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なんか以前に同じような記事を書いたかと思うんですが、私は漬物がかなりスキです。
もちろん家でも食べますが、塩分のこととか考えて、思う存分というわけにはいかないですね。妻の目も光ってます(笑)。
外食に出たとき、定食屋なんかでも食べられるわけですが、質的にも量的にも、十分というところはなかなかありません。最近の方々は、あまり漬物食べんのですかね?
できたら、日本中の漬物を食べてみたいとは思っておりまして、果たして何年かかるか、死ぬまでにどこまで行けるのかはわかりませんが、追っかけてみたいとは思います。幸い今は、ネット通販なんてすこぶる便利なものがありますので、結構いい線まで行けるかもしれません。

で、全国の漬物まで紹介するので、今日は長くなります。

「漬物」って何?

そもそもの話ですが、「漬物」は、もともと食品の貯蔵方法の一種です。野菜などの農産物や海産物などを保管するために生まれて、それによって作られたものは日本の食卓に欠かせないものになっていきました。
当然のことながら、さまざまな種類、漬け方があります。地方・地域の風土や気候などが反映もされています。

代表的な漬物の種類

あくまで代表的なものです。まだまだあるとは思います。

梅干し
梅の実を塩漬けして天日干しをした後、しその葉などと一緒に漬け込んだものです。酸味が強く、古くからおにぎりの具材などに使われてきました。持ちもいいですしね。平安時代からあるとされていて、清少納言の枕草子にも登場しているそうです。

たくあん(沢庵)
天日干しにした大根をぬかに漬けたもの、干さずに塩漬けにしたもの、調味液に漬けたものなど、さまざまな種類があります。それぞれ食感や色、味などが異なっています。まぁ、一般的にはぬか漬けにしたもののことですね。

ぬか漬け
ぬか床に野菜などを漬け込んで作る漬物のこと。ぬか床は、米ぬかや塩、水、唐辛子などを混ぜて乳酸発酵させたものです。旨味が深く、ほどよい酸味が特徴で、きゅうりや大根、なすなどがよく使われていますが、私が子どもの頃、ばあちゃんは人参とかみょうが、ショウガなんかも漬けてましたね。全部古漬けにして、細かく刻んでミックスした「かくや」(覚弥)という漬物をよく作ってました。落語なんかでも「かくやのこうこ」なんて言って、たまに出てきます。水で晒さないと、かなりしょっぱいものです。作り方はいろいろあるみたいですが…。


浅漬け
きゅうりやなすなどを調味液に短時間で漬け込んで作ったもの。即席漬けや一夜漬けと言われるものですが、本来「お新香」と言われるものはこれのことだったと思います。長い時間で漬け込んでいないため、野菜本来の味が楽しめますね。白菜漬けは浅漬けを代表する漬物のひとつで、市販の漬物のなかでも、かなり人気があるものですね。

粕漬け
酒を作ったあとにできる酒粕、みりん粕に食材を漬け込んだもので、ほどよい甘味と塩気が楽しめます。代表的なものに奈良漬やわさび漬があります。

麹漬け
麹を主材料として作られるもので、べったら漬けがもっとも有名ですね。白菜やなす、かぶ、大根などの野菜を、一度塩漬けにしてから麹でさらに漬け込みます。

味噌漬け
野菜だけでなく、肉や魚も、さまざまな食材を味噌に漬け込んだものです。味噌の風味が食材にしっかり移ります。

醤油漬け
醤油を主体とした材料に下処理した野菜を漬け込んだもの。福神漬けや松前漬け、つぼ漬けなどがこれにあたります。

酢漬け
野菜などの食材を酢に漬け込んだもので、らっきょう漬けや千枚漬けなどがありますね。海外では、こしょうや唐辛子などの香辛料と漬け込んだピクルスが知られています。ちなみに世界中のマクドナルドのピクルスは、日本のマクドナルドのそれが標準になっていると聞きました。

からし漬け
野菜などを一旦塩漬けにしたあと、からしや酒、麹などを混ぜ合わせて漬け込んだものとなります。なすや大根、きゅうりなどがよく合いますね。

発酵漬け
乳酸発酵によってできる酸味が特徴の漬物。野菜に蓄えられた糖分が分解されて、発酵することによってあるアミノ酸が生成されます。すぐき漬け、すんき漬けなどがあり、旨みの強いものとして知られています。

キムチ
キムチは、唐辛子や発酵させた魚介類、にんにくなどを混ぜて野菜(白菜・大根・きゅうりなど)を漬け込み、乳酸発酵させた韓国の伝統的な漬物です。発酵が進むにつれて酸味が増していき、料理の材料としても使われます。

各地の漬物

地域ごとの気候や特産品を活かした漬物がたくさんありますが、ここからは、それぞれの地域の漬物をエリアごとに分けてご紹介したいと思います。
歴史を遡ればもっと出てくるとは思いますが、キリがないので、そのへんはほどほどで…。

北海道の漬物

・松前漬け:乾燥させたスルメイカと昆布を細く切り、醤油、酒、みりん、砂糖などに漬け込んだ北海道の郷土料理です。
・ニシン漬け:ニシンと野菜を一緒に漬け込んだもので、北海道のニシン産業の歴史を伝える郷土料理ですね。
・鮭のはさみ漬け:野菜で鮭をはさみ、米麹と塩で漬けたもので、古くから北海道の漁師町で愛されていました。

