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ゲームプランナー就活経験時に学んだ企画書の書き方

こんにちはShumiです。このnoteにはゲーム会社志望時の就活体験談と学びを忘れないうちに書いておこうかなと思います。何か参考になればうれしいです。

※あくまで僕の体験談で主観の部分が強いので、実際に企業が求めている企画書とはずれている可能性があります。ですので、必ずこの通りに書けば選考に通るという保証はありません。このnoteは「どっから手を付けていけばいいかわからん」みたいな人に向けたものだということをご理解いただけますと幸いです。


始めに

僕はゲームプランナー職を目指し就活をしていたのですが、その際に全ての会社で要求された提出物があります。それが…

「企画書」

です。ゲーム会社が求める企画書とは、ゲームの大まかな内容や、面白いところを簡単にまとめた資料のことを言います。

僕も就活を始めた当初は企画書の書き方なんて1ミリも知らず、とりあえず適当にネットの情報を漁って書いていました。何も意識せず作った結果、案の定、インターンや就活の序盤での選考は落ちまくってました。ただ、ある点を意識して作成するようになってから選考に通るようになりました。

ということで、今回は僕が企画書を書く際に意識したことや、実際に応募して学んだことを書いていこうと思います。

使用ソフト一覧

僕が企画書作成時に使用したソフトを上げておきます。クリスタに関しては、Photoshopなど画像を編集できれば何でもいいです。というか、パワポだけでもぶっちゃけ作れます。

  • Power Point

  • CULIP STUDIO PAINT ← 画像編集できれば何でもいい

また、僕が使用した画像の引用先は

  • Microsoft Edgeの画像検索

  • いらすとや

のみです。

ゲームを決める

ポイント1:変にひねらない

自分で新たなゲームやジャンルを生み出した方がいいのではないかと僕は最初考えていました。しかし、考えても考えても面白そうじゃないゲームしか思いつきませんでした。

自分が企画しようとしているこれまでに無いゲームもしくはジャンルが、なぜこれまでに無いのかという理由は単純で、「面白くないから」です。

僕の考えでは、ゲーム会社が求める人物像は一人二人しか面白いと思わないゲームを企画する人間ではなく、何千何万人もの多くの人を楽しませることができるゲームを企画できる人だと思っています。

ポイント2:既存のものから進化させる

「じゃあどうすればいいんだよ」となるかもしれませんが意外と簡単です。既存のものに肉付けしていけばよいだけです。ここでいう既存のものとは

  • ジャンル

  • ゲーム

  • 現実世界のゲーム

です。

最初にジャンルについて説明します。例えば「アクションRPG」があります。RPGにアクションゲームの要素をくっつけることで、新しいゲーム体験をプレイヤーに与えることができました。このように既存のジャンル同士をくっつけることで、新しく面白いゲーム作品が思い浮かぶきっかけになるかもしれません。

次はゲームについて説明します。例えば「Fortnight」です。Fortnightは「PUBG」と「マインクラフト」が合体したようなゲームです。このように既存のゲームの面白い要素をくっつけあうことでゲームが思い浮かぶかもしれません。この手法は具体的な要素をくっつけ合うので結構思い浮かびやすいと思います。

最後に現実世界のゲームを説明します。例えば「トランプ」や「鬼ごっこ」、「スポーツ」のような現実世界でなじみがあるゲームが当てはまります。これらにゲームにしかできない非現実的な要素や他のビデオゲームの要素を付け足していくことによって、面白いゲームを企画することができると思います。僕もこの手法でお題指定の企画書を何とかしました。

企画書の構成

以下は最終的な僕の企画書の完成形となった構成です(企画によって多少の変動はありました)。

  1. 表紙

  2. コンセプト

  3. ゲーム概要・ゲームのフローチャート

  4. ゲーム画面

  5. ゲームの一番面白い要素やルール

  6. プレイアブルキャラ

  7. ゲームサイクル

7ページを意識して作っていましたが、企業によっては「5枚まで」といったようなルールがあるところがありますが、僕の場合は必要のないページを削除して強引に指定枚数に合わせるという手法をとっていました。

操作説明の有無について

ネット上の他のブログだったりを見たのですが、ほとんどの方が、「操作方法」を記載していました。僕はこれいらないと思います。

書かなくても選考に通りましたし、それを書くぐらいだったら、ゲームの他の面白い要素について書いた方が印象が良くなると思います。まず、操作方法は企画書ではなく仕様書に書くことですしね。

