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短編集

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サクッと読める短編です。
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#ポエム

赤い靴を買った。

靴を買った。 真っ赤なエナメルの靴だ。 昔も同じようなものを持っていた気がする。 どんな形…

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あかるい花園二番街の平和武装さん

嘔吐塗れの歌舞伎町を見たことあるか?   俺はある日、いつもみたいに朝まで歌舞伎町で飲み明…

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暗い部屋

暗い部屋 暗い、暗い、暗い部屋 可愛い彼女がcry、cry あとどれくらい、嘘をつく 暗い部屋 暗…

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こんな夢を見た

「富士の麓にはたくさんの人が埋まっているんだ」  誰かが私にそう言った。 「それはどうして…

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深夜3時のマインドカフ

あなたが寝静まった深夜3時。 わたしは眠れなくて甲州街道のテールランプをあなたのマンション…

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ふわふわふわふわ 飛んでいく

飛んだ 飛んだ たかく飛んだ 紙飛行機 飛んだ 飛んだ たかく飛んだ タイムマシーン 飛ん…

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こんな夢を見た。

 犬は飼い主に似るとはいうが、ここまで似ているとはお隣さんでも知らないだろう。うちの犬は本当にダメ犬だ。昼間から小屋に籠もりうつ伏せで寝ている。人が来てもちっとも吠えやしない。お陰で私はいつも大事な荷物を受け取ることができない。  ついこの間も、楽しみにしていた商品をあのダメ犬が吠えないお蔭で受け取れなかった。これではどうしようもない。人が来たら吠える調教するしかないと思ったが、私は昼間寝ている。仕方ないので、お隣の野球少年に駄目もとで頼むことにした。 「すまんが、このダメ

こんな夢を見た。

 僅かばかり白い雲が掛り始めた満月を私は縁側から眺めていた。右手には熱燗を左手には芳ばし…

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こんな夢を見た。

「拙者落ち武者でござる」  夜中に呼び鈴が鳴き玄関を開けるとそこには落ち武者がいた。なん…

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こんな夢を見た。

 二両編成の車窓から私は眺めていた。無機質な巨人の群れはその場から動くことなく大地に根を…

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やがて朝がやってきて、沈んだはずの太陽を今日もまた見ている。

 八月の太陽が輝く、世界はキラキラしている。  雲一つない空に私は指でなぞるように文字を…

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こんな夢を見た

腕組みをしてあぐらを組んでいると一人の坊主が私の前で経を詠み始めた。 なんだと目を見開い…

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こんな夢を見た

『とある街で原因不明の病が流行っていた』 「この流行病を治療する方法を解明致しました」 …

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こんな夢を見た

地球とはどんなところなのだろうか。 人類が文明を築き、自らのエゴで自然を破壊しては、失った存在に気が付かず後悔する。動物達はただ瞬間を生き、檻の中で見せ物となるだけなのか? 見えない美しさに人は感動し、目の前の美しさを卑下する。そんな人間の住む世界それが地球だ。    そしてこの地球は人間への監獄だ。  決して重力の枷を外すことはできない。  永遠の監獄だ。   地球の外に出ることのできた人間は過去に数名いる。だがそれは移住ではない。一次の脱獄に過ぎない。彼らはまた重力に引き