個人的な「コメント返しの『敬称』作法」
どうでもいい話ですが……
Note初心者の頃、いただいたコメントに返信をする際、noterさんの名前の後にどう『敬称』を付けるべきか、と考え込みました。
名前を特定しないと、どのコメントに対する返信かわからないので、先達のみなさんは名前やニックネームなどを書き、たいてい、敬称「さん」を付けておられます。
どうも、このやり方がこの村での「フツー」のようだ、何事も「フツー」が1番、郷に入れば郷に従え ── と元来は素直な性格の私は、そのように書いて(キーボードを叩いて)みました。
(たぶん、別アカウントの『新釈ことわざ辞典』にいただいたコメントだったかな……)
>家康さん
……どうもしっくりこない。
なぜだろう……?
非常に感覚的ですが、『さん』はひらがな(もちろん、カタカナでもいいんだけど)なので、宛名の最後の文字が『ん』になる。
会話をしていて、
「家康さん」
と呼ぶ際には『ん』で終わろうが問題はない。そもそも、発音上、『さ』は確かに『Sa』だが、最後に来る『ん』はほとんど存在していない ── 『Sa』の尻にくっついた、きわめて微量の『n』にすぎない。
それに比べ、書き言葉になると、『さん』の中で『ん』は『さ』と同じだけのスペースを確保し、同じくらい威張っている。むしろ、末尾でより存在感がある。
なにしろそこでその『行』は会話では本来、あるかなしかの『ん』で締めくくられるのだ。
── おかしいだろ!
長々と書きましたが、自分がその時感じた『違和感』はそうしたものだった、と分析できます。
そこで、『さま』と書き換えてみました。
「おお、いいじゃない! 落ち着く感じ!」
例があった方がいいので、長いおつきあいで、コメントをよくいただくnoterさん(ここはいいんです。宛名でないので)の名前を例にとって書いてみます ── 感謝もこめて。
>夏木さま
>凜さま
お、いいんじゃないの!
>千世さま
うん、落ち着く。『さん』付けよりもやわらかい。
やはり、柔肌が好き ── いやいや……。
アルファベット名の方もいます。
>FouFouさま
うん、これもイケる!
しかし、問題が出てきました ── ひらがな名の方。
>ぺれぴちさま
これはイケてない!
長い文章の中でも、本来は流れに段差があるはずの漢字単語連続、ひらがな単語連続、というのは非常に読みにくい。私は推敲の際にかなりの確率で修正します。
これは、やはり、
>ぺれぴち様
うん、名と敬称にメリハリついた ── こうでなければ。
では、カタカナ名のnoterさんは?
>カニナさま
>カニナ様
どちらもいいけど、私は前者が柔らかくて好きですね。
やはり、やわは……おっとっと。
これで、村で生きていくためのマイルールを定めた新参者に、平穏な日々が訪れました。
しかし、のどかだった生活を乱す者が現れました。
名前の末尾に、既に『敬称(その変形)』を含めている無法者です:
ひらがななので、マイルール通りなら、
>まっちゃん様
これはおかしい! 重複感満載だ! では単に、
>まっちゃん
これではまるで、会話中に互いを呼び合う小学生!
うーん……壁にぶつかったが、これは神が私に与えた試練なのだ……その壁に穴をあけるのもまた人生……。
そして、ひねりだしたのが、
>まっちゃん殿
おお、いいではないか! 不思議に重複感が消えている!
これはおそらく、『殿』がもともとは『敬称』というより建物を表わしていたからかもしれない。
会社員時代、
「『殿』は目上の人には絶対に付けてはいけない。目上の人には『様』を付けるように」
と教える人もいたが、某自動車系メーカーでは、目上であろうが目下であろうが、誰にでも(それこそ、人名ではなく会社名にでも)『殿』を付けていたようだ ── きわめて合理的であーる。
そもそもnoterに目上も目下もないだろ!
従って、自分で漢字の敬称を付けている人にはこうだ!
>マー君どの
いいじゃないっスか。『君』との重複、『殿』の『漢字⇒ひらがな変換』で違和感が消えている!
……と、そこまで書いて、大きな違和感にぶちあたりました。
このヒト:
今気付いたけれど、『やん』って、『ちゃん』の同類で『敬称』的なヤツじゃないのか……?
これまで、
>かんやん様
と書いてきた大地が揺らぎ始めた。
マイルールに従うなら、
>かんやん殿
でなければいけないはず。
うーん……変更すべきか……すべきだな。
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と、ホントにどうでもいい話で失礼しました。
(……しかし、慧眼のあなたは、この駄文が実は、日本語書きモノに関わる『文字列の造形美』について、真相を抉っていることに気付かれたことでしょう……)
……なんちゃって。