3歳~15歳のあいだに今すぐやるべき8つのこと

教員をやっていると、「うちの子どうしたら成績伸びますか?」とよく聞かれるます。塾や予備校に通うことももちろん手段の一つではありますが、たぶんそれって一時的な「処方箋」のようなものなので…

今回は、「頭の良い子に育てたい」という親の願いを、「脳トレ」先生・川島隆太教授の著書『頭のよい子に育てるために今すぐ絶対やるべきこと』から紹介します。

・やるべきこと① <米+おかず>の朝ごはんを、親子で食べる

教授が仙台市を中心に行った調査では、

学校の成績がよい(子どもの)グループでは、9割以上の子どもが必ず朝ごはんを食べている」ということがわかりました。

さらに文部科学省の学力調査では、

朝ごはんを食べていない子どもは学力は低く、教科によっては平均点が20点も低いことがわかっています。

子どもが何かを学んでいるとき、子どもの脳の中ではものすごい勢いでシナプスが発達します。その際に必要な栄養素を、お米に含まれるブドウ糖やおかずの栄養素から摂取するのです。

また、昼食や夕食ではなく、朝食こそが大切である理由は、

朝ごはんを食べないと、全身の細胞レベルで1日中代謝の低い状態が続くから。「終日ぼーっとした子ども」が誕生してしまうのです。

さらに、子どもは、親に話を聞いてもらうことで自己肯定感や学習意欲が高まることもわかっています。

・集中力

・脳の働き

・自己肯定感

を高めるために、親子で一緒に<米+おかず>の朝食を摂りましょう。

・やるべきこと② スマホは1日1時間を厳守する

約7万人の小学生~高校生を対象にした調査では、

睡眠時間や勉強時間の長さに関わらず、スマホを使う時間が長ければ長いほど、子どもの成績が下がることがわかりました。

これは、スマホを使うこと自体に脳の前頭前野(思考を司る部位)の活動を抑制する働きがあるためです。

脳は、ITに触れることで、前頭前野の血流量を減らしてしまうのです。

スマホに触れている時間は、前頭前野が動かず、脳にとってラクな状態になるので、人はますますラクなほうへと流れます。

まるで薬物と一緒なんです。

とはいえ、いきなり「スマホ禁止」というのは難しいでしょうから、1日1時間の使用を厳守させましょう。(1日1時間未満の使用は成績への影響が少ないこともわかっています。)

・やるべきこと③ ゲームとテレビを遠ざける

テレビを見ると、ものを考える際に働く前頭前野の血流量が減り、言語性知能指数や大脳皮質の発達が悪くなるという結果が出ています。

また、教授の調査では、「ゲームを2時間以上やる子どもはゲームをやればやるほど数学や国語の成績が下がる」という結果も出ていました。

ゲームやテレビから、できるだけ子どもを遠ざけましょう。

・やるべきこと④ 子どもと一緒に料理をする

学力と家族のコミュニケーションの関係を調べた結果では、家族とのコミュニケーションが多ければ多いほど、子どもの「目標意識」や「探求心」が高まる傾向があることがわかりました。

そこで有効なのが、親子クッキングです。

3か月に及ぶ親子調理体験の実験結果からは、調理体験をした群の子どものほうが複数のテストで認知機能の向上が見られました。

この結果から言えるのは、料理というごく一般的な「お手伝い」が子どもの脳の認知機能を高めるということです。

親の中には、時間がない、忙しいという方も多いと思いますが、親子クッキングによって子どものコミュニケーション能力が向上し、結果的には子育てをラクにするはずです。

・やるべきこと⑤ 幼児は読み聞かせ、小学校から音読

読み聞かせについては、聞いている子どもの脳と、読んでいる大人の脳と、両方に好影響を与えることがMRIを使った分析でわかっています。

これは、幼児の情操教育に非常に効果的です。

文字が読めるようになった段階では、役割を交代し子どもに音読をさせることで、子どもの前頭前野が活発に働き、言語に関わる脳の部位の発達を促進させることが出来ます。

・やるべきこと⑥ ごほうび制度をやめて、言葉で速攻褒める

子どものやる気には、内発的動機と外発的動機があります。

内発的動機は、子ども自身が「おもしろい」と思って取り組むこと、

外発的動機とは、「いい成績をとったらお小遣いがもらえる」など、子どもの感情に直接結びつかないものです。

子どものやる気アップには、言わずもがな、内発的動機が大切。

内発的動機に関わりがある、脳の前頭前野の右側にあたる部位は、親から褒めてもらえることで強く反応することがわかっています。

子どもの「見て見て~」「聞いて聞いて~」は、この内発的動機を高める大チャンスなので、忙しくても「ちょっと待って」と先延ばしにせず、速攻褒めてあげましょう。

・やるべきこと⑦ 睡眠で脳を育てる

子どもの心身の健康な発達に睡眠が必要であることは言うまでもありません。

ところが、睡眠時間は、子どもの「意欲」や「読書時間」にも関係があることがわかりました。

また、MRIの画像分析結果からは、睡眠時間が長い子どもほど海馬(記憶を司る脳の部位)が発達しているということもわかったのです。

睡眠時間は長すぎてもいけないという話をよく耳にしますが、これは正しくは、良質な睡眠をとらずダラダラ寝ているのがよくないということなのですね。

・やるべきこと⑧ 子どもに外遊びをさせる

「学習」や「記憶」に関連する海馬の体積は、BDNFというタンパク質の増加によって発達します。

そしてこのBDNFは、有酸素運動によって量が増えることが明らかになっているので、子どもには積極的に外遊びをさせましょう。

一緒にキャッチボールを行うことは、他者との距離感を測る際に使う空間認知能力の向上にもつながるのでオススメです。

・まとめ 結局、「読む・聞く・話す・動く」がいい!

結論、「頭のよい子ども」を育てるためには、先進的な技術や道具と上手に付き合いながら、昔から変わらず行われていることを実直に行うことが、最善最短の策なのだと思います。

教育って奥が深い。

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