※ここでいう操作方法は「Aボタンを押したらジャンプします」とか「左右キーで移動します」とか、企画したゲーム独自の面白さの直接の要因にならないことを言っています。

1.表紙

表紙を構成する要素1点目は、「背景画像」です。僕の場合、ゲーム全体を象徴するような画像を適当に持ってきて張り付けてました。

別ゲーの画像を堂々と使ったりもしました。著作権に関しては問題ないので、イメージに合った画像をどんどん使っていきましょう。

2点目は「タイトル」です。ここはぶっちゃけなんでもいいです。ダサくても大丈夫です。サブタイトルがあるとよりキャッチ―になるかも。

3点目は「コンセプト」です。面接でも深堀される一番大事な要素です。コンセプトを決める上で大事になってくることが2つあります。

  • ゲーム全体、もしくは面白いところを一言で表す

  • ターゲットと関連させる

です。後者に関してはゲームのターゲットを指定するのですが、そのターゲット層に刺さるコンセプトになっているのかというところが非常に重要です。

4点目は「概要」です。僕が書いていたのは以下の5つの要素です。。

  • 氏名

  • 所属(学校名)

  • ゲームのジャンル

  • ターゲット

  • プレイ人数

  • 使用ハード

ターゲットとハードに関してはゲームの内容がある程度決まった最後の方に決めてもいいかもしれません。

ターゲットに関してはできるだけ細かく決めた方が良いと思います。年齢、性別、趣味などこのゲームを遊んでいる姿が想像できる人物のペルソナ像を確立することが選考突破のカギだと思います。先ほども述べましたが、この点は面接においてコンセプトと関連付けられて突っ込まれる可能性大です。

ハードを決める際に注意しておきたいことは「ゲームにあったハードを選ぶ」ということです。例えば、「ボイスを使用する前提のゲームであるのに、マイク機能のないNintendo Switchを使用してしまっている」とかですね。

2.コンセプト

表紙で記載したコンセプトについて詳しく記載しました。書いたことは、このゲームを企画した理由とか、他のゲームと比較しての面白いポイントだとか、ターゲットになぜ受けると考えたのかとかなどどれかを簡単に書いた感じです。

3.ゲーム概要・ゲームのフローチャート

まず、「ゲーム概要」について説明します。ここでいうゲーム概要とは「ゲーム全体の簡単なルール」のことで「世界観・ストーリー」のことではありません。世界観やストーリーについては、Youtube上の元採用担当の方の動画でも言われていたため不要だと思います。

あくまで企画書の目的は「遊びにおける面白い要素について、それを他者に伝えるために簡単に分かりやすくまとめること」にあり、新卒採用においては、その人の企画力やゲームへの考え方などを見る資料だと考えます。遊びに直接関係のない世界観のような要素はこの目的とずれてしまうと思います。

ゲーム概要では簡単にゲームのルールを端的に言い表すのが良いと思います。

次に「ゲームのフローチャート」を説明します。これは、ゲーム内でプレイヤーが行うイベントについて矢印を使って視覚的に説明します。

例:RPGゲーム

ストーリー → レベル上げ → ボス戦 → ストーリー → …

僕の場合、対人ゲームはマッチングから試合終了までの1試合の流れをフローチャートで書いていました。一人プレイの場合は後述するゲームサイクルと内容がかぶっていたので書きませんでした。

下に僕が実際に作製した企画書の対応ページを記載しておきます。

図1.ゲーム概要、フローチャートの例

4.ゲーム画面

プレイ中のメイン画面の様子を上記の画像が編集できるソフトを使って作りました。

図2.ゲーム画面の例

図2を見ると、ベースの画像にフリー素材を切り貼りしています。また、矢印を用いて、画面内のそれぞれの要素が「どういった意味を持ち、どのようにゲームの面白さに繋がるのか」について簡単に説明しています。

5.ゲームの一番面白い要素やルール

ゲームの一番の目玉を1つ上げ、その要素について詳しく説明しました。
図を用いて説明すると分かりやすくなって良いと思います。

図3.ゲームの一番面白い要素やルールの例

6.登場キャラ

ここでいう登場キャラというのは、主に「自機キャラ」のことです。以下に例を示します。なお、この企画書のゲームのジャンルは、簡単に言うと対人のFPSです。近いゲームだとCall of Duty:BO3だと思います。

図4.キャラクターの例

僕がこれらのキャラクターを作る上で意識したことがあります。それは、「キャラクターがゲームの面白さや、自由度を高める大きな要因の一つになるようにすること」です。

キャラクター個々の違った能力は、単調なルールに広がりを持たせることができます。

最初の方にも述べたように、ゲーム企画では1を何倍にもする力が大切だと考えています。この力を、キャラクターのページでアピールできるのではないかと思います。

7.ゲームサイクル

このページでは、プレイヤーがゲームを繰り返し長く遊んでくれる要素とその流れを書きます。僕の場合は対人ゲームのそれは、大体ゲーム内通貨でした(笑)

