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【AIを使いこなすツール】放射線科医の仕事は無くなるか?? 『予測マシンの世紀 第三部』#13

こんにちは。シンラボ共同代表の草場です。

AIとの共同に関して、『予測マシンの世紀 AIが駆動する新たな経済』をまとめていきます。推理小説のようで、ドキドキワクワクです。

目次
はじめに―機械知能
安さはすべてを変化させる
第1部 予測
第2部 意思決定
第3部 ツール
 第十二章 ワークフローを分解する
 第十三章 決断を分解する
 第十四章 仕事の再デザイン
第4部 戦略(経営層にとってのAI;AIがあなたのビジネスを変容させるとき ほか)
第5部 社会(AIと人類の未来) 

第三部、ツールに関してです。昨日の記事は以下です。

■仕事を再デザインする
昨日は予測マシンを導入する際のミッシングリンクを見てきました。ピッキングという一見簡単に見える作業の自動化が難しくて、車を組み立てるなど一見高度に見える作業が自動化可能なのはなぜでしょうか?

ロボットが自動車を組み立てることができるのは、部品が高度に標準化されており、プロセスが高度にルーティン化されているからだ。
しかし、アマゾンの倉庫では、棚に置かれている商品の形、大きさ、重さ、硬さがほぼ無限にあり、直方体ではないものでも多くの位置や向きが考えられる。つまり、倉庫での把持は「もしも」が無限にあるのに対し、自動車の組み立て工場での把持は「もしも」がほとんどないように設計されているのだ。そのため、倉庫内で把持するためには、ロボットが対象物を「見て」(画像を解析して)、対象物を落としたり潰したりせずに保持するための適切な角度や圧力を予測する能力が必要だ。
つまり、フルフィルメントセンターにある多種多様な物体を把持するためには、「予測」が重要なのだ。

車制作は一見難しく見えますが、基本的に同じものを作るため、標準化、ルーティン化が可能です。一方ピッキングは、持ち上げるモノの形は標準化しづらいです。AIは予測するモノなので、標準化、ルーティン化できないとなかなか予測が出来ません。仮に、多種多様な物体を持ち上げることが予測問題に変われば、予測マシン導入可能になります。

この把持問題の研究は、今は、強化学習を用いて人間を模倣するロボットを訓練しているそうです。これに関しては、スタートアップ企業KindredのKindred Sortと呼ばれるロボットが有名のようです。

最初の段階では、人間は倉庫から離れた場所に座り、ロボットアームを遠隔操作することで、アプローチの角度やグリップの圧力を決定し、フルフィルメントのワークフローのミッシングリンクを埋めることが出来ます。しかし、長期的には、遠隔操作で人間が把持する様子を何度も観察して学習した予測マシンを使って、ロボットがその部分を自分でできるようにすることを目指している。

今のところは人間とロボットが協調してピッキングに対応していますが、人間がピッキングする様子を学んで、ピッキングの自動化が実現しそうです。

このように、いずれは自動化のミッシングリンクはどんどん解消されるため、改めて仕事の再デザインのことを考える必要がありそうです。

では、再デザインをどんどん進めていっていいのでしょうか?放射線科医の話を例に、本では議論されています。始めに、ディープラーニングのゴッドファーザー、ジェフリー・ヒントンさんの発言が取り上げらえています。

2016年10月、ジェフリー・ヒントンは、ディープラーニング・ニューラルネットワークのパイオニアとして、"We should stop training radiologists now "と宣言した。放射線科医の重要な仕事は、画像を読み取り、医学的問題を示唆する異常の存在を検出することだ。ヒントンの考えでは、AIはすぐに人間よりも画像の中の医学的に重要な物体を識別できるようになるという。放射線科医は、1960年代初頭からマシンに取って代わられるのではないかと懸念していたが、今日のテクノロジーは何が違うのか?

2016年時点で、ジェフリー・ヒントンさんは、放射線科医は必要無くなると予測していました。1960年代もこういう話が出てきたそうですが、状況の違いは何でしょうか?

機械学習技術は、画像中のアイテムの識別や認識など、欠落している情報を予測するのに適してきている。新しい画像セットが与えられたとき、機械学習技術は、病気の有無にかかわらず、過去の何百万もの例を効率的に比較し、新しい画像が病気の存在を示唆しているかどうかを予測することが出来る。このようなパターン認識による病気の予測は、放射線科医の仕事でもある。

1960年代のことは詳しく調べてないためわかりませんが、今機械学習で実現されている予測は、放射線科医の仕事そのものになっていると。丸ごと同じなら、代替できます。実際、IBMのWatson、Enlitic社などは、射線科におけるAIツールをすでに製品化しているそうです。

これらの新しいツールは、放射線科医や病理医の間でも議論の対象となっているそうです。以下ご参考に。

では、放射線科医の将来はをどう考えればいいでしょうか?AIのおかげで、放射線科医が画像を読むのに費やす時間は少なくなります。
著者らは、プライマリーケアの医師や放射線科医へのインタビュー、および確立された経済原則の知識に基づき、医療画像診断の分野で人間の専門家に残されたいくつかの重要な役割について説明しています。詳細な文献は以下。

この説明は重要なので、また明日。

草場壽一
https://sinlab.future-tech-association.org/

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