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【AIを使いこなすツール】考え抜く力が大事そう、新しい時代へ! 『予測マシンの世紀 第三部』#14

こんにちは。シンラボ共同代表の草場です。

AIとの共同に関して、『予測マシンの世紀 AIが駆動する新たな経済』をまとめていきます。推理小説のようで、ドキドキワクワクです。

目次
はじめに―機械知能
安さはすべてを変化させる
第1部 予測
第2部 意思決定
第3部 ツール
 第十二章 ワークフローを分解する
 第十三章 決断を分解する
 第十四章 仕事の再デザイン
第4部 戦略(経営層にとってのAI;AIがあなたのビジネスを変容させるとき ほか)
第5部 社会(AIと人類の未来) 

第三部、ツールに関してです。昨日の記事は以下です。

■仕事を再デザインする
昨日は、予測マシンで代替可能な放射線科医の仕事に関して考察してきました。予測マシンの影響による仕事の再デザインを学ぶ上で大事なので、再度取り上げます。

放射線科医の将来はをどう考えればいいでしょうか?AIのおかげで、放射線科医が画像を読むのに費やす時間は少なくなります。著者らによると、医療画像診断の分野で人間の専門家に残されたいくつかの重要な役割については以下です。

まず、短期的にも中期的にも、人間が患者の画像を判断する必要があるということだ。画像処理には、時間的にも、放射線被曝による健康被害の可能性という点でも、コストがかかる。画像処理のコストが下がれば、画像処理の量も増えるため、短期的にも中期的にも、画像処理に費やす人間の時間の減少を、この増加が相殺する可能性がある。

画像処理のコストが下がりますが、量が増えるため人間の手が必要です。問題はコストがかかること。そのため、AIにより画像処理が可能とはいえ、人間の仕事は減らないと。

第二に、診断用放射線技師とインターベンション用放射線技師がいる。放射線医学の本質を変えるような物体識別の進歩は、診断用放射線医学にある。一方、インターベンショナルラジオロジーは、リアルタイムの画像を用いて医療行為を支援するものだ。今のところ、これには人間の判断と器用な動作が必要ですが、AIの進歩には影響されない

放射線科医には二種類いると。専門用語の解説は以下です。

インターベンションとは、心臓、血管、肝臓、脳、消化器、泌尿器などの病気に対して、カテーテル(直径2~3mm程度のチューブ)を皮膚に開けた穴から血管に挿入して行う治療法の総称です。
インターベンショナルラジオロジーとは、病気の診断に用いられてきた放射線診断 技術を治療へ応用したもので、X 線透視像や血管造影像または超音波や CT 像などを 見ながら、体内にカテーテルと呼ばれる細い管や針などを入れ、外科的手術なしで出 来るだけ体に傷を残さずに病気を治療する、身体にやさしい画期的な治療法です。
第三に、放射線科医は自分自身を「医者の医者」と考えている。彼らの仕事の重要な部分は、プライマリーケアの医師に画像の意味を伝えることだ。難しいのは、放射線画像の解釈が確率的なものであることが多いことだ。
「X病の可能性が70%、無病の可能性が20%、Y病の可能性が10%です。しかし、2週間後にこの症状が現れた場合、X病の可能性が99%、無病の可能性が1%となります。」
多くのプライマリ・ケア医は統計学を十分に学んでおらず、確率や条件付確率の解釈に苦労している。放射線科医は、プライマリ・ケア・ドクターが患者さんと一緒に最善の行動を決定できるように、数字の解釈をサポートする。いずれはAIが確率を提供するだろうが、少なくとも短期的、中期的には、放射線科医はAIの出力をプライマリ・ケア・ドクターのために翻訳する役割を担うことになる。

医者の医者、面白い表現ですね。放射線科医は、AIとプライマリーケア医を繋ぐ重要な役割が残りそうですプライマリ・ケアに関しては以下をご参考に。

第4に、放射線科医は、技術の向上に伴い、新しい画像処理装置からの画像を解釈できるようにマシンを訓練することになる。この役割を担うのは、画像を解釈し、マシンが診断能力を身につけるのを手助けする、少数のスーパースター放射線科医だ。AIを利用して、放射線科医は自分の優れた診断能力を活かしてマシンを訓練することになる。彼らのサービスは非常に価値のあるものになる。診察した患者に対して報酬を得るのではなく、AIに新しい技術を教えるたびに、あるいは訓練したAIで患者を検査するたびに報酬を得ることができるかもしれない。

自分の培ってきた専門性をAIに教え込む仕事です。これが出来ると仕事自体わかります。日本でもやりたい。

先に述べたように、放射線診断医の仕事には、画像を検査してプライマリ・ケア医に評価を返すという2つの重要な側面がある。その評価は診断であることが多いが、多くの場合は否定的な評価であり、主治医に患者さんの状態を伝え、主治医が治療法を考えられるようにするための予測として述べられている。
予測マシンが出す予測、陽性である確率が〇%など、に基づき、医師は詳細を調べるために生検のような侵襲的な処置を指示するかどうかを検討する。

このように考えると、予測マシンの役割は、医師が生検を行わないことへの自信を深めることにあると言えるでしょう。マシンが予測を改善すれば、侵襲的な検査の減少につながります。

5つ目の役割は、マシンが問題のない可能性を示唆している場合でも、侵襲的な検査を行うかどうかを判断することだ。医師は、患者さんの健康状態や、偽陰性の可能性による精神的ストレスなど、定性的な情報を持っている。このような情報は、マシンでは簡単にコード化できないため、確率の解釈に精通した放射線科医と、患者のニーズを理解しているプライマリ・ケア医との間での会話が必要になる。このような情報があれば、人間はAIの手術をしないという勧告を覆すことができるかもしれない。

人間が感じている定性的な部分、コードに出来ない部分をもとに、AIの予測を覆す必要もあるみたいですね。

まとめると、今後の放射線医の仕事は以下のようになると予測されます。

1.画像の選択
2.医療行為におけるリアルタイム画像の使用
3.マシンの出力結果の解釈
4.新技術に関するマシンのトレーニング、
5.おそらくマシンが入手できない情報に基づいて予測マシンの推奨を覆すことにつながる判断の採用

放射線科医に未来があるかどうかは、彼らがこれらの役割を引き受けるのに最適な立場にあるかどうか、他の専門家が彼らに取って代わるかどうか、あるいは放射線科医と病理医の組み合わせのような新しい職階が開発されるかどうかにかかっている

今予測マシンに出来ることを考察して、自分の仕事がどのようになる可能性があるか、考える必要がありますね。
この考察を他の仕事にも転用してみましょう。
また明日。

草場壽一
https://sinlab.future-tech-association.org/

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