一応下に対人と一人用の例をのせておきます。

図5.ゲームサイクルの例(対人ゲーム)
図6.ゲームサイクルの例(一人用ゲーム)

全体で意識するべきこと

企画書のダメな例と良い例

企画書を作る上で絶対に守らなければならないことがあります。それは…

見やすい企画書を作ること

です。

以下に僕が落ちた修正前の企画書と、通った修正後の企画書の比較を載せておきます。


図7.落ちた修正前の企画書
図8.通った修正後の企画書

見比べてみると一目瞭然だと思います。後者の方、めっちゃ見やすくないですか?

改善点を上げるとするならば、

  • ゲーム画面の内容のみにしたこと

  • 見出しを大きくしたこと

  • トピックごとに枠で囲って分かりやすくしたこと

  • 色付き文字を減らしたこと

  • 図やイラストを使用したこと

です。最終的には、他人に見てもらう読みものなので、見やすさが第一だと思います。

おそらく選考担当の方は何万通もの企画書に目を通す必要があります。したがって、落とすかどうかの判断も一瞬であると予測されるため、ぱっと見の第一印象が大事になってきます。図8の様に、一目見ただけで、内容が入ってくるような見やすい企画書の方が好印象だと思います。

ちなみに、ゲーム画面のベースにはPhasmophbiaという既存のタイトルのプレイ画面から引っ張ってきています。

文字数を減らす工夫

見やすさの観点から言えば、文字数が非常に大事になってきます。あれもこれも伝えたいとなると、上記の悪い例の様にギチギチになってしまたり、文字が小さくなたりと見にくくなってしまいます。

そこで、僕は文字数を減らす方法を2つ考えました。一つ目は…

ゲームの一番面白い要素(軸)を決めること

です。軸が決まれば、それを増幅させる各要素を残していけばよいだけです。分かりやすく例えるならば、園芸などで一番成長している部分に栄養をいきわたらせるために行う「間引き」です。

ぶっちゃけこれは企画によるので、何を間引けばよいかは各々の判断によるとは思いますが、強いて言えば、

世界観や操作方法などはもちろんのこと、細かいゲームのルールなどだと思います。


そして、二つ目は…

1ページにつき1つのトピックしか書かないこと

です。これはさっきのダメな例(図7)の時にも挙げましたが、トピックスを1つに絞るというルールを付加すれば、1ページに書ける内容も制限されるため、量が単純に減ります。

企画書制作で最終的に得られたこと

これまで、自分の約1年のプランナー志望の就活において身に着けた企画書の書き方について語りました。

最終的に僕は別の道を歩むことに決めたのですが、ゲームに真剣に向き合った、この経験は決して無駄ではなかったと思います。

僕は、企画書制作を通して、主に以下のような力を手に入れることができました。

  1. パワーポイントの使用方法

  2. 見やすい資料の作り方

  3. 面白いゲームとは

  4. 個人製作に活かせるアイデア

これらを学べたのは非常に大きかったと思います。1、2は就職先でも絶対に活きると思います。3、4もこれから個人製作を行っていく中で非常に役に立つと考えています。

最後に

最初にも述べましたが、ゲーム会社の方から直接アドバイスを受けたわけでもない、あくまで一人の就活生としての一意見であり、必ずこの通りに書けば受かるというわけではありません。

多くのゲーム会社が、夏や冬のインターンで企画書の添削を行ってくれます。そういったところに積極的に参加してアドバイスをもらうのが一番良いかと思います。

じゃあなんでこんな記事を書いたんだと思われるかもしれませんが、何故かというと、

  1. 就活で得た経験を無駄にしたくなかったから

  2. 実体験が書かれた記事が少なかったから

です。特に後者の思いが強いです。僕は企画書の「き」の字も知らないほどの初心者でした。どういった企画書が選考に通るのか全くわからず、YouTubeや実体験が書かれたサイトを手当たり次第に見ていました。

ただ参考にしようとしても、自作の3Dのゲーム画面写真を用いているなど真似できないような完成度だったり、実際に通ったのか落ちたのかわからない企画書だったりでした。

こんな経験をしたので、これからゲーム会社を目指す右も左も分からない未来の就活生に向けて、僕が学んだことを残しておこうと思いました。

参考になれば幸いです。長文失礼しました。

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