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【最終・感染症後の世界】未来をノックする#5 一番大事かも?プロセス制御

※うまくかみ砕けていません、ごめんなさい、、

こんにちは。シンラボ共同代表の草場です。

昨日の材料工学は、元研究者としては熱いテーマでした。すべての変数がコントロール可能な農業とか、胸熱。

超有名オライリーメディアの創業者ティム・オライリー氏が、感染症後の世界で必要なテクノロジーについて書いた本、「21 Technologies for the 21st Century」第三部、「The Future Is Knocking」についてまとめています。

14. 物理的なものの(再)デザイン
15. ビジネスモデルの革新
16. 材料科学
17. プロセス制御
18. 生命科学
19. 規制・規制市場との関わり
20. より長い時間軸
21. 多様性

魔術のような材料工学。材料工学含めて、未来のビジネスを起して回していくには、プロセス制御が必須です。

17. プロセス制御
プロセス制御、というとどういうイメージがあるでしょうか。ここで言われているプロセス制御は、工程管理、のようなイメージのようです。
工程管理は、ヘンリー・モーズリーが精密ねじ切り旋盤を発明してからすべてのボルトが全く同じネジ山を持ち、意図したナットに適合するようにされてから、工業生産の中心になったそうです。

標準化された製品には、同じことを何度も何度も全く同じ方法で行う機械だけでなく、人間が繰り返し行うことができるプロセスが必要だ。ヘンリー・フォードの生産ラインは、21世紀の変革的技術の一つであった。トヨタによるその更新は、リーン生産運動につながり、最終的にはDevOpsやリーンソフトウェア開発によってデジタル領域にまで到達した。

デジタル領域で発展したしたこの標準化が、物理的な世界に戻ってきています。それはいくつかのベクトルに沿って、物理的な世界に戻ってきているそうです。

一つのベクトルとして、実験結果だけでなく、データや分析に使われたソフトウェアへのアクセスを提供することで、科学研究における再現性を高めるためのJupyterノートブックの役割が挙げられる(データサイエンスだけでなく、Jupyterは作業ツールキットの重要な一部となっているます)。
Jupyter の動作を魅力的に見るには、GitHub の A Gallery of Interesting Jupyter Notebooks をチェックするとよい。

Jupter Notebookは、ソフトウェアの方々は大体使われていると思います。特にデータ分析です。

面白いスタートアップとしてRiffynが取り上げられています。

Riffynは、クラウドコンピューティングのコンテナ化から教訓を得て、測定に使用した機器、さらにその設定や校正を含めて、実験が実行された状況をキャプチャすることで、このアイデアをさらに発展させている。RiffynのCEOティム・ガードナー氏はブログ記事で以下のように語っている。
"実験は仮説を解くためのツールとして考えられている。しかし、ほとんどの場合、実験はデータを収集するためのツールだ。
実験を測定装置として概念化すると、思考に根本的なことが起こる。 "私の仮説は本当か?"と尋ねるのではなく、 "私の測定は正確で正確かつ再現性のある評価か?"と尋ねるのだ。あなたは実験を、コンピュータ・プログラム間で共有されているコードのビットのように、あるいはサプライ・チェーンの中の高品質な自動車部品のように、目で見て、知って、改良することができる「もの」として扱い始めます。そうすると、製造業、ソフトウェアおよびその他の産業における品質の測定、監視、改善のために開発された膨大な知識と方法を適用することができる。"

上記は、元研究者として非常に面白いです。研究する際、実験には目的があり、仮説が正しいかどうかを検証していきます。この事件を一つのプロセスと考えて、再現性を持つように価値づけしていく。そうするとDevOpsのような、ソフトウェアの知見が適用できるわけです。テスラモーターズも、自動車をソフトウェアに変えた、などいわれているので、イメージしやす課と思います。
Jupyterは、データー解析には最適ですが、顧客が作業している多くの環境を再現したり、作業したりすることはできません。そこで以前も記事にしたKubernetesパイプラインやDockerコンテナを使った作業のドキュメント化が提案されています。
katacoda.com
O'Reillyの学習プラットフォーム
は必見です。

次に別のベクトルが議論されています。

別のベクトルに沿って、Googleスタイルのスケーリングとエネルギーに適用された操作を見ることができる。元Googleで、Camus EnergyのCEOであるAstrid Atkinson氏は、信頼性の低いコンポーネントや断続的に利用可能なコンポーネントから大規模な信頼性を生み出すために、大数の法則に依存したシステムを設計することが可能であると指摘している。

大量のデータが集まるので、大数の法則が使えるのですね。大数の法則は以下参考。

しかし、「信頼性の低いコンポーネントや断続的に利用可能なコンポーネントから大規模な信頼性を生み出す」というのは考えが至らなかった。。。
彼女は次のように書いています。

分散型エネルギー資源に依存するグリッドへの移行における核心的な課題の1つは、信頼性の低い接続性を持ち、直接の運用管理下にない可能性のある資源の性能を信頼することだ。これは、今日の大規模なソフトウェアシステム、特にマイクロサービスアーキテクチャを使用するシステムに共通する設計上の課題であり、サードパーティを含む多くの所有者に作業が分散している可能性がある。

前に書きました、クラウドコンピューティング、分散コンピューティングのアプローチです。

このアプローチは、「個々のコンポーネントの障害を軽減するためのシステムレベルの設計に依存」しています。

これは、信頼性の低いハードウェア上で信頼性の高いソフトウェアを提供するという Google の設計思想に由来している。メインフレームスタイルの強化されたエンタープライズサーバーを、大量の安価なコモディティサーバーに置き換えたのだ。

上記で述べた二つのベクトルを認識できると、様々なデザインパターンを認識できるようになります。オライリー氏のエッセイ「ネットワークと企業の本質」でも論じられています。後で読む。
ソフトウェアは、大規模なシステムを管理したり、人間の努力を調整したりするための根本的に新しいモデルを可能にしています。

最後に、効率性について議論されています。昨日紹介したPlentyのように、大規模なソフトウェアシステムの制御モデルを農業やエネルギーに適用することで、より効率的なものにすることができます。

垂直農業に関する論文、「Wheat yield potential in controlled-environment vertical farms」によると以下のような議論がされています。

10 層の屋内縦型施設で 1 ヘクタールの土地で栽培された小麦は、現在の世界平均年間小麦収量の 220~600 倍の生産が可能である.... 気候、季節、地域に関係なく、ほとんどの水を再利用し、農薬や除草剤の使用を最小限に抑え、栄養分の損失がないことから、屋内での小麦栽培は環境的に優れている可能性がある。近い将来、屋内での小麦栽培が現在の市場価格と経済的に競争力を持つようになる可能性は低いが、将来の気候やその他の予期せぬ食糧システムの混乱に対するヘッジとして、重要な役割を果たす可能性がある。

これだけの効率が期待されているにもかかわらず、まだ広がっていないのは経済的な競争力がないからですが、理由は、主にエネルギーコストです。

しかし、この傾向を再生可能な未来のエネルギーコストの大幅な低下と合わせて考えれば、私たちは豊かな新時代に突入する可能性がある。
21世紀には多くのチャンスがある。過去の産業を未来の課題から守ることをやめれば、そして、技術革新の成果がより公平に分配されることを確認するならば。

未来に期待しつつ、明日は「生命科学」です。

草場壽一
https://sinlab.future-tech-association.org/


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