸表の粉飾に関するコンサルティングを行い、年間1億ドルという巨額の報酬を受け取っていました。

エンロン事件を契機に、アメリカではSOX法が成立することになります。

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