見出し画像

【第9回】米国のMSCI社による指数「MSCI ESG Leaders indexes」などについて

こんにちは! shuhigashiです。
第9回目の投稿は、米国のMSCI社による指数「MSCI ESG Leaders indexes」「MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数」「MSCI日本株女性活躍指数(WIN)」の3点について、調べたことを纏めて書いていきます。

以前の記事で、ROESGランキングで世界56位(日本勢1位)の花王から学べることについて書きましたが、その中で「外部評価がオンパレードである」点が学べることの1つであると述べました。何とその数24個。笑
ですので、今後はその外部評価を1つずつ調べながら記事に纏めていくことにしました。今回がその第3回となります。

それでは、宜しくお願いします!

1.「MSCI ESG Leaders indexes」とは

米国のMSCI社(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)社)による指数。ESG(環境、社会、ガバナンス)評価に優れた企業を選定。(旧名称:MSCI ESG Sustainability indexes)

2.「MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数」とは

米国のMSCI社による指数。MSCIジャパンIMIトップ700指数構成銘柄の中から、ESG(環境、社会、ガバナンス)評価に優れた企業を選定。本指数は、世界最大規模の年金基金である年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がESG投資にあたり採用している指数です。

3.「MSCI日本株女性活躍指数(WIN)」とは

米国のMSCI社による指数。MSCIジャパンIMIトップ700指数構成銘柄の中から、女性活躍を推進する性別多様性スコアが高い日本企業を選定。本指数は、世界最大規模の年金基金である年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がESG投資にあたり採用している指数です。

4.「MSCI ESG Leaders indexes」を調べてみる

すみません。。どうしても構成銘柄一覧を確認できなかったです。力不足です。TOP10などが掲載されている「Factsheet」は確認できましたのでリンクだけ貼り付けておきますね。コチラです。

5.「MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数」を調べてみる

では気持ちを切り替えて「MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数」のデータを実際に調べてみることにします!2020年12月時点の構成銘柄一覧はコチラより確認できました。尚、掲載されているファイル形式がPDFのためExcelに変換し、サクっとデータ分析します。

会社数:235
「ESGセレクト・リーダーズ指数におけるウェイト」平均値:0.4255

まずは、「ESGセレクト・リーダーズ指数におけるウェイト」を「0.1」単位の区間で区切ったデータをヒスグラムで表すとこんな感じでした。

画像1

「ESGセレクト・リーダーズ指数におけるウェイト」については、「0.1」の区間の会社数が突出していますね。全体的にも左に寄っていますね。まぁ、指数のウェイトですから、そんなもんだ。と捉えておきます。

ちなみに、「ESGセレクト・リーダーズ指数におけるウェイト」の1位はトヨタ自動車で「5.9875」でした。さすが世界のトヨタ。

次に「ESG格付け」を棒グラフ(ヒスグラム風)で表すとこんな感じでした。

画像2

「ESG格付け」については、「A」または「AA」がほとんどを占めていて、日本企業は「ESG格付け」については比較的高い評価を受けているようです。

ちなみに、「AAA」は8社が該当し、次の通りでした。(ウェイトの高い順)

画像4

出ました。「ソニー」「オムロン」。私の過去の記事でも登場済みの2社が2トップとは。

次に「業種」のウェイトを円グラフで表すとこんな感じでした。

画像3

ちなみに「MSCIジャパンIMIトップ700指数」の業種ウェイトは公式サイトに掲載されていたものを引用すると次の通りでした。

画像5

少し変わってますね。選定にあたっての「Key Points」には

業種内において相対的に優れた ESG 評価の銘柄を対象とする

と記載がありますので、例えば「素材」に関しては、700社の時は全体8位(6.53%)でしたが、選定された235社になると全体3位(11%)と4~5ポイント上がってますね。これだけで判断すると日本企業の業種「素材」はESG格付けにおいて高い評価を得ているといえますね。なるほど。ちなみに「素材」の一覧(26社)が次の通りです。(ウェイトの高い順)

画像6

おっ!私のふるさと愛媛に事業場がある企業がちらほらありますね。なんだか嬉しい気持ちです!愛媛(だけじゃないけど)すごいぞ!

ちょっと待てよ。
日立金属に昭和電工って、日立製作所から売られた(売られる予定の)グループ会社に該当する企業ではありませんか。(昭和電工は、日立化成を買った企業)日立御三家と言われた(日立電線は日立金属に吸収合併)企業が「素材」業種で躍り出ているではないですか!!すごい!

他の業種にも目を向けてみると日立建機、日立物流、日立キャピタルと選定されてますね。どれもこれも、日立製作所から売られたところではないですか。ちなみに親分である日立製作所はこの「MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数」には載っておらず、圏外という結果でした!