東北地方の漬物

・すしこ(青森県):蒸したもち米に赤しそやキャベツ、きゅうりの古漬けを合わせて乳酸発酵させたものです。
・いぶりがっこ(秋田県):大根を囲炉裏の上につるし、熱と煙を利用して燻製乾燥させて漬け込んだもの。全国的にも知られた漬物ですね。
・青菜漬け(山形県):山形県名産の葉物野菜、山形高菜を使った山形県を代表する漬物。
・おみ漬け(山形県):山形高菜と大根、にんじん、きくいもなどを使った漬物。
・晩菊漬け(山形県):食用菊、大根、にんじん、なすなど、10種類もの野菜を刻んで、1年以上熟成して漬け込んだもの。
※山形は東北有数の漬物県ですね。
・金婚漬け(岩手県):種をくりぬいた瓜の中に、昆布で巻いたにんじん、ごぼうをつめて漬け込んだものです。

関東地方の漬物

・べったら漬け(東京都):塩漬けした大根を砂糖や米麹などに漬けたもの。東京を代表する漬物ですね。
・福神漬け(東京都):野菜を醤油液に漬けたもので、7種類の野菜を使っていることから七福神にちなんで名付けられたと言われています。東京発ということをご存じない方は多いですね。
・鉄砲漬け(千葉県):瓜の中を鉄砲のようにくりぬき、しその葉を巻いた唐辛子を火薬に見立てて詰め、醤油などの調味液に漬け込んだもの。関東地方では割と知られています。
・ごさい漬け(茨城県):サンマの塩漬けを大根や唐辛子、柚子などと一緒に漬け込んだものです。
・たまり漬け(栃木県):味噌を作るときにできる上澄みに野菜を漬けたものです。

中部地方の漬物

・小梅漬け(山梨県):甲州小梅を、まだ青みのある時期に収穫して漬け込んだものです。
・野沢菜漬け(長野県):長野県名産の葉物野菜、野沢菜を乳酸発酵させたもので、長野県を代表する全国区の漬物です。
・はりはり漬け(新潟県):干した大根の漬物で、上越地方を代表する郷土料理です。
・かぶらずし(石川県):塩漬けしたかぶらに鰤をはさんだ、石川の代表的な発酵食品。
・大根ずし(石川県):ニシンと大根を甘酒で漬けたもの。
・ひねずし(石川県):塩漬けした魚と米を漬け込んで熟成させた発酵食品。
※石川地方は「○○ずし」と呼ぶ傾向がありますね。
・わさび漬け(静岡県):わさびの葉や茎、根を酒粕に漬けたもので、こちらも全国区ですね。

近畿地方の漬物

・千枚漬け(京都府):薄切りにした聖護院かぶを塩漬けしたものです。
・すぐき漬け(京都府):伝統的な京野菜・すぐきを塩で漬けたものとなります。
・奈良漬け(奈良県):瓜、きゅうり、しょうがなどの野菜を塩漬けし、酒粕に漬け込んだものです。
・日野菜漬け(滋賀県):滋賀県の伝統的な葉物野菜を使用した漬物です。
・ふなずし(滋賀県):塩漬けしたふなと米を漬け込んで発酵させた有名漬物。かなりクセの強い個性派です。
・梅干し(和歌山県):塩漬けした特産品の梅を天日干しして、しそと一緒に漬け込んだもの。もちろん全国各地にもあります。

中国・四国地方の漬物

・広島菜漬け(広島県):広島菜を塩漬けして麹、塩、昆布などで漬けたもので、信州の野沢菜、九州の高菜と並ぶ三大漬菜のひとつです。
・葉わさび漬け(広島県):わさびの葉を醤油漬けにしたものです。
・スルメの麹漬け(鳥取県):スルメイカと調味料を麹に漬け込んだものです。
・らっきょう漬け(鳥取県):らっきょうを酢に漬けたもの。梅干し同様、全国各地で食べられています。
・緋のかぶ漬け(愛媛県):愛媛の伝統野菜である赤かぶを塩漬けし、ダイダイ酢に漬けたユニークなものです。

九州・沖縄地方の漬物

・高菜漬け(福岡県):高菜の葉や茎を漬けたもので、ピリッとした辛味が特徴。日本三大漬菜のひとつで、とんこつラーメンのトッピングとして有名です。
・寒漬け(熊本県):冬の冷たい風に大根を2回ほどさらして作った漬物です。
・壺漬け(鹿児島県):干した大根を杵でついて、繊維をほぐして壺で漬けたものとなります。
・薩摩漬け(鹿児島県):桜島大根を輪切りにして酒粕に漬けた漬物です。
・パパイヤ漬け(鹿児島県):パパイヤの若い実を塩漬けし、味噌や醤油などで漬けたもの。
※余談ですが、スイカの皮の漬物もおいしいですね。
・まだか漬け(宮崎県):千切り大根や煎り大豆、にんじん、スルメ、昆布などを漬け込んだものです。
・ジージキ漬け(沖縄県):黒糖を使った大根やゴーヤ、らっきょう、にんにくなどの漬物です。

日本は広い! で、豊かですねぇ。


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