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こここ、ここ。ここ。 ここだよ。 こここ。 こここ、ここ。ここ。 ここだよ。 こここ。 ここ…
僕はまだ『令和』という文字を書いていない。 紙に書けば『令和』という時代が本当に来たと実…
「火星、木星間のパンツのサイズ表記がついに統一されるんだってよ」 「えっ? そうなの? …
「行くぞ......」 ベンチに深く腰掛けた男が呼吸を整えるように言った。 周りの人間を鼓舞する…
そもそもラノベを読んだことない僕はラノベとはどういうものなのかよく知らない。 ライトノベ…
発掘場から見つかるモノの多くは、古い人の化石であったり、古い動物の化石であったり、紙幣と…
靴を買った。 真っ赤なエナメルの靴だ。 昔も同じようなものを持っていた気がする。 どんな形だったのか覚えていないけれど、確かにそれは赤い靴だった。 シューボックスの中には小さな頃から履いている靴が綺麗に並べられて、 それは投影機で映し出されたように色あせていた。わたしは一枚一枚を取り出して思い出を探して見るけれど、その赤い靴を思い出すことはできなかった。 それは本当に赤い靴だったのか、 そんな疑問がふつふつと湧いてきたが、確かにそれは赤い靴だった。 それは本当にわたし
嘔吐塗れの歌舞伎町を見たことあるか? 俺はある日、いつもみたいに朝まで歌舞伎町で飲み明…
暗い部屋 暗い、暗い、暗い部屋 可愛い彼女がcry、cry あとどれくらい、嘘をつく 暗い部屋 暗…
「富士の麓にはたくさんの人が埋まっているんだ」 誰かが私にそう言った。 「それはどうして…
あなたが寝静まった深夜3時。 わたしは眠れなくて甲州街道のテールランプをあなたのマンション…
飛んだ 飛んだ たかく飛んだ 紙飛行機 飛んだ 飛んだ たかく飛んだ タイムマシーン 飛ん…
犬は飼い主に似るとはいうが、ここまで似ているとはお隣さんでも知らないだろう。うちの犬は…
僅かばかり白い雲が掛り始めた満月を私は縁側から眺めていた。右手には熱燗を左手には芳ばしい栗を摘み、橙に色を染めた葉は月明かりにその色をより紅く輝かせていた。 私は上着のポケットから煙草を取り出し火を点け「ふぅ」と溜息まじりに煙を吐き出した。煙は宙をふわふわ舞い、影を作っては直ぐ消えた。また熱燗を口にした。 「少し飲み過ぎだぞ」 父が私の隣りに座りそう言った。 「気分が良いんだ」 私がそう言うと「私もだ」と父が言った。 「お前と呑むのは初めてだな」 「そうだね。酒を呑む