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【開催御礼&報告】東北ダイバーシティI’m on it

先週日曜日、
東北ダイバーシティI‘m on it芋煮ワークショップを開催いたしました。
参加者は午前午後合わせて20人を超え、
多国籍、多業種、多職種が会話・交流するコミュニティが結成ました。

午後の部--広瀬橋にて芋煮会の集合写真

事の発端は、北海道に行く飛行機の中でした。
離陸する時、私が愛する東北・仙台を上から俯瞰しながら、
「外国人材が東北での重要性を理解させるため、
もっと高い視点で、深く交流する場を作らなきゃ。」と思いました。
今までにない、しっかりお互いの思考や価値観を会話する場、
もっと簡単に言うと、
「なぜ」「何のために」「どうすれば」を平等的に会話する場を作りたい。
東北、外国人材の可能性を信じているため、
私しかできない、「みんなを繋いでいく」ことで
それを最大限に発揮させたいのです。

イベントが終わってあの一日で見た皆さんのたくさんの笑顔は、
このようなコミュニティ・交流がいかに大事なのかを物語っていました。

芋煮とBBQを囲う参加者のみなさん

「東北ダイバーシティI’m on it」のコンセプト

「芋煮」は東北を代表する郷土料理であり、様々な旬の食材を入れることで美味しく出来上がります。さらに、食事の場で「会話」を交わしながらことで、具材のうまみに人情というスパイスも加えます。
この「芋煮」をコンセプトに、東北にいる多様性のある人々の会話によって、東北をより一層「美味しく」、魅力の溢れる場所にしたいと思い、今回のワークショップを開催いたします。
組織、人材、キャリアの多様性に「取り組んでいます!(I'm on it!)」と「芋煮(Imoni)」を掛け合わせて、「東北ダイバシティI'm on it!ワークショップ」と名付けました。

ダイバーシティ&インクルージョンの推進には、
高い質と量の会話が欠かせないと信じています。
今の東北では、「異文化交流」や「言語交流」的なイベントがあるものの、ほぼ全てが表層的なものになっています。
もちろん、各レイヤーでの交流全てが大事ですが、
圧倒的に深い会話できる場が足りていないので、
このようなイベントを企画することになりました。

ディスカッションテーマ説明
日本語堪能の外国人材と東北の多業種人材が集結し、会話をする

イベント当日は二部構成で、午前の部の会話を踏まえた上、
午後の部で交流を広めて、深めるイメージになります。

午前中のワークショップでは、
「キャリア」と「組織」について参加者全員が意見交換しました。
今まで見えていなかった盲点、
気付いていなかった気付きも多いかと思います。
私自身が皆さんのディスカッションを聞きながら、
印象に残った点をいくつかまとめてみました。

① キャリアプランの「いつ」「どこ」「何を」について

「活動拠点を単一拠点ではなく、多拠点を一度でも検討したことありますか?」の質問に対して、「ある」と回答してくださった方は半分程でした。
しかしその中、「海外を経験したことある」あるいは「今は海外で働いている(外国人材)」が9割以上です。
つまり、視野の広さによって、キャリアの可能性が開拓されます。
「見たことない=知らない=できない」という固定概念を打破するには、
多種多様な価値観や文化と触れ合う・理解し合うのは重要だと
改めて確認できました。

また、「何を」に対して、メンバーシップ型の考えだと、
「入社したら会社と共に生きていく」のため、
入社時・応募時のジョブディスクリプションが簡素になりがち。
なぜならば、
「経験年数に応じて会社の方からタスクを追加していく」からです。
一方、海外などのジョブ型思考だと、
ジョブディスクリプションをいかに詳しく伝えるのが一番重要。
なぜならば、
「任せるジョブによって報酬が決まる」からです。
このギャップは、多くの高等外国人材が日本企業で長く勤められない理由の一つだと思います。*
(*注:「長く勤める方がいい」と言いたいのではありません。「勤めるにあたっていかに自分事感を得られるのか」という意味で、組織と人材がお互いを認め合うのが重要です。そう達成させるには、できるだけ勤めている期間を濃密に(量と質とも)すべきだと、個人的に思います。)