えぇ~っ

ですね。
非財務だけで見ると売られた(売られる予定)の企業は素晴らしい評価を受けてるじゃないですか!端的に言うと景気や市況の影響を受けやすい製造業系の事業を非中核事業として(デジタルイノベーションに乗れないから)売られた会社たちですよね。企業経営ってのは難しいですね。財務・非財務のバランスをどう保つのかという点について難しさをこの分析でよく理解しましたし、景気や市況の影響をも考える必要があるという。。

今や日本を代表する、もとい、世界有数の総合電機メーカーの日立製作所。上場子会社の整理も今年で完遂すると言われてます。今後、どのような動きをするのか、目が離せないですね。

まぁ、ここまで書いて思い出しましたが、ESG格付けだけ見ると、素晴らしいですが、過去に不正が行われていたという事実が明るみに出たことも、売られた要因の1つなのかもですね。

余談ですが、宇部興産って日本一長い企業専用の道路を保有してますよね。全長31.94Km。えげつない。市民が間違って走ること無いのかな?笑

6.「MSCI日本株女性活躍指数(WIN)」を調べてみる

では次に「MSCI日本株女性活躍指数(WIN)」のデータを実際に調べてみることにします!2020年12月時点の構成銘柄一覧はコチラより確認できました。尚、掲載されているファイル形式がPDFのためExcelに変換し、サクっとデータ分析します。

会社数:301
「女性活躍指数におけるウェイト」平均値:0.3322
「性別多様性スコア」平均値:7.20288

まずは、「女性活躍指数におけるウェイト」を「0.1」単位の区間で区切ったデータをヒスグラムで表すとこんな感じでした。

画像7

「女性活躍指数におけるウェイト」については、「0」「0.1」の区間の会社数が突出していますね。全体的にも左に寄っていますね。まぁ、指数のウェイトですから、そんなもんだ。と捉えておきます。

ちなみに、「女性活躍指数におけるウェイト」の1位はリクルートホールディングスで「3.9126」でした。やっぱりですね。昨年話題になりましたもんね、30代の女性の方が取締役になったと。すごいですよね。

でも・・・この記事書いている数日前に、法人向けクラウドサービスを展開しているサイボウズ社が新卒で取締役とか2年目の女性の方が取締役とか、一躍この類の話題をかっさらっていきましたね。笑
今年はサイボウズイヤーかもですね。(ちなみに、サイボウズもまた、愛媛が創業の地の企業ですからね。ホントすごいし、誇らしいです!)

次に「性別多様性スコア」も「0.1」単位の区間で区切ったデータをヒスグラムで表すとこんな感じでした。

画像8

「性別多様性スコア」は、これはバラバラですね。笑
ボーっと遠くから見ると、全体的には左寄りですかね。平均が「7.20288」なので、メディアン(7.6)からやや左って感じですかね。

ちなみに、「性別多様性スコア」の1位はエン・ジャパンでした。
求人広告や人材紹介サービスを展開する企業、強いですね!!やっぱり、”ヒト”を扱う企業っていうのは”ヒト”に関してはめっぽう強いってことが証明されますよね。

次に「業種」のウェイトを円グラフで表すとこんな感じでした。

画像9

ちなみに「MSCIジャパンIMIトップ700指数」の業種ウェイトは公式サイトに掲載されていたものを引用すると次の通りでした。(「MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数」と出所同じだと思うのですが・・・データ違いますね・・なぜだ?笑 ま、いっか。)

画像10

やっぱり、コチラも「素材」の伸び率がすごいですね。「4.74%」から「10%」と5ポイントほどアップしてますね。
日本の「素材」企業、評価高いですよ!!

7.どうしたら選ばれるのか

まずもって、次の条件でふるいにかけられます。

・「MSCI ESG Leaders indexes」は、時価総額の上位 500 社を対象とする。
・「MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数」は、時価総額の上位700社(MSCIジャパンIMIトップ700 指数構成銘柄)を対象とする。
・「MSCI日本株女性活躍指数(WIN)」は、時価総額の上位700社(MSCIジャパンIMIトップ700 指数構成銘柄)を対象とする。

やはり時価総額でした。またまたですね。
ですので、感想は割愛させて頂きますね…笑

8.最後に

今回も、規模の大きな企業向けの指標ということで認識しました。「知ってて損しない」ってやつですね。
でも、今回は色々と分析できるネタが揃っていたので、面白かったです。財務・非財務どっちもバランス良くやっていこう!が基本ですが、景気や市況の影響(どちらかというと財務)をも考えるとなると、非財務っていうのは、後から付いて来る感が否めないですよね。難しい問題です。でも、非財務は現代においてはプレミアム的な位置づけだと思うので、やった分だけ評価されるっていうことには変わりないでしょう!やってみましょう!

次も頑張って調べて記事にしていきますよ~

次回は、「Ethibel Sustainability Index (ESI) 」について記事にします!


~行動は今日からはじめる!~
それでは頑張っていきましょう!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
以上です。

Thank you!