② 組織制度は「作ってある」だけでいいのか

産休育休と同様、「ある」=「使える」ではない。
根本的に「何のための制度なのか」を組織内で理解や浸透しなければ、
逆に「特例」となり、本人のストレスの対象になる。
組織風土、組織文化、そして会社のビジョン・バリューに合わせて、
適合している制度を作るのは重要だ。
これはどんな組織でも同じ理論であるため、
「外国人材」だから「特例」なわけがありません。

もっと言えば、新しい視点(異文化など)を積極的に組織の中に取り入れることによって、今まで考えたことない「なぜ」を考えさせるいいきっかけにはなると思います。

 ③ 言語による格差、もしくは気づかれていないストレスを意識しているのか

外国人材は外国語で仕事するだけでかなりのストレスを抱えています。
日本文化をある程度習得し、理解していてから日本に就職しているのに、
受け入れてくれる・採用してくれる日本側はその方々の価値観や文化を理解しようとしていたのか。

一方、仕事上は常に「日本人と同じスピードで議論・競争しなければならない」ため、能力は同じなのにコミュニケーションツールによって劣勢になる可能性が多くある。
例えば私の場合、「台湾は食べ物が多くておいしいよね」というくらいの理解だと、仕事上には何も役に立てません。
私は一生懸命日本人の思考を理解し、どうすれば「KY」にみられないか、
どう伝えれば日本人に伝わるのかを努力している一方、
相手は私を育った価値観や思考回路を無意識に無視し続けるのは、
果たして「良い関係性」と言えるのでしょうか。

午前の部--GLOBIS仙台校にてワークショップの集合写真

1時間半のディスカッションがとても短く感じるくらい議論が活発でした。
まとめきれない部分も多くあると思いますが、
お互いの価値観と考えに触れ合う大切な時間を過ごすことができました。

一日を通して感じたこと

まずは、「やってよかった」です。
自分が感じた課題は共感され、
今後取り組んでいくにはこんなに仲間がいるのかと実感し、感動しました。
やはり、皆さんの声が出せる場を作るのはとても重要だとも感じました。

そして、一人では何もできないことも痛感しました。
今回の開催にあたって、様々な方にご支援をいただきました。

東北からより多くのリーダーを送り出すことを目標としているGLOBIS仙台校のご協力を得て、午前中のワークショップに最適な施設を利用することができました。
(何より私自身が組織やネットワークについての学びの多くはGLOBISが教えてくれたのです。)

当日の目玉イベント、芋煮会を場所取り、道具準備から調理まで、
すべて快く担ってくださった(株)コミューナの笠間さん。
(合わせて主催者の私の三日酔いケアまで。
男前の極みで至れり尽くせりすぎて頭あがりません…)

肝心なイベントポスターをイメージ通り(というか遥かに以上)にデザインしてくださった、(株)コミューナの菅原さん。

旅行帰りで休みを惜しまず、
カメラマンとドライバーをしてくださった家村社長。
(自由人の私がいつも思い立った企画を成し遂げられるのも社長の了承があるおかげです。)

食材揃うの大変だ…と悩んでいたところ、自ら提案し、
視察案内から差し入れまで優しさ&男前の塊、(株)サトー商会の木村さん。

何より私の志を聞いてくださって、共感してくださって、
私が声かけたら快く参加してくださる、参加者の皆さま。

みなさんがいるからこそ、このイベントができました。
伝えきれな程、感謝な気持ちでいっぱいです。
これからもコミュニティが広く深く繋いで続けられるように、
企画運営頑張ります。

広瀬川の紅葉と参加者の笑顔が映り合い、最高な景色。
この人情の厚さ、人と人の結束力、いつも感じる心の温かさが、
私が東北を大好きになった理由です。
自分しかできないこと、これからも頑張り続けたいと、
感謝と感激にあふれた一日でした。

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